心電図検定3、4級を受けてみたお話*受験レポ
こんにちは、花間るいです*
今回はわたしが以前受けた心電図検定についてお話ししようと思います。
心電図検定とは
心電図検定とはその名の通り、心電図の判読が問われる試験です。日本不整脈心電学会が主催されています。筆記のみですが、事例とともに心電図の波形がいくつも問題に載っていて、実際に臨床でこういう場合どう読むのかな…と考えながら読み込んでいきます。
受験レポも含めているので恐ろしく長文ですが、良かったら読んでみてください*
受験の動機
これはわたしが看護師になりたての頃。初めて心電図波形を見た時は、え!?みんなこれをパッと見て理解できてるの!!??という感じでした(看護師国家試験で出る、致死的不整脈しか覚えていないという感じ)
判読できないのに患者さんのところに行けない…
と、苦手だった波形の判読でしたが読めないことによるアセスメント不足(アセスメント=情報分析)への恐怖心が勝り、猛烈に学びました(?)。
最初がそんな状態だったのもあって、モニター心電図が読めたら自分としてはOKだなと思ったのと、自分なりに調べてみて看護師は4級取れてたら良いと聞いていたのと、
3級と併願受験ができるということを知ったことで、4級絶対合格、そして自分の知識を深めるためにも両方チャレンジしてみよう!と決めました。
あとモチベの一つとして、
合格するとハートのバッジがもらえるんですが、級によって色が違うんです。ほんとうはいちばん心臓っぽいので(?)2級の赤が一番欲しいなと思いました。(3、4級も緑とピンクで最高にかわいいんです!)
どんなものか見てみる方は公式サイトをどうぞ↓
勉強期間
これは心電図検定に限りませんが、わたしは勉強効率がかなり悪い&モチベーションが日頃のメンタルなどにかなり左右されやすいということを自覚しているので、基本的には勉強期間はいつも多めにとっています。
実際、看護師国試も周りは実習が大体落ち着いた大学4年生から本腰入れていたそうなのですが、わたしは怖すぎて大学受かった時には問題集買ってしまっていました…!
看護師国試のまとめは、別記事で書けたらいいなと思っています。
そして勉強方法などもまとめられたらなと思います。
そんなわけで心電図検定は、看護師として働きながらの勉強だったこともあり、半年以上は勉強したい!と決めて実際にやり始めたのが12月ごろ。翌年の8月が試験日でした。苦手意識が強かったのでなかなかモチベーションが上がらなかったです。
でも臨床で読めなくて怖かったからやる。そんな感じでした。
実際にやったこと・勉強方法
わたしはそもそも心電図の判読知識がゼロに等しかったので、まず、モニター心電図の読み方の本を購入し、片っ端から読みました。モチベを上げるために、ページ数が少なく要点とその解説だけが書かれ、途中で挫折しないようにするために絵がいっぱいついているものを書店で探して選びました。
その本がこちら↓
書いたりはしません。まずは読むだけです。
そしてモニター心電図が基本的にII誘導を見ている、ということ(でもⅡ誘導がどういうものなのかちゃんと説明はできない)、患者さんの状態として大丈夫な波形と危険な波形の種類が自分の知っているものよりたくさんあるということを改めて知りました。
ここで、かなりの危機感を自覚。学ぶほどに自分の無知さがわかってくるので、とても怖かったのを覚えています。
一通り読み終えたら、今度はネットや他の資料なども参考にしながらメモや付箋に書き出し、本の中でわからないことを調べてまとめながら波形も真似して描いてみる…ということをやりました。
多分、これが1番時間かかったと思います。これに取り組み出したのが3月でした。タイムラプス残ってたので一部ですが載せたいな。noteではこの記事自体にアップロード出来なさそうなので、別の場所で公開したいと思っています。
次に心電図検定の公式問題集を購入してきて、何周も解きまくりました。
公式問題集はこちらです↓
…ここでなんと!モニター心電図の範囲しか学んでこなかったのですが十二誘導心電図が登場したのです!!
