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歩き方

新海誠監督の代表作の一つである『言の葉の庭』を今しがた観終えた。

あえてストーリーの詳細には触れないが、歩き方を忘れてしまった女性の先生と靴職人を目指す少年の綺麗なストーリーがとても感動的だ。

私は人生の中で何度も歩き方を忘れてしまったことがある。高校の部活、大学、就職してからだって会社でやっと大切な仕事を任されるようになったと思えば会社に行くことが辛くなってしまった。

娘を見ていると初めて歩けた瞬間本人はとても喜び、周りにいる人も手を叩いて喜ぶものだ。いつの間にか歩くことは当たり前になり、走ったり、飛び跳ねたりする。赤ちゃんは歩けるようになるまで何回も何回も転けながら徐々に歩けるようになる。最初は泣くものだが、だんだんと泣くこともなくなる。いずれ自分なりに転け方を覚えて上手く手をつくようになる。

大人になるとなぜ子供の頃にできたことを忘れるのだろうか。

大人になると転ぶのを嫌がるようになるのはなぜだろうか。

自分の中で当たり前ができる。自分の当たり前のレンズで他人を写してしまう。周りと同じ歩幅で歩いていたつもりがずれていく。

歩き始めたばかりの頃はよく転けるので転び方が上手い。大人になると転ぶことが少なくなるので急につまずいたときに手をつけなくなる。

あなたが歩けなくなった時に靴を作ってくれる人はいるだろうか?

ハンドメイドであなただけの靴を作ってくれる人が。

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