ヒストリック・ブロール視点で見る! アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート  前編

皆さんこんにちは。
バーチャルPWの重寝 累花です。

スタンダードのカード追加がしばらくない中、アルケミーに超ド級の新風、『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』が7月8日に実装されます。
今の、そしてローテーション後のアルケミーに与える影響が大きそうなセットですが、今回もヒストリック・ブロール視点で見ていこうと思います。

1.入門:バルダーズ・ゲートの前提

『アルケミーホライゾン:バルダーズ・ゲート』は、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』をベースに、再調整したカードや新規カード、フォーゴトンレルム探訪からの再録カードなどが収録されて新しく生まれたセットです。

とりあえず、『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』のことはできるだけ一切忘れましょう。
イラストが同じなのに、全く別の能力のカードが多数存在するためです。
中途半端に情報が入り混じっていると分かりづらくなりますので、一旦は全くの新規カードとしてとらえた方がよさそうです。

※余談ですが、全く別の能力だったり少し雰囲気が残っていたり、違い度合いもバラバラです。
並行して開発が進められた結果、大きくデザインが変わらなかったものは似通っていて、紙かデジタルのどちらかが急に大きく舵を切ったものは別物になったのかな~・・・などと思います。


2.開門:バルダーズ・ゲートのメカニズム

バルダーズ・ゲートから3つの新規メカニズムが登場します。
※うち1つは今セット限定ではなく、アルケミー常用のもの。

・専門化(Specialize)

なぜなら彼女もまた特別な存在だからです

※不明部分が多いため、分かり次第更新します。

指定のマナ・コスト+有色のカードか基本土地タイプを持つカード1枚を捨てることで、専門化して別のカードに変化します。

両面カードを使った変身ではない、デジタルメカニズムらしく変化・進化を現すメカニズムです。
表面がそのまま変わるため、墓地に送られたりしても元に戻ることはありません。

※起動型能力なのか、ソーサリー・タイミングなのかは現在不明。

ヒストリック・ブロールにも一定の影響・・・というか、専門化を持つのは全て伝説のクリーチャーなので結構な影響を与えます。
通常は単色のカードですが、統率者として使用するときは変身先を1つ選び、2色の統率者として扱えることが開発Discordで明かされています。

スタンダード・ブロールには関係ないセットのため、ヒストリック・ブロールのためにわざわざ専用の処理を入れてくれたということなので大変嬉しいです。サンキュープログラマー。
5色統率者が大量追加されたり、単色固定で職業の自由が守られない世界線は回避されました。

専門化するとサイズアップしたり、専門化したときに誘発する能力があったり追加のボーナスが得られますが、マナ総量が変化する特異な性質も持っています。
専門化した状態で統率領域に戻した場合、専門化後のマナ・コスト+統率者税を払わねばならない結構なマナ食い虫になるので気を付けましょう。

※統率領域に戻る際、専門化が解除できそうな雰囲気はしていますが現状は不明です。
また、《無限の秘本》をはじめ「固有色から外れたカードを手札に加える方法」が一定数存在します。
これらを使うことでゲーム中、デッキ作成時に選んだ2色以外に専門化できる可能性がありますが念のため出来るか未定にしておきます。

・二体掛り(Double team)

いつでも2人で1つだった 地元じゃ負け知らず

攻撃時に自身の複写を手札に創出し、二体掛りをお互いに失います。

攻撃しなければならないというタイムラグはありますが、手札を1枚増やすことができる便利な能力です。
また、二体掛りを他のクリーチャーに与えるカードもいくつか存在します。
統率者に二体掛りを与えることで、一度限り統率者税を免税して出す権利を得られる、と取ることもできるでしょう。

統率者という性質はカード自体に宿るため、創出されたカードは統率者としての性質は持ちません。
とはいえ、ヒストリック・ブロールでゲーム中に統率者を参照するカードは《伝説たちの秘本》(と、今回増えた1枚)だけなので、そこについてはあまり気にしなくてよいかもしれないです。

・恩恵(Boon)

ブゥン!