ここでちょっとだけ説明すると…モニター心電図はII誘導と言って、パッチを3つ胸に貼るもので、判読としては基本的に一つの波形だけを見るもののことなんですが、十二誘導心電図はよく健康診断で行う、胸にいっぱい丸いのをくっつけて横になって測定する心電図のことです。こちらはその名の通り、波形が12個あります。
これは、わたしからするとRPGで言えばようやく初期装備でのモンスター討伐ができたののに、どういうわけか突然ラスボスに立ち向かわなくてはならなくなったような感覚です。(?)
これにはかなりモチベーションを削られました。
本をめくってみたけれど頭がついてこず、先に進めませんでした。
というわけで戦意消失し1ヶ月ほど放置。こつこつやっていたのに、5月はなにもしませんでした。
6月。
放置期間中でも仕事していると、毎日モニターで心電図とは対面します。挫折したということもあってちょっとつらかったです。
ただここで唯一嬉しいことに、参考書を持ち出さなくてもその波形が今どういった状態であるかなんとなくわかるように!
「あ、今乱れたこの波形はこれかな」「ちょっと気になる波形だけど、自信ないから、まずは先輩に相談して先生の指示を仰ぐか決めよう」
こういう思考になることができてきたのです。
それまでは、まずわからないから、参考書を持ってモニターを見るのは当たり前。そしてアセスメントしきれないから、必ず最初から先輩と一緒に判読。ナースコール対応などがあって一度離れてしまうとあれ?なんだったっけ…?
こんな感じだったのに…
ということは、少しは読めるようになってきてるということ?
そんな時、先生(医師)が十二誘導心電図の波形を見ている場面に遭遇。
わたしも見せて欲しいと頼み、覗いてみましたが…わからない。
思い切って先生に「今心電図の勉強中なんですが…十二誘導読めなくて挫折しかけてたんです」
と伝えました。先生はちょっとだけ解説してくれましたがサッパリ。そうか勉強がんばれよ〜と言い残し去っていきました。
……ちょっと悔しかった。
これが、モチベ再燃のきっかけです。
帰宅し、1ヶ月見ないフリしていた参考書に目をやり
公式問題集の十二誘導波形が載っているページをチラ見。
……もう少し見やすいものはないかな。
というわけで、新たに購入してきたのがこちらの2つ↓
モニター心電図の時にもお世話になった佐藤弘明さんの本(わたしにはとてもわかりやすく、合っていた)に縋り、もう一つイラストが可愛かったので購入。
モニター心電図の本の時と同じように読み込んで書き込んで…ってやれたら一番良かったんですが、なにせページ数が桁違いなので、全部に目を通すことに集中。
それとまるまる1ヶ月サボったのが大きい。完全なる自業自得です。
一通り読んだら、公式問題集の問題と照らし合わせ、辞書代わりに読みました。あとはそれで足りないところを本格的な辞書としてこちらを購入。↓
ミーハーな理由ですが、レビューを見たら心電図検定受ける人たちはみんなこれを持っていると知ったので…
でもレビュー通り、内容は難しかったけど、これなんだっけ?の手助けをしてくれるとっても良い本でした。ただ、十二誘導が全く読めない時に買っていたらわたしの心は完全に折れていたと思います。
7月は問題演習がしたいと思いはじめてこの問題集を購入し↓、ひたすら解きまくりました。
しょうもないことですが、この辺りで、わたしはたこつぼ型心筋症の問題が得意(?)ということを知りました。反対に、WPWは苦手です。
8月になって、youtubeに予想問題動画が上がっているので、それをまたひたすら解きました。
分からない問題や勘で解いた問題は本や他の動画(波形について詳しく解説してくれているものがいくつかあります)を見ながら理解する。という方法で定着させました。
するとだんだんと公式問題集の内容をただ「覚えているだけ」になっている波形があることに気づき、それがなんと試験数日前だったのでとても焦りながら本を読み直してました。
試験日当日
