これは、みすゞが選んだ人生なのだから
【金子みすゞ】
3月10日は、詩人金子みすゞが亡くなった日。
音楽と言葉「#金子みすゞ」は、るいまま組の作品のなかでも特に考えることの多い作品で、
100年前の地方における女性の生き方はとても狭い選択肢しか与えられていなかったのだなと資料を読みながら知った。
それはみすゞに限らず、その時代の日本の地方だったのだ。
みすゞが自死するきっかけとなった夫の宮本にしても、みすゞの詩作や、西條八十に認められることへの嫉妬もあって理不尽なことを繰り返したのであろうが、
それも100年前では、当たり前のことだったのかもしれない。
この時期、東京には、女性の権利を謳うひとたちがすでに出てきていたし、与謝野晶子の元に走っていれば、なにかかわったかもと思わぬでもないが、それも「かも」に過ぎない。
現代にみすゞが生きていれば、こんなことにはならなかったのにと思いながら、でも、これは、みすゞが選んだ人生なのだからと、いらぬお節介はやめる。
2010年から公演を繰り返し作品を育ててきた、金子みすゞ、母ミチ、娘ふーちゃんの語りですすめられるお話は、
金子みすゞ没後90年となる2020年の夏の石あかりsidetripLIVEで再演してから、10年間の形を一旦ばらし、新しく書き換える予定だったのだが、
その年の3月頃からじわじわ近づいてきたコロナにより石あかりは中止になり、
最後の公演は、亀井町 #本屋ルヌガンガ で、店主の中村さんにも出演いただいて演ったのが最後となった。
考えれば、本屋の娘であり、本によって世界を広げていった 金子みすゞを偲ぶには最高の場所だったなと思う。
写真は、音楽と言葉「金子みすゞ at #本屋ルヌガンガ 」2020.3.7
みすゞ #宮武洋絵
母ミチ #石川由美
娘ふさえ #日下ゆうこ
弟まさすけ ルヌガンガ中村さん
作 #るいまま