条件を満たすまで残る遅延誘発型能力に名前をつけただけ。
スタン基準だとずっと残る《熊野と渇苛斬の対峙》の第Ⅱ章、アルケミーでも《執拗な仔狼》のETBが実質これですね。

恩恵自体はさほど特別なメカニズムではありません。
しかし、恩恵の実装に伴ってか「次にクリーチャー呪文を唱えたとき、それは永久に〇〇を得るの恩恵を得る」といったカードが多数収録されており、恒常的な統率者強化が狙いやすくなりました。
これまでは手札のカードに永久的バフを与えるカードが多かったので、統率者にとっては朗報となりそうです。

3.バルダーズゲートの伝説たち①

《Vladimir and Godfrey》

Vladimir and Godfrey

1/1が戦場にいれば強くなって墓地から帰ってくることができるゾンビ。
愛のなせる業。

《アーデンベイル城》とは特に相性がよく、十分なマナがあればインスタントタイミングでの帰還も可能です。
特に回避能力はありませんが、非常に粘り強いカードです。

《Calim, Djinn Emperor》

Calim, Djinn Emperor

手札から捨てて1ドロー+1タップ。
捨てたときに墓地から他のカリムを2枚追放することで戦場に出てくる能力と、捨てたときにデッキの上から7番目にカリムを創出する能力を持っています。

ユニークな能力ですが統率者領域から出すだけでは特に機能しないため、統率者としては大変な苦難を背負ったカード。
非常に心苦しいですが、《原初の死、テジマク》とどっちが使いやすいかを議論せざるをえないと思います。
メインボードに入れる場合は、できるだけ初動で引けるよう祈りましょう。

《The Hourglass Coven》

The Hourglass Coven

出たときにハグを2枚ドラフトして戦場へ出す能力と、邪術師へのロードを持った伝説のハグ。

出てくるハグは全て2/2の邪術師なので、6マナ9点クロック、メリット能力2つ持ちのようなカードです。
戦闘力に直接関わるのは威迫を付与するハグと、アップキープに-2/-1を与えるハグでしょうか。
よりロングレンジのゲームを目指すときは占術2や、ディスカードを行わせるハグが優秀です。

6マナと重いものの、単体除去に強く盤面を固めることができます。
一方、威迫と護法付与以外は次のアップキープからしか機能しない、カードを引けるハグはいない、3/3が戦力にならない状況では遅いとやや悠長にも感じます。
威迫&2点ドレインを探してライフを詰める、占術&ハンデスでより長いゲームを仕掛ける、といった明確な狙いがあるときに特に輝けるカードです。

《Kardum, Patron of Flames》

Kardum, Patron of Flames

攻撃するたびに自身に炎カウンターを1つ置き、その後乗っているカウンターに等しいマナ総量のカードを抽出して追放します。
追放したカードは自身の死亡時に手札に加わりますが、使えるのは次の自分ターン終了時までの期限つき。

早期に出せば1-2マナのカードぐらいは軽々と抽出し、攻め手を繋ぐことができます。
Kardumより後に引きたい軽いカードはやはり本体火力でしょうか。
一方、《ボーマットの急使》、《秘儀の印鑑》などが後半手札に加わってもそこまで嬉しくありません。
運を信じるか、構築を尖らせるかの選択が求められそうです。

《Oyaminartok, Polar Werebear》

Oyaminartok, Polar Werebear

伝説の巨人・熊。
アルケミー:バルダーズゲート新規、単色の伝説のクリーチャーサイクルのはずですが、魚を獲るので固有色が単色ではなく、青混じりになっています。

時間制限付きの呪禁で身を守りつつ、戦闘ダメージを与えると食物を生成。
(青)+食物をサクることで、水の生き物をドラフトしつつ(青)3マナを生成します。

ドラフトできるカードは《印章持ちのヒトデ》のような防御的なカードから、《追われる鯨》《原初の潮流、ネザール》などフィニッシャー、さらにインスタントタイミングで動ける《飛びかかる岸鮫》《大食の巨大鮫》などさまざま。
クリーチャー限定ですが2マナ加速できるため、4マナでOyaminartokを出した次のターンに7マナ生物着地も夢ではありません。
使用用途はドラフトしたカードに限らないため、引いてきた《星界の大蛇、コーマ》などを叩きつけるのにも使えます。
トランプルも持たないため、戦闘ダメージを与えるのに工夫がいることは注意が必要です。
もしくは《不屈の補給兵》などを使って食物を生成するのもアリでしょう。

