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【家計急変】給付奨学金の緊急支援制度を解説―申込方法から支給額まで


はじめに

家計が急変し、学業継続が困難になった学生のために、日本学生支援機構(JASSO)では「家計急変採用」という給付型奨学金制度を設けています。突然の不幸や予期せぬ事態に直面した際の支援制度について解説します。

1. 家計急変の対象となる事由

申込み可能な事由

  • 生計維持者(父母等)が死亡

  • 生計維持者が事故や病気により、半年以上就労困難

  • 生計維持者が失職(非自発的失業の場合のみ)

  • 生計維持者が震災、火災、風水害等の被災

  • 生計維持者の生死不明や行方不明

  • 父母等からの暴力等による避難

申込みの重要期限

  • 事由発生から原則3か月以内に申し込む必要があります

私が勤務していた頃は、「親が定年退職したから家計急変で申し込みたい」と窓口にくる学生さんがよくいました。
定年退職は家計急変にが該当しないため注意しましょう。

✘ 対象とならない事例

  • 定年退職は家計急変事由には該当しません

2. 支給額について

大学生の場合の支給例(第Ⅰ区分)

国公立・自宅通学:29,200円
国公立・自宅外通学:66,700円
私立・自宅通学:38,300円
私立・自宅外通学:75,800円

※支援区分(第Ⅰ~Ⅲ区分)により金額は変動

3. 申込条件

進学・在学要件

  • 高校等を卒業後2年以内に大学等に入学

  • 高等学校卒業程度認定試験合格後2年以内に入学

学業成績基準

  • 入学時:高校評定平均値3.5以上、または入学試験成績が上位1/2以内

  • 在学時:GPAが上位1/2以内、または標準単位数以上を修得

資産基準

  • 学生本人と生計維持者の資産合計が基準額未満

    • 2人世帯:2,000万円未満

    • 1人世帯:1,250万円未満

4. 申込みの手順

  1. 在学校への相談

  2. 必要書類の準備

    • 給付奨学金確認書

    • 家計急変の事由証明書類

    • マイナンバー関係書類

    • 収入証明書類

  3. スカラネットでの申込み

  4. マイナンバー書類の郵送(入力から1週間以内)

5. 授業料減免について

第Ⅰ区分の場合の減免上限額(年額)

  • 国公立大学:約54万円

  • 私立大学:約70万円

6. 注意すべきポイント

期限関係

  • 事由発生から3か月以内の申込み

  • マイナンバー書類は申込後1週間以内提出

継続要件

  • 定期的な成績確認あり

  • 基準未達で支給停止の可能性

支給額見直し

  • 支給開始6ヶ月後から3ヶ月ごとに収入確認

  • 状況により支給額変更の可能性

特に3ヶ月ごとに収入確認をする点は、定期採用で採用された人とは大きく違う点です。これに関しては、別記事で解説します。

まとめ

予期せぬ事態での学業継続支援制度として、返還不要の給付型支援と授業料減免の両方を受けられる可能性があります。まずは学校の奨学金窓口に相談することをお勧めします。

家計急変を含む奨学金に関する相談サービスを提供しています。
お困りのことがあれば、個別で相談に乗りますのでお気軽にご連絡ください。
https://coconala.com/users/2730767

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