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勝賀山城址にのぼる

【漫遊帖 リニューアルした勝賀城跡を見よう 11/7記録】

いっときは、パンフレットの見開きページがうまるほどあった鬼無コース。桃太郎あり、盆栽あり、勝賀山あり、まち歩きあり。そのくらい魅力が詰まったまちなのだけど、いつも言うように、漫遊帖は「ガイドさん」こそが魅力の発信源。

鬼無の桃太郎はた先生がいて、知識の今岡先生がいて、裏方の要中西さんがいてと求心力になる魅力的なガイドさんたちにもいろいろあり、しばし休憩しておりましたが、新しい魅力である永安さんがメインガイドとなり、今岡先生が永安さんを助けながら、中西さんが最後のカフェでみなさんの到着を待ちおもてなしのお手伝いをするという連携に。

お天気もよくミカン畑の広がる坂道から見る風景もすっきり見渡せ、永安さんの名調子に気分は上場。気持ちいいですね~と今岡先生と軽口をたたきつつ歩いておりましたが!

勝賀山登山道ゲート前、永安さんが「では、みなさんストレッチをしましょう」と言われ、お客さまも足の前後の筋肉をほぐしはじめ、今岡先生が「るいまま、大丈夫?」とにやにやしながら言うので、「昨日、峰山のぼってるんですよ。大丈夫ですよ~」と答えると、「Sさんは、2回きて2回ともここで引き返したんだよ」とのこと。

お客さまのひとりが「手袋もはいといたほうがいいですね?」と聞き、永安さんが「そうですね、手をつくこともありますから」。

なんだ?なんだ? この雰囲気は。

ゲートを越えると、その謎はすぐとけました。いやいや、峰山野点の遊山とはまるで違う山道やんか(笑)

前日の峰山と同じ、靴底は集めながらまち歩きのスニーカー、ぴらぴらした長いコート、帽子もかぶっていなければ、リュックは肩からずるずる落ちるおしゃれリュックという姿でやってきていた私は完全に勝賀山を甘く見ていたよ。
みなさん、足元はそれようの靴を履き、身体にフィットしたシャツをズボンにイン、ちゃんと帽子もかぶり、リュックもしっかりしていて、手にはトレッキングポールを持っている方も。

前日、中西さんに「勝賀山のお写真がぜんぜんないので、明日、一緒に登って写真撮して、適宜離脱しますので、お食事はいりません~」なんて気楽に言ったら、中西さんが「ほんとにいいんですか?」と念をおしてくれたのに、大丈夫です~と言ったのが私の甘さであったことも、すぐに気づきました。ここは、一度はいると離脱はできず、登りきって下山しきらないといけない山(笑)

街なかからJRで15分ほどで行ける場所に、こんな山があったとは!

けれど、この山は「登ってこその醍醐味」がつまりにつまった山でした。勝賀山を知り尽くした永安さんは、どのあたりで休憩すれば脱落しないか考え、みんなが疲れないよう歴史だけじゃないよもやま話しも挟みながら導いてくれ、一番うしろからみなさんを見守るように今岡先生が歩き、ところどころでしてくれるお話がおもしろい。今岡先生は、2年前に足を骨折され杖をもっての登山なのに、ぜんぜん衰えを知らない。

永安さんから、「山は小股で心臓をバクバクさせないように歩くのがコツです。足より先に心臓で脱落するひとが多いんです」と助言があり、山城攻めに慣れている城ガールが、滑りまくりの私に「坂に対しまっすぐ足を出しちゃだめです、るいまま。がに股気味に股関節ひろげて」と教えてくれ、大股で歩き心拍数上げてというまち歩きと登山は、真逆なんだと知る。

勝賀山のお写真がなぜないか。途中でのんきに写真を撮ってる場合じゃなかったってことですね(笑)そして、険しいところは、足下ばっかり見ることになるので帽子は必須。木の枝に突かれ頭を怪我をします。

山は、ときどきなだらかになったり険しくなったりし、最後に念を押すようにぎゅんと厳しい坂がありますが、登りぬいた先には、戦国の城「勝賀城」の主格がひろがり、囲まれた土塁の向こうには、高松が四方見渡せます。水も出ない場所だと聞いていたので、なぜそんなところに城を建てたんだろうと思いましたが、海も山も敵陣も仲間も見渡せるこの場所が、いかに大事だったかわかります。

詳しい歴史的なところは、城ガールが書いてくれますので、またシェアしますね。

しかし、こうして登山できるのも、この山や登山道の城跡の草刈りをして整備くださるひとたちがいるから。この日も保存会のみなさんが草を刈ってくださっていました。勝賀山登山はいくつかルートがありますが、車で山頂に行ける道はなく、「とにかく登りきる」に尽きます。

さて、下山。永安さんが、たぶん一番大変なのは香西ルートですと言われた道を下りることになりましたが、ここの怖さは土がふわふわ柔らかく崩れやすいこと。鬼無ルートとはまるで違う感触にどきどきしながら下山。高所恐怖症の私は、断崖側を見ず山肌側をみて、カニのようにおりてまいりました(笑)

車道のあるみかん畑が見えたとき、「こんなにみかんの木が神々しく見えたことはないよ~」と思わず声がでるほど。

山の道は管轄が違い、みかん畑のあるあたりは農林省の管轄。登山道は林野庁など別のところの管轄。とはいえ、ほとんどが地域のみなさんの努力によって一般のひとたちも登れるように保たれているのです。だからといって、必要以上に開発されてしまうと、本来のあるべきものが荒らされたりするので、山や城を守る保存会のみなさんは悩みながらの保存のよう。

勝賀山の山頂からの風景は観光地のそれとは違う、雄大かつ往時への思いがひろがる風景ですが、やはりここを登りきってこそわかる風景だなと思いました。

山登りを趣味とされる方はみなさん優しく、山のなかの会話にも心遣いがありいいなぁ。騒ぐこともなく、自然のなかに自分を置くみなさんに感動。一度、山にはまったら次々と山にいきたくなるのは、自然ももちろんだけれど、ともに歩いたひとたちのこの関係にもあるんだろうな。

山は、ほんとに良いよ!!

中西さんに「写真撮りにいきます。撮ったら適宜帰りますからご飯はいらないです」と言ったけど、中西さんが、機転をきかせて食事をとれるように計らってくださり、鬼無 #歩笑 でカレードリア。助かった!(笑)

今岡先生が、野点ガールズも勝賀山で野点しましょうと言ってくださいましたが、野点ガールズはたぶん途中で泣きます。まずは、峰山で十分準備してから。いや、むしろ、城ガールや今岡先生や永安さんにお茶の点て方をお教えしたほうが早いかも(笑)。

今回の写真は、私と城ガールが写し、たくさんありますのでこちらでみてね。

https://m.facebook.com/ruimama.yoshida/albums/4429528367125573/

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