変容持ちが多いため、変容をドラフトし続けて岸鮫や肉食島で盤面を空けたり、負けそうなときにドラフトを連打して岸鮫や巨大鮫を探したり、一度エンジンが回り始めればかなりの無茶ができる統率者です。
ドラフトしたカード同士のシナジーが強いため、使用する場合は呪文書の中身をよく覚えておきましょう。

《Jon Irenicus, the Exile》

Jon Irenicus, the Exile

ターン終了時、相手より多くライブラリが残っていれば1ドローできるエルフ・ウィザード。
条件を満たしていない場合は、対戦相手に切削5を行うことで次ターン以降のドローを補助します。

一度条件を満たし始めればほぼ毎ターン1ドロー追加となり、長巻ですが堅実なアドバンテージを得られる統率者です。
タフ5も地味に硬く、引いたカードを使うターンを作ってくれるでしょう。

5枚の切削は値としてはなかなか大きいのて、2-3ターンは自分のライブラリーの方が厚いことを保証してくれそうです。
そうでなければ、Jon Irenicusの力を借りず山札を掘り進めているということです。
それはそれで良いことなので、大きな問題はないでしょう。

《Liara of the Flaming Fist》

Liara of the Flaming Fist

同名カードが戦場か墓地にいるなら、戦闘開始時に+1/+1修正を与える伝説の人間。
さらに一度だけ先制攻撃と二体掛りを他のクリーチャーに付与する能力も持っています。

ヒストリック・ブロールでは基本的に同名カードが戦場や墓地にあることは基本的にありません。
二体掛りやドラフトで創出する、コピーをコントロールする、同名のトークンをコントロールする(※名前が定義されていないトークンは兵士・トークンや人間・トークンのようにサブタイプ名+トークンという名前です)など、一部のケースでのみ発生します。
自身の能力による二体掛り付与と、同種トークンのコントロールが赤白的には一番条件を満たしやすいでしょうか。

2マナ統率者ではありますが、攻め手を繋げることや多量展開を得意とするため、少しミッドレンジ寄りの統率者です。
どこでその力を振るうかが勝利の鍵となるでしょう。


Minthara of the Absolute

1ターンに1度だけ、自分のパーマネントが戦場を離れると強度が上がり、その分だけ全体に+X/+0修正を与える伝説のエルフです。
今回の伝説のエルフは全体的に血色が悪い。

開始強度はゼロなので、最初はほぼバニラです。
出てすぐ《悲哀の徘徊者》の能力を使ったり、宝物・トークンを生け贄にすることですぐに強度を上げることができます。
白黒が得意としているサクリファイスやトークン戦略と相性がよく、十分に生け贄を確保できるなら+3/+0、+4/+0したトークンで殴れます。
ブロックされて打ち取られたらさらに強化・・・といった攻撃的な戦術が見込めるでしょう。

Mintharaの能力は場、手札、デッキ、墓地のMintharaを強化しますが統率領域には効果を与えません
パーマネントが場を離れる→Mintharaの誘発がスタックに乗っているうちに除去されて統率領域に戻した場合、スカることもあるので要注意です。

《Tasha, Unholy Archmage》

Tasha, Unholy Archmage

新たな・・・というか、全く別の装いになったターシャ。
+1はターシャを攻撃したクリーチャーに-1/-1カウンターを置く能力。
ターシャが殴られない限り、「何もしない」と言っているようなものですが、奥義も早いので直接除去できないならさっさと殴りたいところなので大変いやらしいです。

