ヒストリックブロール禁止カード(22.06.02更新版)
こんにちは。バーチャルPWの重寝 累花です。
前回、ヒストリックブロールの頻出カードを紹介しました。
いくつかスタンダード、ヒストリックで禁止経験のあるカードも紹介したのですが、そもそも今のヒストリックブロールで禁止されているカードってなんだったっけ……? と思い確認がてら書きました。
100枚ヒストリックブロールのデッキを組む参考にどうぞ。
(開催期間以外では禁止リストの確認手段、限られるんですよね……
なんとかしてほしい)
→デッキ構築画面でヒスブロ禁止カードに注意が出るようになりました。
1.ドラニスの判事
イコリアで登場、約1ヶ月後の2020年5月18日に禁止。
初めから禁止しておけ。
「対戦相手は自分の手札以外から呪文を唱えられない。」
という極めてシンプルな制約能力を持っています。
エルドレインでは出来事、テーロス還魂記では脱出、イコリアでは相棒(※旧ルールではゲーム外領域から唱えられた)と、直近のセットでは手札以外から唱えるギミックが多く、アンチカードとして刷られたと思われます。
……が、ブロールやEDHでは統率領域から統率者を出すことを許しません。
さらに悪いことに、人間なので後述する《軍団のまとめ役、ウィノータ》から引っ張ってくることもできました。
結果、その影響力を問題視されウィノータ共々禁止。
公式の禁止制限告知では《魔術遠眼鏡》に似たカードだと言われていますが、それならイコリア発売時点で禁止しておくべきだったのでは……?
2.ギデオンの介入
初出はアモンケット。MTG Arenaではアモンケットリマスターで実装。
実装と同日(8月13日)に禁止。
判事の経験を活かした、とても妥当な改訂。
後にもいくつか出てくる、カード名を指定して制限を行うカード。
指定したカードは唱えられず、まともにダメージも与えられなくなります。
実は、アモンケットがスタンダードにあったころのブロールでは禁止されていません。
白を含む統率者の絶対数が増えたからなのか、やっぱり不快であると判断されたのか、真実はアモンケットの砂の下に埋もれています。
3.ルーンの光輪
基本セット2021で実装。
上記の《ギデオンの介入》と同じく、8月13日に禁止されています。
スタンダードブロールでも同様に禁止。
プレイヤーに、指定されたカードからのプロテクションを与えます。
ダメージはもちろん、プレイヤーを対象を取る能力などを持っていればそれもシャットアウトできてしまいます。
前に書いたM21スポイラー記事では禁止されるか怪しい枠だとしていましたが、本当にしばらくしてからの禁止となった。
……しかし、禁止制限告知では特に禁止事由については書かれていません。
統率者の名前を指定して不利益を与えるカードは基本的に禁止する方向にでもなったのでしょうか?
スタンダードブロールでも見かけた覚えはないので、使用率によるものではないとは思われます。
4.運命のきずな
基本セット2019のボックス特典として登場。
2019年2月14日、BO1にて禁止。
おそらく、この流れを汲んでヒストリックブロール制定当初から禁止されていたと思うのですが、どうにもソースが見つかりません。
詳しい人いたら連絡ください。追記します。
アリーナのタイマー回りの挙動や、紙ではfoilしか存在しないなど曰く付きのカードではあるが、ブロールでは? というと多分別に何もしていません。
使いまわせる追加ターンなので、当然強いには強いのだが……。
とはいえ、自宅でFNMなどヒストリックブロールの公式イベントがあるのでBO1限定の禁止事由がそのまま適用されてるのだと思われます。
5.《翻弄する魔道士》
ヒストリック・アンソロジー2で追加。
その後のヒストリックブロールではずっと禁止になっている。
指定したカードはプレイできない、というシンプルな統率者殺し。
まぁそりゃ禁止にするよね。
ただ、これを即禁止にしたのにどうして《ドラニスの判事》はしばらく生かしておいたのか……分からない……(グチグチ
6.《時を解す者、テフェリー》
灯争大戦にて登場、完走間近の2020年8月3日に緊急禁止。
