修ニ会な期間
週ニ会(お水取り)という行事が東大寺二月堂で行われています。本尊の十一面観音への悔過(けか)法要です。いくつかの行(ぎょう)があり、複雑で謎も多いのですが、とりあえずみんなが観たいのは「おたいまつ」です。
けっこうな大きさの松明を持って登廊駆け上がって欄干に松明擦り付けて走って屋根に掲げるのです。もちろん松明には火がついています。
私、奈良市出身ではないのでこれを直接見たことないです。そもそも超朝型なので暗くなってから出かけるの嫌なんです。
しかし、奈良界隈がそわそわする行事。お松明もタイミングあえば一度は直接見ようか、と思いつきました。
除災招福だとか無病息災を願う行事らしいですが、寒い時期に外で長時間じーっとしていたら体に悪いと心底思ってます。本当に体が冷えます。お松明とか見る前に風邪をひくのではないかと思います。
私は柵に入る拘りはないので、とりあえず17:30ころ二月堂前に行きました。柵入りは400人程度とのことでしたので、17:30ではもちろん入れませんが、柵入りしたひとのほかにも既に数百人が場所取りしてます。どの場所がいいかよくわからないまま、空いている前の方に立ちます。小さいから後ろだと見えん気がします。
薄暗いので本読んで待つわけにもいかず、これマラソン大会のスタート前30分とか1時間前からの整列と同じ、ただただ待つんやな〜 なんなら今日の午前中の飛鳥ハーフマラソンで同じことしたわ〜 とか思って身体が冷えるのに耐えます。ほんと何これ‥ 足元がベアフットシューズというかなりソールが薄い靴なので直に冷えます。でも周りはどんどん混雑、より密に。たぶん私の後ろは1000人はいます。寒いし密だし大丈夫か・・・
18:30頃に周囲の照明が消えて、録音再生の形で修ニ会の説明とかが三カ国語であります。終わったかと思ったらまた始めに戻りました。しばらくすると、登廊から炎が。
正直、フラッシュ禁止だし人も多いのでよほどの場所取りと性能のいいカメラでないと写真や動画はうまく撮れないと思います。
何度も、フラッシュストロボ禁止のアナウンスがありますが、オートで切り替わるデジタル機種多数発生。それに対する注意喚起も繰り返されます。
でも、そのうち、どうもうまく撮れないと思った人たちがレンズを通さずに直接に観ることへ切り替えていきます。
一本ずつ、上がっていきます。
練行衆(れんぎょうしゅう)が松明と登廊を駆け、欄干を駆け、火の粉を撒いて、煙を上げて、空へ掲げる繰り返し。
全部で十本。
堂の中から聞こえる(五体投地?の)音や走る音、暗闇に立ち込める煙、炎。
同じ大きさの松明のはずですが、火の大きさや松明の高さはそれぞれです。ものすごく大きい炎で高く掲げられて火の粉が降り落ちてくるもの、初めから炎が小さいもの。
風向きや、ちょっとしたタイミングや掲げる人の身長などでも変わるのですね。
松明の揚がる時間はおよそ20分ほど。しかしこのために警察、消防、民間警備等相当数の動員。二月堂一帯を埋める参詣者。3時間待ちの柵入り400人。始まる前は、欄干に何度も防火用水のようなものを撒いていました。
お松明が終わり、見上げる空は星がはっきり見えます。暗い中を大勢の人が東大寺前を通り、人里やらバス停やらに向かって歩く姿は非日常的。私はあんまりに寒いので、人の間を抜けて赤信号まで走り続けました。寒い。ベビーカーとかシニアとか本当に大丈夫でしょうか‥始まる前のアナウンスでスリ注意と帰路の足元注意が繰り返されていたのが実は気になりましたよ、私は。
私はそもそも、初詣もお祓いもおみくじも御朱印もない人生なので、おたいまつも 寒さ×混雑×暗さ で、やはり直接観るのは一回でいいです(苦笑)。
・・・映像の方がきれいにはっきりと観えないところまでベストの角度で観えるし。でももし、直接観ることにに興味のある人がいらしたら、覚悟と超防寒具とお連れのかたがあると良いと思います。
素人感想ですけど、
「おたいまつ」や「韃靼」「達陀」の業法というのとか、私は拝火教とかアフラ・マズダーとの親和性の高さを感じます。二月堂修二会は、非公開部分も多い複雑な行事ですが、何か系譜をご存じのかたいたら教えてください🦌