実質パワー、またはタフネス1のクリーチャーはターシャに攻撃できず、
そうでなくてもパワーが1減衰するため、身を護る術としてはそれなり。

ー2は相手の墓地からのリアニメイト。護法(2)付与のおまけつき。
選択権が相手にあるため、一番弱いクリーチャーを渡されることになるでしょう。
ハンデス→最速ターシャからのリアニ! など狙ってみたくはありますが、
都合よく相手がファッティを持っていて、軽いアクションよりも優先して落としつつ・・・、といった前提条件なのでまぁまぁ浪漫コンボ。
大物を釣りたいなら地味な墓地掃除で数を絞るのがいいでしょう。

奥義はー6。出た次々ターンには起動できますね。
相手のライブラリーをクリーチャーが3枚出るまでめくり、自分の場に出します。
残りは全部墓地へ落とします。

クリーチャーを多用するデッキに強い奥義かと思いきや、クリーチャーを絞ったデッキ相手であればほぼフィニッシャーを引き抜き、なんならクリーチャー総数が2枚以下であればそのままLO勝利を狙えます。
かなりのコントロールキラーであり、思い当たりのあるデッキを握っているときはターシャは全力で止めましょう。

クリーチャーへの護りとなるプラスに、コントロールキラー気味の奥義。
ややちぐはぐではありますが、3ターン目着地(《暗黒の儀式》なら2ターンも!)できるPWとしては奥義の質も速度もとても優秀です。
青黒系デッキの新たな選択肢となるでしょう。

《Ulder Ravengard, Marshal》

Ulder Ravengard, Marshal

ボロスカラーの統率者。
ETBで他の自分クリーチャーに二体掛りを付与し、自身が攻撃した時にも 他の攻撃クリーチャーの複製を手札に創出する、疑似二体掛りを行います。

二体掛りを強く意識したカードで、自身の複製こそ作れないものの アグロの枯れがちな手札を潤沢にしてくれます。
《義賊》《轟く雷獣》などの速攻クリーチャーを増やせると除去の返しで動きやすく 強力でしょうか。
《砕骨の巨人》《巨人落とし》など、出来事持ちを創出するのもアドアドしいです。
自身は3/3バニラであり、2つ目の能力を使うには自分も攻撃する必要がある点には注意。 何度も使いたければコンバット・トリックなどを上手く差し込む必要があるでしょう。

《Alaundo the Seer》

Alaundo the Seer

カードを1枚引き、その後1枚をマナ総量分の時間カウンターを乗せて追放。
その後、今追放したカード以外から時間カウンターを取り除き、カウンターが0になったものから無料で唱えられます。

重い呪文を唱えるにはそれだけの時間を待つか、Alaundoをアンタップして早回しするしかありません。
手札の質は上げられますが、使えるタイミングは数ターン後、かつ順番がある程度固定されるため数ターン維持することを見込んで動かしていく必要があります。

幸い、統率者であれば再展開は容易ですが、タップ能力かつ素は4マナなのでリキャストからの再起動は少し重め。
うまく回り始めればデッキの周りを格段によくしてくれるでしょう。

待機に似た能力ですが、待機ではないので要注意。
時間カウンターを置きますが待機を与えるわけでは無いので、基本的にAlaundoの能力でしか時間カウンターを取り除くことはできません。
また、土地などマナ総量がゼロのカードを追放した場合は、「最後の1個を取り除く」というイベントを一生行えないため、追放されっぱなしで唱えることはできません。

《Astarion, the Decadent》

Astarion, the Decadent

伝説の吸血鬼・エルフ・ならず者。
MTG初の吸血鬼+エルフです。

6/4/4のサイズに接死絆魂はちょっと物足りないですが、
終了ステップ開始時に、
・対戦相手がこのターンに失ったライフ分だけ追加のライフルーズ
・自分がこのターンに得たライフ分だけ追加のライフゲイン
のどちらかを得ることができます。

