ブロール・ヒスブロ視点で見るイニストラード真夜中の狩り
皆さんこんにちは。バーチャルプレインズウォーカーの重寝 累花です。
イニストラード真夜中の狩り(以下MID)のリリースが近づいてきました。
スタンダードのローテーションでブロール環境も一新され、去っていったカードたちもヒスブロ常設により元気な姿を拝めるでしょう。
統率の塔、秘儀の印鑑はスタン落ち後も使えるようにする、と言われていますが特にその後の声明はありません。
ブロール・デッキの発売を諦めたことは寂しいですが、まぁその辺使えるならとりあえずは良しとします。寂しいですが。
前置きが長くなりましたが、ブロール・100枚ヒスブロで活躍しそうなカードやMIDそのものが与える影響を考えていきたいと思います。
スタン落ちの影響
まずスタンダード・ブロールから消えるものを確認しましょう。敬礼。
●統率者
《帰還した王、ケンリス》や《太陽冠のヘリオッド》、《眷者の神童、キナン》など、様々な統率者が退場します。イベント時にお世話になった方も多いのではないでしょうか?
また、3色以上統率者の選択肢がとてつもなく少なくなります。
エルドレイン・ブロール・デッキやイコリアの頂点獣サイクルがいなくなるのが主要因ですね。10の領界で構成されるカルドハイム、対抗色セットのストリクスヘイヴンが2色フィーチャーだったことも大きいです。
《樹の神、エシカ/虹色の橋》、《冬の神、ヨーン/霧氷杖、カルドリング》、《オリークの首領、エクスタス》、《敬愛されるレンジャー、ミンスク》、《創造の座、オムナス》※スタンブロール禁止、《騒々しい写本、コーディ》、《ティアマト》のわずか7枚しか残りません。
おっと、使えるのは6枚でした。度し難い強さのカードは、たとえブロールであっても規制されます。
MIDにも3色以上の統率者はいないのでバント、ジャンド、エスパー、グリクシス、ティムール、ジェスカイ、アブザンカラーの統率者はしばらく不在となりそうです。
ニューカペナまでには揃うでしょうか?
●土地
多色に絡むところだと、神殿、トライオーム、寓話の小道、タップインゲインランドが退場します。
逆に残るのは両面土地、学舎、交錯、タップイン氷雪ランド、世界樹です。
(カルドハイムの起動能力土地は一方の色しか出ません)
また、後述しますがMIDでは逆ファストランドが加入します。
単色・無色だとエルドレインの城サイクルが去るのが一番大きいです。
《スコフォスの迷宮》なども極端に遅いデッキでは使われてましたね。
当然ですがローテーションでセット数が減るので、総数は一旦減ります。
ティアマト、エシカなど5色統率者が数多く残るものの、トライオームが去るのが痛いかもしれません。耐えましょう。
●その他
あげればキリがないですが、スタン禁止カードの《創案の火》、《むかしむかし》、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》や、ブロール・デッキ収録の《伝説たちの秘本》などが落ちます。
スタンダードでも活躍したカードの中では、低速デッキにおける定番リセット手段の《精霊龍、ウギン》、強力なアドバンテージカード《グレートヘンジ》などの退場が大きいでしょうか。
いかにしてリソース差をつけるかが難しい環境になりそうです。
MIDで訪れるものたち
●逆ファストランド
なんという略称になるのかまだ曖昧ですが、3枚目以降に出したときのみアンタップインする土地が有効色に加わります。
ブロールでは当然貴重な選択肢になりますが、多色土地不足に悩まされている100枚ヒスブロにとっても朗報です。
対抗色2色が損しているようにみえて、あっちは先にシャドウランドを貰って・・・・なに、こっちの同型が良かった? 諦めましょう。
●変身
ここ最近は両面と言えばMDFCですが、イニストの両面カードはやはり変身メカニズムです。
カードとしては基本的には表面を参照しますが固有色は裏も含みます。
ほんの数枚ではありますが、次回のイニスト真紅の契りでも増える可能性が有ります。ブロールやEDHを組む際は注意しておきましょう。
●日暮/夜明
世界に昼、そして夜が訪れる、新たな変身メカニズムです。
昼夜を参照するカードが出るまでは昼でも夜でもありません。