スタンダード、ヒストリック、ブロールの禁止リストに入り、ヒストリックブロールでも禁止されてしまいました。(公式の禁止制限告知)
やり取りを減少させ、圧迫感を与えるというスタンダード・ヒストリックと同一の理由に加え、スタンダードブロールでの高い使用率と勝率が問題視されたらしいです。
私もブロール、ヒストリックブロールの両方で使っていましたが(デッキレシピも掲載している)事実青白の統率者として都合が良すぎました。
※1.25の禁止改訂にて、リバランス版のテフェリーがヒストリック、ヒスブロにて使用可能になりました。
ただ現在、フレンド戦のヒスブロでリバランスカードが使えない仕様があり禁止解除に含めていいのか迷っている段階です。
今後、状況を見て追記します。
7.《呪文追い、ルーツリー》
生まれてきたことが罪とされた冤罪ポケモン。
相棒条件がブロールやEDHなら基本的に満たせるため、赤青含むデッキが構築を歪めずに得をすることができます。
ブロールはもちろんEDHでも発売前に禁止となりました。
また、シングルトンでも禁止になっています。
「相棒指定することを禁止」という形での禁止でも十分収まる話だと思うのですが、そういった特別な禁止制限は発行されないようです。
今後また相棒が増える時を考えて(増えることはあるのだろうか)、相棒指定することだけを禁止することを有りにしてほしいと切に願います。
8.《王冠泥棒、オーコ》
エルドレインで登場、その後49日でスタンダードからもブロールからも姿を消した。
語る必要ある?
ただでさえイカれたカードパワーなのに、相手の統率者を大鹿に変えることもできるのでそりゃあ禁止だよ。
9.《魔術遠眼鏡》
指定したカード名の起動型能力を封じるアーティファクト。
プレインズウォーカーを統率者に据えても、これ1枚で簡単に封じられては面白くない、という理由でずっと禁止されています。
ちなみに禁止の同期はあの《遵法長、バラル》。
《翻弄する魔道士》や《ギデオンの介入》など、カード名を指定して封じるカードは軒並み禁止されているが、これはその元祖。
だからこれができてなぜ《ドラニスの判事》は(以下略)
10.《チャネル》
ストリクスヘイヴン実装に伴い、4月14日に追加の禁止が発表された1枚。
ミスティカルアーカイブ収録のうち、事前にヒストリックで禁止になった7枚のうちの1枚でもあります。
唱えたターン中のみではありますが、1点のライフ=1マナの変換ができ、X=20でX火力をぶっ放す『チャネルボール』が有名。
現レガシー禁止、ヴィンテージ制限、EDH禁止カード(モダン、パイオニアではカードプール上でイリーガル)ですが、あまりの極端さ、再録禁止でもない、などの理由から入手はしやすかったりします。
これが使えてしまうとX火力はもちろん、2ターン目にウラモグ、ウギン、彩色の宇宙儀などを唱え圧倒的にゲームスピードを変えてしまうため最初からヒストリック禁止となりました。
ヒストリックブロールでも、緑系ランプを中心に上記の動きでゲームを一気に歪めてしまう可能性があるため事前禁止となりました。妥当ですね。
11.《悪魔の教示者》
ストリクスヘイヴン実装に伴い、4月14日に追加の禁止が発表された1枚。
ミスティカルアーカイブ収録のうち、事前にヒストリックで禁止になった7枚のうちの1枚でもあります。
元祖・教示者(チューター)カードで、ヴィンテージ制限、レガシー禁止カードになっています。
その後刷られた教示者カードに比べて圧倒的に軽く、範囲も広く、デメリットも少ないため、純粋に非常に強力なカードとなっています。
勿論ヒストリックブロールでも黒絡みのデッキの動きをとても良くしてしまうため、事前禁止となりました。
12.《自然の秩序》
ストリクスヘイヴン実装に伴い、4月14日に追加の禁止が発表された1枚。
ミスティカルアーカイブ収録のうち、事前にヒストリックで禁止になった7枚のうちの1枚でもあります。
4マナ+緑のクリーチャー1体の生け贄を要求しますが、デッキから緑のクリーチャーをなんでも1体踏み倒し。状況に応じて必要なカードを……というよりは、たいてい《蹄孔のビヒモス》とか一瞬でゲームを決めるカードを呼び出します。