《回生+会稽》《スカイクレイブの災い魔》など、相手のライフを半分にするカードと組み合わせることでワンショットキルを狙うことができます。
スタンダードでも《ウォーロック・クラス》と組むことで可能なコンボですが、統率領域から唱えられる安定性は非常に高く積極的に狙っていきたいところです。

自身も6マナと重く、コンボ相方も基本的に重いのがネック。
ただ、別にワンショットキルを狙わずとも十分な戦闘ダメージを与える→Astarionを唱えることで一気にライフを詰めることができます。
白黒には優秀な飛行クリーチャーも多いので、トップマナにこれを据えたミッドレンジ戦略も十分とれるでしょう。

ライフゲイン側はまぁまぁおまけ。
《運命の天使》などと相性良さそうに見えますがあちらは誘発時にも条件をチェックします。
《薄暮薔薇の棘、ヴィト》がいるときなどはこちらを使うときもあるでしょう。

《Catti-brie of Mithral Hall》

Catti-brie of Mithral Hall

伝説の射手。
攻撃時に自分についている装備品の数だけ+1/+1カウンターが乗る能力と、1マナ+全ての+1/+1カウンターを取り除くことでその分のレンジストライクを行う能力を持っています。

自前で先制攻撃を持っており、序盤から強化して殴っていくときは手が付けられません。
複数体掛りで止めようとしたり、お互いに相手のライフを詰めようとする状況に持ち込もうとすればたちまちレンジストライクが牙を剥くでしょう。

ライフを詰めに行くならトランプルや飛行など、何らかの回避能力をつけたいところです。
また、当然ですが取り除く+1/+1カウンターは自前に限りません。
《光輝王の野心家》などでより強化しても面白いでしょう。

《Gorion, Wise Mentor》

Gorion, Wise Mentor

出来事・呪文をコピー。
かつての禁止カード、《幸運のクローバー》と同じ能力を持ったカードです。

新カードの中では大量のトークンを出せる《Ysgard's Call》(《Horn of Valhalla》)や、デッキを掘り進められる《Sand Augruy》(《Young Blue Dragon》)などが相性良さげ。

《砕骨の巨人》が色合わずなのが少し残念ではありますが、うまく引き込むことができれば序盤のやり取りを有利に進められるでしょう。
能力は強力ですが採用できる出来事・呪文の数は限られるためどこまで引き込めるか、引き込めない時にどう戦うかが考えどころ。

《Jan Jansen, Chaos Crafter》

Jan Jansen, Chaos Crafter

伝説の工匠。
アーティファクト・クリーチャーを宝物×2に変えるか、クリーチャーではないアーティファクトを1/1構築物×2に作り替えることができます。

2ターン目までに何らかのアーティファクトを展開できていれば、3ターン目にキャストしてどちらかを起動、4ターン目に宝物×2化を起動できるため6マナアクションに手が届きます。
場を離れると嬉しい《胆液の水源》や、既に仕事を終えた《ウイルスの甲虫》などをサクれると美味しいところ。

初動こそ何らかのアーティファクトが必要ですが、柔軟に攻防を切り替えられる癖の少ないエンジン型統率者です。
維持できればマナスクには強いですが、手札が枯渇すると地味にアーティファクトを生産するしかやることがなくなることもあるのでリソース管理には注意が必要です。

よく見るとそもそも普通にパワー3速攻だったりします。
殴れば勝てるリーサル見逃しをしないようにしましょう。

《Kagha, Shadow Archdruid》

Kagha, Shadow Archdruid

攻撃時のみ接死になり、切削2。
1ターンに1度だけ、このターンにデッキから墓地に落ちた土地をプレイするかパーマネント・呪文を唱えることができます。

緑含みなのでマナクリ等から3ターン目キャスト、4ターン目から積極的に殴ってアドを稼いでいきたいカード。
パワーは1しかないので、2/2×2体ブロックなどでも打ち取られやすいです。
守り抜くならインスタント除去などでの介入が必要でしょう。

