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アメリカ帯同妻が現地企業のフルタイムオファーを貰うまで

こんばんは、うえのるいーずです。

ありがたいことに「アメリカ生活について聞かせてよ〜」と言ってもらえることが多く、noteを書こう書こうと思っていたのですが、気がついたら渡米から1年以上が経ってしまいました。

最近は海外に進出する人の話を聞くことも多いものの、意外と駐妻・駐夫、いわゆる帯同者サイドの話を聞くことが少ない!!

あらかじめ言及しておきますが、このnoteは「血の滲む努力の末、グローバルで戦っていけるスキルを身につけ、アメリカをサバイブしている話」ではありません。「とりあえず行動してみて何とかしてみてる話」です。

私の行動が行き当たりばったりであることは重々承知ですが、これが今わたしにできる最善であり、帯同者のリアルでもある…
自分の記録のため、そして今頑張っている駐妻・駐夫の皆さん、これから帯同者になり得る全ての方、パートナーに帯同してほしい全ての方の参考に少しでもなればと思い、私がぶつかった(ぶつかっている)壁と、その対処方法について書いています。

渡米3ヶ月。突如襲ってくるアイデンティティクライシス

そもそも私は元々アメリカに住みたくて運良く旦那さんの仕事の関係でアメリカに住むことができた民だったので、渡米直後は毎日が新鮮で、刺激的で、「アメリカ最高!わっしょい!!!」と思っていました。

それでも3ヶ月くらいすると突如「あれ…?私ここで何すればいいんだっけ…?」という得体の知れない不安に押し潰されるようになってきます。会社の命を受けて渡米してきたパートナーとは異なり、良くも悪くも、突然自由な選択肢を突きつけられたわけです。

「駐妻」と聞くと、煌びやかで贅沢の限りを尽くし、羨ましいとさえ思う方が少なくないと思います。しかし現実はどうでしょうか?

ベイエリアの日本人女性活躍を支援するコミュニティ「JWIBA」の調査によると、「帯同者の大半が、帯同する前にバリバリ働いていた女性」だという調査結果が出ています。帯同で海外移住する多くの方が20代後半から30代くらいかと思います。帰国後(つまり30代後半〜40代)に、おおよそ3~5年のブランクを持って、これまで描いていたようなキャリアが描けるでしょうか・・・

私の場合は、金銭面をパートナーに頼ることへの戸惑いもありましたもちろん旦那は「自分が貰ったお金は家族みんなのお金」と自由にお金を使えるようにしてくれていましたが、日本にいたころはお金の管理が別々だったので、生活必需品以外で自分が欲しいものを買うことに罪悪感を感じてしまっていました(これは結果的にパートナーにも自分の欲しいものを我慢させてしまうことになります)。

早く自分の収入源を得るために英語の勉強しようと決心するものの、当時8ヶ月の赤子を抱えながら英語学習をするのも容易ではない…
昼寝の間と寝かしつけの後に机に向かって勉強をする以外に、家事の途中にもリスニングをするなどスキマ時間を見つけて努力しましたが、なかなか思い通りに進まずイライラ…イライラしているそんな自分にまたイライラ…

そこで子供をパートタイムで保育園に預け、勉強時間を確保する、ないしはビジネススクールなどに行ってスキルを積む方法を思いつきます。

ところがどっこい。保育園は週3日でも月1200ドル!週5日で月2000ドル!目ん玉飛び出る。

金銭面をパートナーに頼ることに戸惑いを感じていた私はこの驚愕の値段を前に諦め、ひたすら泣き続け、パートナーに当たり散らす毎日に突入します(ごめんな)

いざ就活!学歴なし!米国就労経験なし!永住権なし!