緑を含んでいれば多色のカードも出せるので、もし使えたなら《ニヴ=ミゼット再誕》や、《ベレドロス・ウィザーブルーム》、《星界の大蛇、コーマ》が呼び出されるシーンもあったかもしれません。エルフ・トークンが急にビヒモスに変わることの方が多いとは思いますが……。
ミスティカルアーカイブからの禁止組としてはまだ控えめ(?)ですが、重い切り札を早く、確実に探せる強力なカードですのであえなく禁止になりました。ヒスブロでもエルフが採用する可能性が高かったですからね。
13.《汚れた契約》
ストリクスヘイヴン実装に伴い、4月14日に追加の禁止が発表された1枚。
そのうち、このカードは唯一ヒストリックでの使用が許可されているカードで、ヒストリックブロールでの性能を強く鑑みて禁止されたものと思われます。
自分のライブラリトップを1枚ずつ追放していき、欲しいカードが見つかったらそれを加えて処理終了。ただし、途中で同名カードを2枚めくってしまうとドボンとなり、何も手札には加えられない……、という、普通の構築ではどこで判断を止めるかの欲望と戦うカードになります。
が、そもそもブロールやEDHなどハイランダーフォーマットでは話は別。そもそも同名カードを採用できるのは基本土地と一部のカードしかなく、前者に至っては《山》と《冠雪の山》は別名のカードなので、合わせて2枚に抑えることでデッキ内に同名カードがない状態を達成、どこまでもノーデメリットでライブラリを掘り進めることができます。
これにより特に4-5色のデッキ(ストリクスヘイヴン現在、MTGAに4色かつ黒を含む統率者はいないため、実質5色のみ)にとっては確定サーチ、兼自分のライブラリを全て吹き飛ばすカードになっていました。
もちろん《タッサの信託者》もいるので、EDHで猛威を振るうデモコンタッサのような動きができると発売前から噂になっていました。
しかし、流石にこの危険性には気づいていたのかヒストリックブロールではリリース前禁止に。青黒を含むデッキが即死コンボを振りかざす世界線は、あえなく杞憂に終わりました。
14.《真髄の針》
イニストラード:真夜中の狩りにて再録。
ブロール、ヒストリック・ブロールではリリース直後より禁止です。
理由は《魔術遠眼鏡》と大体同じなので省略します。
15.《精霊龍、ウギン》
12月9日のアルケミー実装・禁止改訂にて禁止。
ランプデッキのフィニッシャーとして強大なボードコントロール能力を発揮し、アグロデッキやその他盤面にカードを並べるデッキにとっては制限時間となっていたPWでした。
無色であるため、マナファクトを多く採用した単色のデッキ等でも無理のない採用ができました。それもあってかメインボードへの非常に高い採用率と「固有色の制限を無視する存在」として禁止されました。
16.《死者の原野》
12月9日のアルケミー実装・禁止改訂にて禁止。
こちらも低速デッキにおいて多く採用され、後半着実に盤面を堰き止めていく強力なカードでした。
土地7種縛りはハイランダー・フォーマットであるヒスブロではあまり問題になりません。
2色以上のデッキは複数種の多色土地を採用しなければならず、さらに基本土地も通常と冠雪が別カウントになるため気が付いたら達成していることが多いです。
無色のタップインランドであることが足を引っ張ることもありますが、後半得られるアドバンテージが大きいためあまり気にされません。
逆に、無色であるため固有色に縛られない強みさえあります。
スタンダード、ヒストリック、パイオニア、モダン禁止、ヒスブロでも圧倒的存在感を放つカードでしたが、ついに許されない時が来てしまいました。
17.《裏切りの工作員》
12月9日のアルケミー実装・禁止改訂にて禁止。
スタンダードでの相方は専らルーカやウィノータによる踏み倒しでしたが、ヒスブロではランプ、コントロールのユーティリティカードでした。
土地を含めたあらゆるパーマネントを奪える能力は非常に強力で、着地時点で一番パワーのあるカードや軸になるカード・・・多くは統率者を奪うことで、統率領域に返さない除去&さらなる恩恵を得ることができます。
