ブロール視点で見る! ダスクモーン:戦慄の館
みなさんこんにちは。
バーチャルプレインズウォーカーの重寝 累花です。
さあ、世にも恐ろしい館へ足を踏み入れましょう。
ドアを開き、怪物から逃げ延び、命を守るために全力を尽くすときがやってきました。
ダスクモーンはブロールにどんな影響を与えるのか?
さっそく見ていきましょう。
ダスクモーンの伝説たち
今回新規実装される統率者は20枚です。
直近のセットの中では非常に少ない方です。
サイクルを形成しているものもなく、ボーナスシートもなく、名の知れた生存者も多くないですからね。
しかし数が少ないからと言って侮ってはいけません。
愉快で恐ろしい能力を持ったクリーチャーやプレインズウォーカーが多数存在しています。
注目の統率者:メインセット
《救助のけだもの、コーナ》
生存(第2メイン・フェイズ開始にタップ状態)していると、手札のパーマネントを踏み倒せるビースト。
1ターン目にマナ加速か《バネ葉の太鼓》、2ターン目に機体(※1ターン目にバネ葉を出していればマナクリ)等のルートで3ターン目踏み倒しも現実的に達成できます。
パーマネントであればなんでも良いので、大型クリーチャーはもちろん《ファイレクシアの門》や《向上した精霊信者、ニッサ》も踏み倒しOKです。
《猛打者、タイヴァー》
釘バットにベストと、ダスクモーンらしい装いに身を包んだタイヴァー。
他のクリーチャーをタップすることで破壊不能を得る能力と、5マナ払うことで全てのクリーチャーを強化できる能力を持っています。
破壊されづらく、とても場持ちの良いクリーチャーです。
全体強化の値はコントロールしているクリーチャーのパワーの最大値に依存します。
タイヴァー自身がパワー3のため、最低でも+3/+3修整だと思って運用しても問題ないでしょう。
より強いクリーチャーをコントロールしたりタイヴァーを強くすることで修整値をさらに上げることが出来ます。
しかも複数回の起動もOKです。
2回起動すれば実質最大パワーの3倍の修整を得られます。
耐えきることはほぼ不可能でしょう。
タイヴァーを統率者にするのも良いですし、《神話紡ぎのポック》など、緑系ランプデッキのフィニッシュ手段として声をかけてみるのもよいかもしれません。
《マリーナ・ヴェンドレル》
ヴァルガヴォスを目覚めさせてしまった女性。
戦場に出たときにデッキの上7枚を公開し、その中にあるエンチャントをすべて手札に加えられます。
また、タップすることで部屋のドア1つを開けたり閉めたりできます。
本人のサイズは小さい背景設定を考えると1/2ぐらいが適切そうので割と大きいんですがものの、エンチャントに寄せたデッキであれば一気に手札を補充できますし、無料でドアを開けることで疑似的なマナ加速にもなります。
《深海住まいのタッサ》、《テレポーテーション・サークル》との組み合わせは好相性。
マリーナで探せますし、マリーナをブリンクできればさらにアドバンテージを稼げます。
公開したエンチャントは必ず手札に加えなければいけませんので、《奇怪な具現》のためにあえて手札に加えない、といったことはできません。
ダスクモーンで起きたことからは目をそらせないのです。
《ヴァルガヴォスの執事長、ヴィクター》
エンチャントが戦場に出るか部屋を解放するたび、それが1度目なら諜報を、2度目ならハンデスを、3度目ならリアニメイトを行います。
能力はいずれも強力ですが、クリーチャーやアーティファクトに比べて、エンチャントを雑にたくさん出す手段は多くありません。
役割トークンを出せるエンチャント《駆け抜け候の祝福》や、《刺し傷》を大量に創出できる《穿孔するクロコダイル》があれば容易に達成できますが、基本的には《ファイレクシアの闘技場》で手札を補充したり、エンチャントクリーチャーを盤面に並べつつ達成を狙っていくことになるでしょう。
《厭世的案内者、ウィンター》
ダスクモーンの生存者……ですが、裏切り枠のウィンター。
クリーチャータイプ生存者すら持っていません。
自分のアップキープにお互いに2枚ドローし、昂揚を達成すると相手の手札上限を減らす能力を持っています。
通常ドローも含めてお互い3枚引けるようになるため、ウィンターが戦場にいる限りは土地詰まりも少なく、やりたいことをお互いにやり続けやすいゲーム展開になるでしょう。
追加のランドセットや除去、優秀な生物を使い、ジャンドカラーらしくボードアドバンテージで差をつけていきたいところ。
《不屈の巡礼者、ゴロス》など、必殺技がたくさん入っているタイプの統率者相手には時間を与えすぎないよう注意が必要です。
場合によってはウィンターを出さないことも考えなければならないでしょう。
昂揚を達成すると、墓地のカードタイプの分だけ対戦相手の手札上限を削ることができます。
現在、MTGアリーナにはメインデッキに入る全てのカードタイプが実装されています。
土地、クリーチャー、アーティファクト、エンチャント、インスタント、ソーサリー、同族、プレインズウォーカー、バトルの9種類ですね。
7種落とすことができれば相手の手札上限をゼロまで削れます。
2枚ドローも与えるため能動的なアクションには困りませんが、打消しや除去を構えることはできなくなります。
助けるふりをして選択肢を減らしていく、ウィンターらしい能力です。
《希望の光、ニコ》
灯を失ったニコがナシ捜索隊の一員として再登場。
戦場に出たときに破片を2つばら撒き、2マナ+タップで破片をクリーチャーに変えます。
破片に対象を閉じ込める技をイメージした能力でしょうか?