プレイできるのはKaghaで落としたカードに限らないため、《ラトスタイン翁》など追加の切削手段があると安定性が増します。
また、《オリークの伝承魔道士》は毎ターン起動型能力でカードを納墓できます。
4マナ+タップ起動と重いですが、特に強く支えてくれるでしょう。

《Korlessa, Scale Singer》

Korlessa, Scale Singer

伝説のドラゴン・バード。
ライブラリトップをいつでも見られる能力と、トップのドラゴンを唱えて良い能力を得られます。

ドラゴンは全体的に重いため、どんどんドラゴンを唱えて・・・というのはなかなか難しめです。
トップを見られる能力そのものがゲームメイクしていく中ではそもそも強いため、シミックカラーの優秀な呪文を唱える順番をコントロールする役割を持たせつつ、必要に応じてドラゴンを唱えていくことになるでしょう。

大連鎖を狙いたいなら《秘儀での順応》《仮面林の結節点》がオススメです。
すべてのクリーチャーをドラゴンにすることで、爆発的な加速が狙えます。

《Lozhan, Dragons' Legacy》

Lozhan, Dragons' Legacy

出来事かドラゴンを唱えるたび、統率者でないターゲットにそのマナ総量分のダメージを飛ばします。

相手の統率者を焼けないのは残念ですが、本体にも飛びますし自身もパワー4飛行とそこそこの打点を持つため、詰め性能はそれなり。

《栄光をもたらすもの》など、すぐに仕事を始めてくれるドラゴンで追撃できれば瞬く間に相手のライフを削ることができるでしょう。
ハイパワーなドラゴンと相性がよく、ドラゴンマニアが映っている《サルカンの封印破り》との併用もオススメです。

《Mazzy, Truesword Paladin》

Mazzy, Truesword Paladin

オーラに関わる能力を持つナヤカラーの統率者です。

1つ目はオーラがついているクリーチャーの攻撃時に+2/+0とトランプルを与える能力。
パワーを上げるオーラ全般と相性が良く、通すダメージを大幅に引き上げることができます。

2つ目はオーラが戦場から墓地に落ちたとき、それを追放して次ターンまで唱えられるようにする能力。
自分のオーラ付きクリーチャーが落ちたことによる損を取り戻してくれるだけではなく、《ケンリスの変身》など、相手にデバフを与えるオーラも使いまわすことができます。
《死の重み》と色が合わないのが惜しい。
相応のマナは要求しますし、新たなオーラ先が必要にはなりますが攻撃を続ける手立てとなるでしょう。

要求値はシビアですが、オーラを使った戦術を強力にサポートしてくれる統率者です。
ナヤカラーでオーラを使いたかった人には吉報ですね。

《Miirym, Sentinel Wyrm》

Miirym, Sentinel Wyrm

わーい、ドラゴンだ!
EDHだと様々な無限コンボパターンを組めるらしい胡散臭いドラゴン。
他のトークンでないドラゴンが出るたび、それから伝説性を取り除いたコピーを生成します。

着地する必要があるので打消しを搔い潜ることはできませんが、その分ブリンクなどでも問題なく誘発します。
大型の飛行クリーチャーが複数並んでしまえば、全体除去以外で盤面を返すのは難しいでしょう。
6マナと重量級と統率者ではありますがそれに見合った派手さですし、6/6飛行護法(2)とサイズも十分です。(3/5みたいな顔してるのに)

重さに見合った、八面六臂の活躍が期待できるドラゴンです。

《Nalia de'Arnise》

Nalia de'Arnise

統率者デッキより流入、伝説の人間・ならず者です。
ライブラリトップをいつでも確認でき、パーティメンバーであるなら唱えられます。
さらにパーティが揃っているなら自分の戦闘開始時に全体に+1/+1カウンターと接死を与えます。

とにかくパーティを揃えることを強力にサポートします。
自身はローグなので戦士、ウィザード、クレリックを探せば達成できます。
ゼンディカーの夜明けで白が第3色、黒が割り当て無しだったウィザードが少し少なめなので優先的に探したいところ。
白黒は人間サポートも豊富な色なので、組み合わせて爆発力をより高めるのもアリでしょう。