統率者を奪われることは大変不愉快で(奪った側は超楽しい)、牧歌的なフォーマットとしての在り方を模索しているヒスブロにおいては戦術性と不快度を併せ持つ、難しい立場にあるカードです。
別にコントロール奪取は工作員だけの特性でもなんでもなく、《集団強制》のような、派手で更に致命的な打撃を与える呪文も存在します。
しかしクリーチャーであることが非常に便利だったためか、スタン禁止も経験していることへの評価か、ヒスブロからも退場することになりました。
ウギンや原野に比べれば、ゲームプランに影響を与えていたカードではないですがコントロール奪取戦術を使えるカードを1枚削ごうという意志を感じます。
禁止解除されたカード
1.《軍団のまとめ役、ウィノータ》
イコリアで登場、2020年5月18日に禁止。
ちなみにヒストリックでのサスペンドは6月8日。
先に紹介した《ドラニスの判事》共々、5月15日の自宅でFNMが唯一の使用可能機会となりました。
スタンダードブロールでの高い勝率、および使用率を問題視され、「メタゲーム内での自己表現のために可能な選択肢をより多くする」という理由で禁止されていました。
しかし、6月17日に禁止解除。重み付けが有効に機能しているため、禁止ではなく重み付けで処置されるとのことです。
《帰還した王、ケンリス》や《裏切りの工作員》など、いわゆる大当たり枠だったカードの一部がウィノータ統率者では採用できませんが《刃の歴史家》、《アングラスの匪賊》など一瞬でゲームを決める相方はまだまだ健在です。活躍に期待しましょう。
2.《不屈の巡礼者、ゴロス》
基本セット2020で登場。2020年3月9日に禁止。
5色統率者、統率者税を自力で半額負担と非常に使いやすく、とりあえずゴロスを統率者に据えて好きなカード59枚入れるだけ、でもデッキが組めてしまいました。
他の統率者に比べて自由度が格段に高いことから人気を集め、多様性を損なうことから禁止カードとなりました。
カードパワー的に飛びぬけているわけではありませんが、多様性や自己表現といったものが重要視されるブロールでは優等生すぎました。
……が、同じく5色の統率者として《帰還した王、ケンリス》や《樹の神、エシカ》が登場。相対的に飛びぬけた存在ではなくなりました。
それを踏まえてか、6月17日に禁止解除となっています。《世界樹》や《大瀑布》など、さらなる好相性カードも得ていたゴロスは、これからどんな旅を続けることになるのでしょうか。
3.《ダブリエルの萎縮》
Historic Horizonの新メカニズム、perpetually(永久に)持ちの除去。
そのゲーム中、カード自体に永続的に効果を付与するというデジタル限定のメカニズムを持つカードです。
もちろん統率領域にいっても効果が続くため、発表時点から《眷者の神童、キナン》などタフ2以下の統率者の生存権を文字通り奪うカードとして不安視されていました。
流石に開発もこれには気づいていたらしく、21/8/12の100枚ヒスブロ実装に合わせ禁止にすることが発表されています。
その後、エラッタなどありましたが2022/6/2に解禁が発表。
統率者が統率領域に戻るとき、永久に付与されたテキストを取り除けるという斜め上の発想のルールチェンジにより永久除去ではなくなりました。
15.《魂の仲介人、ダブリエル》
メリットとデメリットを同時に与える、デーモンよりもデーモンらしい契約をすると話題のダブおじことダブリエルです。
こちらも永久-3/-3修正する能力を持つ、という点が問題視されて21/8/12よりヒスブロ禁止カードとして実装となりましたが、ダブリエルの萎縮の項目にて紹介したルール追加により解禁となりました。
終わりに
以上、ヒストリックブロール禁止カードの紹介でした。
理由は数あれ、理念はだいぶ一貫したものが感じられ良くサポートされていると思います。
でも《ドラニスの判事》を即禁止にしなかったことだけは未来永劫覚えてるからな
Youtube、Twitterもやっています。
よろしければフォロー、チャンネル登録などお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?