対象にできるのは伝説でないクリーチャーのみで、対象のクリーチャーはターン終了時まで追放されるので頭数はそのままではそんなに増えません。
その分色々と応用が利きます。
特に《魅力的な王子》など次の終了ステップまで対象を追放するブリンクとの相性がよく、ニコで王子を追放→終了ステップに王子が帰還→王子でニコをブリンク→相手ターンの終了ステップにニコが帰還して破片が増える……ということを繰り返すことが出来ます。
破片はコピーだけでなくドローにも使えるので、アゾリウス、コントロールの潤滑油と割り切っての採用でもいいかもしれません。
プロフトと同じ枠。
《悪夢滅ぼし、魁渡》
こちらは引き続きプレインズウォーカーの魁渡。
忍術で戦場にエントリーし、クリーチャーとしてアンブッシュを喰らわせる武闘派カードとして登場しました。
もちろん上忍術ではないので、統率領域から忍術はできません。
統率者にした場合は普通の手順で唱えましょう。
《漆月魁渡》、《梅澤悟》、《潜入者、悟》など、忍者をサポートできる統率者は忍術を通したら手札も増えるといったデザインのものが殆どでした。
今回の魁渡はプラス能力でメリメリ打点を引き上げることが出来ます。
プラス能力を2回ほど起動できればデッキに入っている忍者たちがたちまちムキムキになり、相手を正面から殴り飛ばせる局面を増やせます。
新たな忍者デッキの統率者候補として十分選択肢に挙げられるでしょう。
注目のカード:メインセット
《別行動》
タップ状態かアンタップ状態のクリーチャーをすべて破壊する3マナのソーサリー。
相手のタップしているクリーチャーだけ飛ばすことが多くなりそうです。
コントロールはもちろん、ある程度クリーチャー並べるデッキであっても採用が検討できる便利なカードです。
3マナと軽いためダブルアクションしやすいのも魅力。
《幽霊による庇護》
オリカ(特定の統率者と著しくシナジーを発揮するカード)の紹介は控え目にしているのですが、流石に事情が違うレベルなのでピックアップ。
《皇の声、軽脚》デッキに採用することで、あらゆる2マナのオーラからこれをサーチすることができるようになりました。
これまでも《平和な心》や《ヘリオッドの神罰》を引くことが出来ればそれらを唱えて妨害しつつ軽脚を強化できたのですが、流石にサーチ元になれるカードの枚数が段違いで、しかも護法で除去耐性まで付きます。
逆に軽脚を相手にするときは、2タ-ン目軽脚→3ターン《幽霊による庇護》サーチを前提にキープすることが求められるようになるでしょう。
《タミヨウの物語》
1~3章で切削+運が良ければドローもついてきて、4章でなんだかすごいことになるカードです。
極端にインスタントに寄せる等するよりは、土地多めに組んだシミックランプで使った方が無理なくドローもできそうです。
4章までに十分なマナを伸ばしておきたいので、後述する《生垣裁断機》など土地を釣る手段との相性もよさげ。
毒カウンター型《法務官の声、アトラクサ》での増殖呪文使い回しにも。
《声も出せない》
まいどおなじみ、青の無力化オーラ。
よく使われている《証人保護》とは一長一短ですね。
パワーが0になるため、暇だから殴っておくかでライフを削られることはないですが若干ブロッカーとしては優秀に。
また、アーティファクトにしてしまうので協約コストなど思わぬ友情コンボに繋がってしまう可能性もあります。
《変貌の力線》
新しい青の力線。
自分の全てのクリーチャーに特定のクリーチャータイプを追加します。
力線版《秘儀での順応》ですね。
同じ役割のカードが2枚入れられるようになったのは悪いことをしたいデッキには朗報だと思います。
初手に来たらもちろん嬉しい。
《ヴァルガヴォスの崇拝者》
本体が1マナ軽くなった《骨呼びのクレリック》。
普通に使えば5マナリアニですが、クリーチャーであるため色々と悪用がききます。
《哀悼の神》で延々墓地から帰ってくるようにしたり、《太陽のタイタン》から釣り上げたりなどなど……。
あの手この手でヴォルガヴォスを崇拝しましょう。
《冷笑的な一匹狼》
一匹狼(人間)。
生存してたら《納墓》ができます。
《バネ葉の太鼓》、《ヤスペラの歩哨》などを組み合わせれば2ターン目に早速墓地にカードを落とすことも可能です。
極端な例まで挙げると、《暗黒の儀式》+《バネ葉の太鼓》+《再活性》で1ターン目にライブラリ内の任意のクリーチャーを戦場に出せます。