当日と書いておきながら突然前日の話になってしまうんですが、試験会場は申し込んでから会場が決まる(※当時)のですが、わたしは東京の五反田だったので会場近くのホテルを前日に予約して早めに東京入りしていました。
せっかくの東京で見たいところはたくさんあったけど、試験後のご褒美にしよう!と決め、この日はカフェやホテルのラウンジなどで過ごしました。
それと、持ち込み任意のディバイダー(波形同士の間隔とか測れる便利なもの)は持っていきませんでした。わたしの場合ではありますが、定規のみで全く問題ありませんでした。
当日は、人!人!人!!!という感じで、受験会場とその周辺はかなり混み合っていました。例の感染拡大前だったこともあり、本当にたくさんの人でいっぱいでした。
会場の中は8月の夏真っ盛りの頃だったにも関わらず、しばらく中で過ごしているとちょっと肌寒いくらいの室温でした。わたしは汗かき暑がりでそう感じたので、気になる方はカーディガンなどあると良いかもしれません。
級によって試験時間が異なっていました。
持って行ったのは問題解いていてつまずいたものだけメモしたルーズリーフのみです。
本当は不安なのでたくさん持っていきたかったんですが逆に不安を大きくさせてしまうかも、と思って思い切って自宅に置いてきました。でもそれが良かったです。
メモの内容だけ試験開始ギリギリまで眺めておいて、始まったらすぐ問題用紙に書いておけばすぐに見返せたので助かりました。個人的にとてもおすすめです。
試験時間は3、4級ともに時間いっぱいまでじっくり考えながら解いていました。3周くらいは見直ししたかな、といった感じです。手応えはどちらも自信あり!とはいかなかったし、試験終わってすぐ周りの人達が答え合わせを始めているのが聞こえてきたので、イヤホンなんかも持ってきておいたら良かったかもしれません。
気持ちを切り替えた後は原宿でクレープを食べ、秋葉原をくるりと周ってひとしきりオタクを堪能してから帰りました。
合否発表
合否の結果はオンラインで閲覧可能です。
勉強期間中にプチ挫折を経験していたことからずっとソワソワしていました(仕事も希望休取った)が、無事どちらも合格で嬉しかったです。
自分の中の目標を達成することができて良かったです。
受けてみて思ったこと・感じたこと
やってみて思ったのは…
モニター心電図すら読めなかったのが、気がついたら十二誘導が少し読めるようになり、ちょっと複雑な波形にも触れたおかげでかなり臨床で活かせるのでやってよかったということでした。
何より自信につながります。
嬉しいことに、あの時十二誘導読めずに悔しい〜!と言っていた先生に「今こういう波形です」「○波が〜〜で…」と詳しく報告できるようになったんです。
「おー、読めるようになったんだ、良かったなあ〜!」と認めてもらえたことも嬉しかったですね。
そんなわたしも、知らぬ間に中堅看護師…指導する際、ほんとうに勉強しておいて良かった!ありがとう過去のわたし!とひしひしと感じております。
やはり年数を積み重ねるのも大事ですが、その間に必死でやったことは誰かに教える際に自信を持って答えられますね。
ちなみに、この検定は4級スタートの3、2、1、マイスター(マイスターは1級合格者からさらに成績優良者が選ばれる感じです)とあるのですが、わたしはまだまだという感じ。
それでも、看護師が取るには十分身になる資格だなあと強く感じました。
そしてこの検定を受けるのに必要な資格などは何もないので、医療職の方でなくとも受験されている方もいるみたいです。
***
受験を決めてから(挫折期間を抜いて)半年近く勉強していましたが、たっぷり学んだことで結果自分のためになったこと、心電図への苦手意識がなくなったことが大きいです。
苦手なものが好きになると、とても嬉しくなるし、アセスメント力向上にもなって勉強はやっぱり大人になってからも大事だなあと思いました。
今回の経験がかなり勉強へのモチベーションを高め、自分を育てるのに必要だと感じたので、
医療関係もそうでないものも、資格、どんどんチャレンジしていけたらいいなって思います。
長々と読んでくださりありがとうございました!
花間るい