メンタルトレーニング
「将来のことが不安で心が安定しない」「人間関係のストレスで心の浮き沈みが激しい」など、
こういった悩みを抱えている人は、少なからず存在すると思います。
そんな悩みを抱えている人が、他人に頼ることなく、自分で解決していきたいとなれば
”メンタルトレーニングをする必要がある”と思います。
著者:飯山晄郎さんの
「百年メンタル〜心の調子をキープする言葉の取扱説明書〜」には、
こうした、メンタルや心に関する不安・不調を脱するカギは、
”自分の感情をコントロールする術”を知ることだと明記しておりました。
飯山晄郎さんは、高校野球の名門校、星稜高校が、甲子園決勝進出を果たした時にメンタルコーチングを手掛けており、
また、女子スピードスケート高木菜那選手が平昌オリンピックで2つの金メダルを獲得した時のメンタルコーチを務めていた方です。
※ちなみに星稜高校は、日本を代表する野球選手、松井秀喜選手を輩出した高校です。
今回のテーマは『メンタルトレーニング』です。
スポーツでもビジネスでも両分野で実績を残してきた、飯山晄郎さんがコーチングを通して確信している
「心の浮き沈みが激しい」「メンタルが安定しない」人に見られる特徴というのを紹介し、最後にメンタルトレーニングについてまとめていこうと思います。
●心が不安定な人の特徴
①自分なんて
心が不安定な人は「あの人と比べて自分なんて〜」「能力の低い自分なんて〜」と自分を下げる癖がついています。
その謙虚さは素晴らしい部分ではありますが、「自分なんて〜」という言葉は脳にはマイナスとして伝わり、心の調子を下げてしまいます。
そればかりを使っていると、
”自分の本来持っている能力を制限してしまう”のです。
なので、「自分なんて〜」という言葉を”自分だからこそ”と変換するようにしてみてください。
例えば、周りの目を気にしてしまうことに悩んでいたとします。
そこに”だからこそ”という言葉を入れると
「周りの人が気になってしまう。だからこそ、落ち着いて周りを見られている」とプラスの側面が現れてくるのです。
失敗やミスが続くと自分の欠点に意識が向き、自信が失われることがあります。
しかし、例にように視点をマイナス面からプラス面に変えることによって、物事のプラスの側面に気づき自信へとつなげていくことができます。
その”自信を持つこと”が心の安定に繋がるのです。
②(寝る前に)ダメだった
脳は寝た瞬間にその日1日を再生する機能があります。
もしも、その日1日を否定的な思いで過ごしていて、寝る前まで引きずってしまうと、脳は睡眠中にも否定的な出来事を反復してしまい、マイナスのイメージトレーニングを繰り返しているのと同じことになります。
寝る前に「今日はダメな1日だった」と思えば、それは心の調子を下げる原因になってしまうのです。
そこで嫌なことがあったら、脳は”強く記憶するという性質”を利用するのが効果的です。
1日中否定的な出来事があったとしても、寝る前に肯定的な思いを作ってしまえば、肯定的な記憶データとして記憶してくれます。
寝る前に今日できたこと、今日うまくいったことを少しでも思い出す習慣が作れると、心の調子が安定していくのです。
例え、今日が全部うまくいかなかったとしても、”明日、朝起きたら前向きに行動できている自分”を思い浮かべてみるのも効果的です。
寝る前の時間、つまり”脳のゴールデンタイム”に肯定的なイメージを描くことが、心の安定に繋がります。
③感動力が低い
自分を否定的に感じていて、自己肯定感が低い人の特徴として、”感動力が低い”ことが挙げられます。
つまり、物事に対して心が動かなくなる、いろんなことに対して感情表現が乏しくなっている状態です。
その状態になると、人から親切にされたり、自分で良いことをやっていたりしても、プラスに心が動かないため、気分が上がっていきません。
したがって、プラスに感じて心が動くという、”感動力を高める”必要があります。
感動力を上げるためには”チョイ超え作戦”が効果的です。
これは、普段やらないようなことを、ちょっとだけやってみることを意味します。
いつもよりちょっと恥ずかしいと思うことを、ちょっと照れくさいと思うこと、
ちょっと勇気が必要なことを「よし、やってみるか」と1つでもやってみること。
例えば、ボランティア活動や身近にできるSDGs への取り組みなどです。
人からありがとうと感謝されると、もっとやってあげたい気持ちになり、心が徐々に動くようになります。
チョイ超え作戦を日常に取り入れて、”感動力を高めていくこと”が、
心の安定に繋がっていくのです。
●まとめ
メンタルトレーニングというと、心を強くするイメージですが、
最も重要なのは、
”感情をコントロールすること”であり、”心の安定”を最優先に目指すことなのです。
つまり、何らかの状況において、必要以上にプレッシャーを感じるなど、感情がよくない方向に動いたときに、
その感情をきちんとコントロールして良い方向に導くことです。
「我慢強く」とか「耐久性を持って」というのは、心を強くするトレーニングをしているのではなく、
単にストレスを感じ続けているだけで、それはいつか心の崩壊へと導くことになります。
結果を左右するのは、感情をコントロールする方法を知っているかどうか。
そして、その上でトレーニングを積んで実際にコントロールできるかどうか。
それだけのことなのです。
それは誰もができることであり、それができる人について周囲の人は
「あの人は心が強い」「メンタルが強い」という風に表現しているに過ぎません。
メンタルトレーニングで大事なことは、
”心がよくない方向に動いたときの対処”、コントロールする力を養うことです。
これを養うには、普段から意識を変えていき、行動することが必要であると思います。
最後に、アメリカを代表する哲学者・心理学者の一人、
ウィリアム・ジェームズが残した言葉を書こうと思います。
意識が変われば、行動が変わる。
行動が変われば、習慣が変わる。
習慣が変われば、人格が変わる。
人格が変われば、運命が変わる。