カードによって指定されて初めて、昼か夜になります。その後、日暮/夜明持ちは今が昼か夜かによってどちらの面で戦場に出るか変わります。
昼のターンプレイヤーが自分のターンに呪文を唱えないと次のターンから夜に、夜のターンプレイヤーが自分のターンに2つ以上呪文を唱えると次のターンから昼になります。
日暮/夜明を持つカードは変身し、昼夜が入れ替わることで誘発する能力があれば誘発します。
ハイランダーという性質上、軽く強力な呪文でデッキを構成することが通常構築に比べ難しく、土地をタップインせざるをえない機会も多いブロールでは少し夜になりやすいのでは? と思われます。
昼夜を操りたいなら、軽いドローソースや次に紹介するフラッシュバック持ちなど、呪文を連打する手段を意識的に採用したほうが良さそうですね。
●フラッシュバック
再活が去り、脱出もまた去ろうとしていますが嘆くことはありません。
元祖フラッシュバックが帰ってきました!(さあ、盛大な拍手をどうぞ)
ヒストリック・アンソロジー等でたびたび追加されているのでヒストリックをプレイされている方にはおなじみかもしれません。
墓地からフラッシュバックコストで唱えられますが、唱え終わると追放されます。……《ゼロ除算》などでスタックから別領域に移動してなければ。
純粋に1枚で2枚分の働きをするのはもちろん、魔技の誘発や昼夜の逆転にも役立ちます。いっぱい唱えましょう。
●降霊
ここは死とゴシックホラー蠢くイニストラード。
墓地から帰ってくるのはインスタントやソーサリーだけではありません。
イニストラードでは死んだ生物が幽霊になることは珍しくなく、彼らはスピリットとして墓地から蘇ります。
残念ながらスピリットとして死亡した時は、どこかに消えてしまいますが。
降霊持ちのカードが墓地にあるとき、降霊コストを払うことで変身した状態で唱えることができます。スタック上でのパワーやクリーチャー・タイプを参照するときは裏面を見ます、気を付けましょう。
高い継戦能力を持つ分、全体的にスペックは控えめです。また、白青黒の3色にしかありません。そして殆どが人間です(ヒポグリフもいます)。
赤は狼男や吸血鬼が多いので霊体化することもなく、緑も狼男が多かったりスピリットとして飛び回るのは緑らしくない、ということかもしれないです。
あくまで唱えるのため、打ち消しや唱えられるタイミング、唱えた時誘発などの影響を受けます。蘇生や永遠とは違う点ですね。
《見張るもの、ヴェイガ》などは超強化といえるかもしれません。
また、死亡すると追放されますがこれは降霊自体が持つ能力ではなく、裏面のクリーチャーが持つ能力です。
能力を失わせたり、死亡ではなくブリンクやバウンスをすると胡散臭いことを始めるかもしれません。使う時も、相手にする時も注意しましょう。
あくまで裏面にそう書いてあるだけなのです。
●集会
イニストラードの人間は狩られる側、矮小な存在です。
……えぇ、矮小な存在なんです。オドリックやサリアもそう言ってます。
そのため身を寄せ合い、力を合わせる必要が有ります。
スカーブになれば文字通り一体感を得られるのですが、生きた人間は生きた人間らしい方法で力を合わせます。
集会はパワーの異なるクリーチャー3体以上をコントロールしていると、ボーナスを得られる能力語です。人間が力を合わせてと言いましたが、別にスピリットやゾンビ、狼男と手を合わせても構いません。
むしろ異なるパワーを探すためには、様々な種族の手を借りたほうが効率的かもしれません。
いずれにせよ3体以上のクリーチャーをコントロールすることが最低条件なので、できるだけパワーの異なるトークンを出してくれるカードとの相性が良さげです。
パワーを上げたり下げたりする能力があればさらに加点できますね。
集会持ちクリーチャーと、統率者のパワーが異なるなら呼ぶべき友人はあと1人だけです。
知り合いの犬やスピリットや野獣に声をかけましょう。
いなければ、壁でもいいです。
前半はここまでとなります。
後半はいよいよ新規参戦する統率者と、MIDの注目カードの紹介です。
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