墓地を悪用するデッキ諸氏はもちろん、雑に《再活性》や《犯行現場の再現》が入っているデッキでも採用の可能性があるかもしれません。
《樹上の草食獣》を超えられるパワー3も嬉しいところ。
《悪魔的助言》
ライブラリーからデーモンを探します。
さらに昂揚していれば《悪魔の教示者》へと変貌。
2マナ万能サーチが使いやすいのは本家《悪魔の教示者》がブロールで禁止されていることからも分かる通り。
ゲーム中盤からしか使えないカードとみるか、もしくは何かしらデッキに合ったデーモンを採用するか……ええ、もちろん無数のデーモンが溢れるデッキでも構いません。
より良い助言を受けられるデッキ構築を求められるカードです。
昂揚を達成しているかどうかは解決時にチェックされます。
解決前に墓地追放されてしまい、デッキにデーモンも入れておらず、デーモンがねーもん、とはならないように気を付けましょう。
《止められぬ斬鬼》
《沼》! 《暗黒の儀式》! 《止められぬ斬鬼》!
2ターン目、攻撃して2点、誘発して12点ルーズ。合計14点。
おわりです。
《萎縮する責め苦》
クリーチャーかエンチャントを破壊できる黒のインスタント。
《大群への給餌》と効果範囲は一緒ですが、重くなった代わりにインスタントになり、ライフルーズも2点固定になりました。
黒単、赤黒など、エンチャントを割るのが苦手なデッキにどうぞ。
《チェーンソー》
助けてチェーンソーマン!
死者の血を吸ってどんどん回転数が上がっていく装備品です。
戦場に出たときにクリーチャーに3点ダメージを飛ばせるので、序盤の除去としても及第点。
殴り合っていれば勝手にカウンターが乗っていくため、最後のダメ押しを助けてくれます。
生け贄ギミックを活用するデッキとの相性も◎。
1体以上のクリーチャーの死亡で1個カウンターが乗るので、戦闘での相打ちや全体除去で複数同時に死亡した場合は1個しかカウンターが乗らないことには注意。
《叫ぶ宿敵》
3/3/3速攻+《ボロスの反攻者》能力+それでダメージを与えるとライフゲインを永久に封じる能力ともりもりのスピリット。
ブロックしづらく、黒い除去などで後腐れなく処理できないと面倒な1枚。
ライフゲイン封じは少し条件がテクニカルですが、《グレートヘンジ》による細かいライフゲインなどもよく見る環境なのでできるだけ成立させてあげたいところ。
格闘呪文のあるグルールカラー等であれば能動的に誘発させることもできるでしょう。
《間の悪い故障》
大事なアイテムが壊れるか、暴発するか、修理に手間取って動けなくなるかの3つのモードを持つインスタント。
2マナなので《削剥》に近い印象も感じますが、クリーチャー除去はできないので《稲妻曲げ》のような対象変更呪文に他のモードもついてきた、と考えた方がスマートかもしれません。
どれもハマれば強力ですが癖が強いモードばかりなので、攻撃的なデッキでブロック不可能モードを使う、腐ったらルーティングで捨てればよい、といった使い方のイメージは持って採用するべきでしょう。
《永劫の活力》
生きた《謎の石の儀式》。
《不屈の補給兵》など、あまり戦闘に参加する予定のないシステムクリーチャーや、《春心のナントゥーコ》、《硬鎧の大群》のトークンなどをマナクリとして扱えるようになるのは強力です。
警戒持ちなので1マナクリから2ターン目にキャスト、3ターン目殴ってからマナ出して……といったこともしやすいのが嬉しいですね。
死亡しても置物として帰ってくるので、雑に出して除去されてもある程度機能してくれます。SDGs。
《生垣裁断機》
スーパーヘッジトリマー。
ライブラリーから土地が落ちるとそれを戦場に出すという、置き型《見事な再生》ともいえる能力を持った機体です。
搭乗していなくとも誘発するので、ある程度切削ギミックが入ったデッキなら凄まじい勢いで土地を供給してくれることでしょう。
機体としても搭乗1で5/5と優秀なため、最後のひと押しや全除去の返しにも使えます。
《草むした盲信者》
今回の注目2マナクリ。
2マナでタフネス4、かつ好きな色が出るマナクリは初実装です。
パワーこそないので《敏捷なこそ泥、ラガバン》を討ち取ったりはできませんが、《稲妻》で落ちない火力耐性は明確な強みです。
《楽園のドルイド》とどちらを信用するかは人次第。
《根に引きずり込め》
