円陣を組む
高校一年生時の部活動。
大事な試合前日、ふたつ上の副キャプテンが、練習終わりのミィーティングでこんな面白いことを言いました。
「明日は試合です。”試合前”と掛けまして、”車”と解きます。その心は?どちらも円陣(エンジン)が必要です。明日は勝ちましょう。」
普段はシャイで口数が少ない先輩が、いきなりこんな事を言い出したので、チームが笑いに包まれました。
試合前の”円陣(エンジン)”は確かに大事ですよね。
副キャプテンの話を聞いて、当時は笑いと同時に納得をしている自分がいました。
自分でいうのも変ですが、僕の高校の円陣ってめちゃくちゃカッコいいんですよ。50人くらいが、バスケットコートの中で円を作って、
気合いを入れるわけなんですけど、これが物凄く試合前に闘志を燃やしていきます。
僕の代では面白いことに、
”誰が円陣の真ん中に立つか選手権”みたいなことをやったんですよね。
円陣って誰か1人が仕切りで声を出して、それに全員が続くというのが一般的なスタイルだと思います。
仕切り役「いくぞー!」
全員 「オー!!」
みたいなやつです。
要は、この”仕切り役(真ん中に立つ人)”を誰にするかっていうのをオーディション形式で決めるということをしました。
キャプテンの僕が「オーディションしよう」って言ったのが始まりなんですけども。
オーディション結果、なんと
普段練習であまり声を出さない人が選ばれたんですよね。
声量も大きかったし、美声だし、チーム一同文句なしの結果でした。
ただ、唯一文句があるとしたら、普段の練習で声出せよってところなんですけど。
とにかくですね、試合前の円陣は大事だと思っていたので、
誰を真ん中に立たせるか、これにこだわりたいと思ってオーディションをしたわけです。
今回のテーマは『円陣を組む』です。
円陣を組むことで、「やってやるぞ!」という気持ちが強くなると思います。
しかし、コロナウイルスの影響で、スポーツ界は”声出し”が禁止されました。
これによって円陣をする機会はなくなっていきました。
円陣を組めないのは「かわいそうだな」と思いましたが、
「そもそも円陣って効果あるのかな」とそんな疑問が浮かびました。
調べてみたところ、円陣に関する面白い話があったので
今回はそちらを紹介していこうと思います。
●円陣は効果がない
ラグビー日本代表のメンタルコーチを務めた、荒木香織氏はこう言います。
「円陣の掛け声はプレーの質が低下する」と。
円陣の掛け声は全く意味がないどころか、プレーの質が低下すると断言しました。
実際、ラグビー日本代表は、荒木氏がコーチを務める前までは必ず試合前に掛け声を出して、気合いを入れていたそうです。ですが、荒木氏の指導で試合前の円陣を組むことをやめたそうです。
その理由は、円陣を組んで大声を出すことは、脳の”アドレナリン”や”ドーパミン”が”過剰に分泌”され、それによって、試合前の興奮の度合いが高くなるだけで判断力が低下し、ミスの連発に繋がるから。
円陣の掛け声は、ただでさえ試合前で興奮しているのに、その”興奮状態をさらに助長している”ことになるので、プレーの質が低下するのだと言います。
面白い話ですよね。
僕が高校生の時に円陣を組んだ後、「やってやるぞ!」という気持ちになっていたのは、
戦いの闘志を燃やして、気合いを注入したものではなくて、
”興奮状態をさらに加速させ、判断力を低下させるものだったのかもしれない”と
考えてしまいました。
なので、今、円陣を禁止されているスポーツ選手に
円陣がなくても、こういった考えがあることを教えてあげたいと思いました。
●考え方を変えてみよう
そうは言っても、普段から円陣を組んでいたチームが、
急に円陣を組まなくなったら、選手は寂しい気持ちになりますよね。
そこで便利な考えが、”ルーティン”です。
ルーティンというは、”心を整えるために行う一連の動作”のこと言います。
つまり、円陣を組むことをルーティンだと思えばいいのです。
円陣は興奮状態を加速させるものと考えるのではなく、
円陣はルーティンで、”心を整えるもの”だと考えれば、
ポジティブな気持ちで円陣が組めると思います。
考え方を変えてしまえば良いのです笑
●まとめ
円陣が禁止されている時のポジティブは、”円陣はプレーの質を下げるもの”
円陣をしても良い時のポジティブは。”円陣は心を整えるもの”
このように都合よくポジティブに解釈していけば、
円陣を組んでも、組まなくてもどっちでも良いと僕は思いました。
だた、荒木氏の「円陣がプレーの質を低下させる」という考え方は、自分の視点を増やすものだと思ったので、今回紹介しました。
本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。
10月は、10以上のアウトプット発信をしていきたいと思います!
えいえい、オー!