《Neera, Wild Mage》

Neera, Wild Mage

伝説のハーフエルフ・シャーマン。
1ターンに1度だけ、自分の唱えた呪文をデッキボトムに戻すことでライブラリトップから別の呪文を引っ張ってきて唱えることができます。

使い時を逃した除去やマナ加速を別の呪文に変えられる可能性があるのは優秀ですが、打消しなどを引いてしまうと悲しめでもあります。
可能であれば《現実チップ》などライブラリトップを確認できるカードと合わせてイメージを膨らませて使いたいカードです。

6マナと重めなので、ちゃんとマナファクトなどでサポートしつつ出したいですね。

《Oji, the Exquisite Blade》

Oji, the Exquisite Blade

出たときに2ゲイン&占術2。
各ターン2つ目の呪文を唱えることで、クリーチャー1体をブリンクすることができます。

《神憑く相棒》《サイバの吸引者》など、次のキャストに繋がるカードをブリンクできると美味しいところ。
最低限Oji自身はいるはずなので、ゲイン&スクライはできるのがありがたいです。

青白はコントロールのみに非ず。
軽快なスペル連打で強固な盤面を築いていきましょう。

《Prosper, Tome-Bound》

Prosper, Tome-Bound

こちらも統率者デッキより参戦。
終了ステップにライブラリトップを追放し、次ターンまでプレイすることができます。
また、追放領域のカードをプレイしたときに宝物を出す能力も便利。

衝動的ドローの追加で堅実にアドを重ねていくことができます。
「プレイ」なので土地を置いても宝物が出るのもポイント。

自身の能力はもちろん、出来事の当事者や予顕したカードも当然追放領域から唱えているので宝物ボーナスの対象になります。
特に《豊潤の角杯、ハーンフェル》(《語りの神、ビルギ》の裏面)は手札1枚を衝動的ドロー2枚に変えることができるため、唱えられるカードが続く限り一気にデッキを掘り進めることができます。

2-3ターン維持することができれば、十分なアドバンテージを得ることができるでしょう。
赤黒の新たなアドバンテージ源として期待の1枚です。

《Raggadragga, Goreguts Boss》

Raggadragga, Goreguts Boss

お前のような人間がいるか、パート1。
マナクリへの+2/+2ロード、マナクリが攻撃した時アンタップ、さらに7マナ以上払って呪文を唱えたならクリーチャー1体に+7/+7修正とトランプルを与えます。

これでもか、というほどにマナクリを手厚くサポートする1枚。
《ラノワールのエルフ》で
すら3/3の戦力になり、攻撃時にアンタップされるためそのままバットリや火力を唱えたりすることもできます。
クリーチャーをマナクリに変える《ピーマの改革派、リシュカー》《フレイアリーズの歌》なども併用すればラッガドラッガ自身もかなりの戦力になります。

7マナ以上支払うと大幅強化ができる能力はゲームを決めるインパクトを誇りますが、マナ総量7以上の呪文ではなく実際に7マナ以上払う必要がある点に注意。
コスト軽減で6マナ以下になった《グレートヘンジ》や、《原初の飢え、ガルタ》は条件を満たしません。
あまり重い呪文を入れ過ぎたくない場合は、《苦悩火》などX呪文でうまく調整しましょう。

《Raphael, Fiendish Savior》

Raphael, Fiendish Savior

伝説のデビル。
デビル、インプ、ティーフリングへのロードに加え、このターン自分のクリーチャーがいずこかから墓地に置かれていたら、ターン終了時に1/1デビルを出します。

サポートする部族はイニストラードやフォーゴトンレルム、ニューカペナに登場が偏っており、数もそこまで多くありません。
幸い使いやすいカードは2-3マナ域に固まっているため、ロードを活かした攻め手は可能でしょう。