緑黒にたまに追加される、4マナで土地でないパーマネントを破壊するインスタント。
今回は昂揚達成で軽くなります。
最序盤での昂揚達成は基本的に厳しいので、後半ダブルアクションしやすくなると捉えるのが良いでしょう。
《解剖道具》
戦場に出たときに戦慄予示し、そのクリーチャーに付く装備品。
実質5/4/4接死・絆魂です。
装備コストがクリーチャーの生け贄のため、マナを使わないサクり台としても使うことが出来ます。
5マナと重いですが色を選ばず使えます。
《石鍛冶の神秘家》からもサーチできるので、《殴打頭蓋》のように使えるクリーチャー枠としても。
《除霊用掃除機》
1枚ずつ追放できる1マナ墓地対策アーティファクト。
6マナで追放したカードを1/1飛行スピリットにして出すこともできます。
墓地対策しつつ、ゲーム終盤に一気にクリーチャーを盤面に展開できる面白いカード。
境界ランド
今回の2色ランド。
対応する基本土地タイプをコントロールしていれば2色目が出ます。
無条件でアンタップインするのでブロール2色土地の中でも優先度は高め。
フェッチランドで対応する土地を持ってくることもできるので、条件達成は比較的容易でしょう。
注目のカード:スペシャルゲスト
今回のスペシャルゲストに伝説のクリーチャー、プレインズウォーカーは含まれておりません。
《召し上げ》
統率者でおなじみ。
対戦相手の選択によりますが、追加ターンを得つつパーマネント1つを奪うか、追加ターンを2ターン得ることが出来ます。
対戦相手が1人しかいないブロールでも9マナという重さに見合った性能を持った1枚。9マナ出せるデッキであれば。
《出現の根本原理》や《不屈の巡礼者、ゴロス》で踏み倒すにもオススメです。
《幻影の像》
デメリットはあるものの2マナと非常に軽い《クローン》。
偶数マナ総量なので《深海の破滅、ジャイルーダ》のパーツにもなります。
《滅び》
黒い《神の怒り》。
《衰滅》や《煤の儀式》、《絶滅の契機》など黒4マナの全体除去は取り漏らしが発生する(自分のクリーチャーだけを生存させようとする)デザインが多いのですが、これは白の領分に多い平等なる全体除去です。
その便利さは白の全体除去が証明している通りですね。
《生け贄》
《Sacrifice》についに日本語名がつきました。
クリーチャー1体を生け贄に捧げ、そのマナ総量に等しい黒マナを得ます。
2マナ以上のクリーチャーを生け贄に捧げれば瞬間的なマナ加速になりますし、リアニメイトやコスト軽減で出した大型クリーチャーを生け贄にすればその爆発力も絶大になります。
最も最高の(対戦相手にとって最悪の!)パートナーは《悲嘆》でしょう。
ハンデスで前方確認しつつ、《魂の仲介人、ダブリエル》など黒4マナで統率者を1ターン目に出すことさえ狙えます。
《狂乱の呪詛》
ブロールでは別の対戦相手なんてものは存在しないので、つけた対戦相手にずっと付いたままです。
よって後半は無視し、ついでに1d6もだいたい3点ぐらいのダメージと読み替えたものが以下になります。
えげつないですね。
ゲームの序盤に唱えないと真価を発揮しづらく、ダイスの出目にも左右されますが、3マナのカードとしては破格のダメージを相手に与えられる可能性は十分あります。
《有毒の蘇生》
墓地のカード1枚をオーナーのデッキトップに置きます。
ファイレクシアマナで唱えられるので0マナでも撃てるのがポイント。
墓地に落ちたコンボパーツや除去などをマナを払わず回収することができます。
フェッチランドも釣れるので土地0.2枚分ぐらいのカウントにもなるかも。
また、対戦相手の墓地のカードも対象に取れるため一度限りのドローロックとしても機能しますね。
いいこと尽くめのように書きましたが、自分に撃てば1枚分のカードアドバンテージを失っており、相手に撃つ場合も1ターン局所的な妨害をするに留まるだけのカードです。
ただ唱えれば強いカードではないので、どういう使い方をしたいかをちゃんと想定したうえで採用するようにしましょう。
おわりに
今回はダスクモーンの注目カード紹介でした。
最後に、note以外の活動を紹介します。
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泣いて喜びます。
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それでは良い生存者ライフを。