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【2024年度開始】大学院授業料後払い制度とは?仕組みからメリット・デメリットまで完全解説
学院進学を考えている皆さんに朗報です。2024年度から、修士課程の学生を対象とした「授業料後払い制度」が始まります。この新制度について、実際の運用事例や第一種奨学金との比較を含めて、分かりやすく解説します。
不明点があれば在籍する大学(大学院)の奨学金窓口にお問い合わせすることをおすすめします!
授業料後払い制度とは?
大学院修士課程の授業料を日本学生支援機構(JASSO)が立て替え、卒業後に所得に応じて返還する新しい支援制度です。在学中の経済的負担を軽減し、研究活動に専念できる環境を整えることを目的としています。
支援内容
この制度では、授業料の支援に加えて、希望者には生活費の支援も提供されます。すべての支援が無利子で行われるため、将来の返還の負担も比較的軽くなっています。
具体的な支援内容は以下の通りです(国立大学の場合)
授業料支援:年間最大535,800円(国立大学の標準額)
生活費支援:月額2万円または4万円(希望者のみ)
すべて無利子での貸与
なお、授業料支援については、大学の授業料が上限額を超える場合、差額は自己負担となります。
申込資格
申し込みに当たっては、いくつかの要件を満たす必要があります。以下の条件をすべて満たしているか確認してください
2024年度以降に国内の大学院修士課程に進学する方
JASSOの第一種奨学金と同様の家計・成績基準を満たす方
過去の奨学金返還に延滞がない方
※外国籍の方は、在留資格によって申込可否が異なりますので、事前に確認が必要です。在留資格が「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の方は申し込むことができます。
返還の仕組み
この制度の特徴的な点は、返還額が所得に連動する点です。これにより、卒業後の経済状況に応じた無理のない返還が可能となっています。
具体的な返還額は以下のように設定されています
年収300万円未満:月額2,000円の定額返還
年収300万円以上:課税所得の9%を返還
子どもの扶養の有無により返還額が調整される
また、特に優れた業績を上げた場合には、返還免除制度を利用することも可能です。
第一種奨学金との重要な違い
制度選択の参考として、既存の第一種奨学金との違いを詳しく見ていきましょう。
貸与額の比較
両制度で受けられる支援額には大きな違いがあります。
第一種奨学金
月額:5万円または8.8万円
2年間の最大貸与総額:約211万円(8.8万円選択の場合)
授業料後払い制度
授業料支援:年間最大約53.6万円
生活費支援:月額2万円または4万円
2年間の最大貸与総額:約200万円(生活費4万円選択の場合)
これらの金額を見ると、総額では第一種奨学金の方が多くなりますが、授業料後払い制度は授業料を直接カバーできる点が特徴です。
メリット・デメリットの比較
両制度には、それぞれ特徴的な利点と課題があります。
第一種奨学金のメリット
月々の生活費支援額が多い
人的保証制度を選択可能(保証料不要)
定額返還方式を選択可能
授業料後払い制度のメリット:
まとまった授業料の準備が不要
所得連動型返還で将来の負担を軽減
子どもの人数に応じた返還額調整あり
制度利用時の注意点
この制度を利用する際には、いくつかの重要な注意点があります。
特に注意が必要な点は以下の通りです:
第一種奨学金との併用は不可能(第二種奨学金との併用は可能)
機関保証制度の利用が必須(保証料が発生)
授業料免除制度との併用は可能(減免後の金額が後払い対象)
年度途中での制度変更は不可
博士後期課程は対象外
条件は、制度利用を検討する際の重要な判断材料となりますので、よく確認してください。
保証制度が機関保証になってしまうため、保証料を支払いたくない!という方にはおすすめできないです。
申請から利用開始までの流れ
申請から実際の支援開始までには、いくつかの重要なステップがあります。それぞれの段階で必要な手続きを確実に行うことが重要です。
具体的な流れは以下の通りです:
3月:募集開始、意志確認書類等の提出
4月:説明会参加、前期授業料徴収停止
9月:本申請手続き
11月:採用決定、生活費支援開始
12月:授業料支援開始
特に注意が必要なのは、9月の本申請手続きです。この時期に必要書類の提出や手続きが滞ると、支援開始が遅れる可能性があります。
制度選択のポイント
第一種奨学金と授業料後払い制度、どちらを選ぶべきか悩む方も多いでしょう。以下のような観点から、自分に合った制度を選択することをお勧めします。
選択の際の主なポイントは
月々の生活費支援を重視する場合→第一種奨学金
授業料の支払い負担軽減を重視する場合→授業料後払い制度
将来の返還負担を心配する場合→授業料後払い制度
定額での返還を希望する場合→第一種奨学金
特に、アルバイトの時間を研究に充てたい場合や、将来の収入が不安定な可能性がある場合は、授業料後払い制度が適している可能性が高いでしょう。
将来の返還計画
返還に関する計画は、制度選択の重要な判断材料となります。以下のような点を考慮して、長期的な視点で検討することが重要です:
考慮すべきポイント
卒業後の予想収入
博士課程への進学予定の有無
将来の家族計画
他の奨学金との返還の重複可能性
特に、博士課程への進学を考えている場合は、修士課程での制度選択が将来の返還負担に大きく影響する可能性があることに注意が必要です。
まとめ
授業料後払い制度は、大学院進学を考える方々に新たな選択肢を提供する画期的な制度です。
ただし、自身の状況に合った制度を選択するためには、慎重な検討が必要です。
制度選択のための重要なポイント
経済状況や将来計画を踏まえた総合的な判断
返還方式の違いによる影響の検討
博士課程進学の可能性も考慮に入れる
期限に余裕を持った申請手続きの実施
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