デビルを生産する能力は戦場からの死亡はもちろん、切削でライブラリから落ちた場合や手札から捨てていた場合にも誘発します。
ロード能力でパワー2になっており、1点バーンと合わせてタフ3までなら相打てるため沸いてくる戦力としてはなかなか便利で、ライフを詰めるのに役立ってくれそうです。

《Thrakkus the Butcher》

Thrakkus the Butcher

伝説のドラゴン・農民。
攻撃時に自身も含め、ドラゴンのパワーを2倍にします。
実質5/6/4トランプル。
ドラゴンはそもそもパワーが高いカードが多いため、倍になるとけっこうな脅威になります。
5/4/4速攻が5/8/4速攻になったらそりゃ強い。
誘発前に《立腹》を唱えてさらに倍率ドンしたり、上がったパワーを《エンバレスの宝剣》でフィニッシュに相応しい火力にしたり、出した次のターンの勝利が十分狙えるカードです。

《Baba Lysaga, Night Witch》

Baba Lysaga, Night Witch

お前のような人間がいるか、パート2。
テーブルトップ版よりなぜか1マナ重く、P/Tが1ずつ重くなりました。
ヒストリックのサクリファイスへ与える影響への配慮などでしょうか・・・?
パーマネントを3つまでサクり、3種以上のカードタイプが含まれていたなら3ドレイン&3ドロー。
盤面を失うとはいえ3ドローの圧はなかなか大きく、アーティファクト・クリーチャーなどを使うことで2枚以下の生け贄で済むことがあるのも優秀なポイントです。

カード・タイプを見る関係上、土地をサクる機会も多くなりそうなので扱いにはちょっと注意が必要です。
引いたけどアクションできるマナが無い、といったことになってしまうと不利になることもあるでしょう。
サクったパーマネントのカード・タイプが2種類以下の場合、特に何も起きません。
《血の芸術家》のドレインで勝ちたい、《平和な心》系のオーラを貼られるくらいなら墓地に落としたい、などといったケース以外では調合失敗しないように気を付けましょう。

《Minsc & Boo, Timeless Heroes》

Minsc & Boo, Timeless Heroes

新ミンスク&(実は特に新しくなってない)ブー。
テーブルトップより1マナ重くなりました。

まずは出たときとアップキープにブーを呼ぶ能力。
他2つの能力とも強く紐づいており、このミンスクの中核となる能力です。
ブーを除去してもミンスクが生きていればまた飛び掛かってくるのが強い。

+1はクリーチャー1体に+1/+1カウンター3つとトランプル、速攻付与。
グルールカラーPWの中でも頭1つ抜けた強化効率で、ブーを強化するのはもちろん他のクリーチャーの強化としても破格です。
特に《結ばれた者、ハラナとアレイナ》と並んだときは凄まじいことになります。愛の形はそれぞれですが、強いことには変わりがありません。

-2は《投げ飛ばし》
さらにハムスターをサクっていたら、パワー分のドローがついてきます。
通称、正義の毛皮ミサイル
前ターンにブーを強化していたなら4/4になっているはずなので、4点をどこかに飛ばしつつ4ドローができます。
条件が限られているとはいえ、《重大な落下》が4マナでサクったクリーチャーのパワー分ドロー+ライフゲインであることを考えると非常に効率の良いドロー手段です。
もちろんブー以外をサクってただの《投げ飛ばし》運用も可。

最初は+1、次は-2を打ちたくなるデザインですが、+1連打で7/7や10/10のブーが殴りかかるのも十分な脅威。
忠誠度は高くないため、お互いに殴り合う状況だとミンスクが落ちてしまうことも珍しくは無いですが、2回忠誠度能力を使えるだけ生き残れば十分ゲーム展開に貢献できるパワーを持っています。
3ターン着地は難しいですが、できるだけ早期着地が通ればライフレースと手札の両面からゲームを変える「英雄」となるでしょう。

4.前半終わり!

いかがだったでしょうか。
今回、伝説のクリーチャーが大変多いため

・専門化を持つ伝説のクリーチャー
・伝説以外の注目カード

は後半記事にして紹介したいと思います。
よろしくお願いします。

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