自分の精神状態が不安定すぎて、これはパートナーにも子供にも悪影響であると考えた私。ついに「お金を払って勉強するより、お金を貰って勉強した方が早くね・・・?」と謎結論を導き出し、意を決して就職活動を開始しますが、もう圧倒的に難しい。異次元。

まずレジュメを登録すると色々なエージェントから電話がかかってくるんですが、これが恐怖。マジで恐怖。渡米半年の私、ただでさえ英語が怪しいのに、電話、かつ、インド人の早口英語でもうお手上げ状態。就職したいと思い始めてから細々と勉強はしていたのですが、正直マジで何言われてるか分からなかったです。

さらに、海外就職では「英語以外に+αのスキルが必要」はよく知られた言葉ですが、日本で身につけた "+αのスキル" がそのまま活きるかと言われるとやはり難しい。

そして私は日本の大学出身で、英語での就労経験はありません。さらに永住権を持っていないので、いつ突然帰国になるかもわかりません。私の英語力不足、スキル不足はもちろんのこと、この「学歴無し 米国就労経験無し 永住権無し」がさらに就職活動を難航化させました。

就職先に求める優先順位の見直し

普通の就職活動ではアメリカでサバイブしてきた屈強な候補者達には太刀打ちできないと早々に気がついた私は、優先順位の見直しから始めることにしました。

日本では「自分が何をしたいか」「自分がどうなりたいか」を始点に就職活動をしていたので、当たり前のように自分がやりたいことベースで探していたのですが、無し無し揃いの私にとって、現実はそうはうまくいかないですよね。

キャリアを繋げること、収入を得ること、英語力を向上させること、という目的に立ち返り、「自分がやりたいこと(PR)である」の優先順位を下げ、下記の要件で就職先を探しました。

・英語を使う仕事であること
・日本人としてのアイデンティティが強みになること
・子供の急な体調不良などに対応できるよう、働き方がフレキシブルであること
・給料がドル払いで(当時は円安が進んでいたので、左右されない仕事が良かった)、$◯◯以上であること

私がここで最も重要だったと言えるのは、「日本人としてのアイデンティティが強みになること」
英語が流暢ではない、かつ、特別な資格などを持っていない人にとっては、他の人と同じ土俵での就職活動は厳しい。

そこで、私の場合は母が茶道を長くやっていたこともあり(私は全く知識がなかったのですが・・・)「Matcha career」でひたすらググり、ようやくNYを中心に5店舗以上のカフェを運営し、wholefoodsやJoe coffeeなどといった大手小売、カフェにも卸を行っている抹茶の会社を探し出しました。

要件に合致する企業を見つけてからは、直接アプライする以外に、LinkedInでCEOにDM。YouTubeや様々な英語サイトを漁って面接用の質疑応答リストも作成、給与交渉を経て(成功)、なんとか現地企業にオファーを貰うことができました。

アメリカ人の女性が立ち上げた会社だったのですが、チーム内に日本人や日本語を喋れる人が全くおらず、私の「日本語が喋れる」というアイデンティティが日本の茶農家さんとの関係を構築する上で圧倒的に強みになったのです。

Whole Foods Market主催のイベントにて

オファー時には「子供もいるし、まずは試用期間としてパートタイムで働きはじめてみない?」と提案を貰い、出産後はじめての復帰ということもあり、ありがたかったのですが、絶対にフルタイムで働きたかったので「わかった。でもフルタイムで働きたいから、”1ヶ月の試用期間後にお互いの合意があった場合はフルタイムに変更する”と明記してくれる?」とオファーレターの修正もお願いしました。

私の英語理解力のなさにより、結局フルタイムになるまでは3ヶ月かかってしまったのですが、昔から運だけ抜群に良かった私は、なんとか全ての要件を満たす現地企業でフルタイム勤務することになります。

現在では、優先順位を下げた「自分がやりたいこと(PR)」の仕事ができているのですが、そこに至るまでの話はまた今度。

あまりにも行き当たりばったりで、多くの人に助けられながらの就労ではあったのですが、これが少しでも、今頑張る駐妻、駐夫の方の励みになればと思います。

もし悩んでいる、詳しい話が聞きたいなどあれば、いつでもDMお待ちしています。


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