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10/8 DAY#24 キャプテンズラン for Fiji

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
09:50 バス出発 スタジアムへ
10:30 キャプテンズラン@大分スタジアム
   メディアインタビュー
12:30 ランチ
16:00 スナック
17:45 FW/BK ユニットミーティング
18:00 ディナー
21:00 スナック


今日はキャプテンズラン!
大分について3日で遂に試合前日。早い。


いつも通りのルーティン。
クリーニングをピックアップし、朝食を摂りながらリエゾンミーティング。
僕とシューちゃんはJRとキャプテンズランの準備。
スタジアムへ練習道具をDHLバンに積込み、今日着るウェアを選手毎にサイズを振り分けチームルームに設置する。
その間にアレックは選手の家族や恋人のバス手配と、今夜のマネージメントディナーアウトの最終確認。

ここでまた我々に試練を与える神様とアラン様…

先ずは神様から、
今日のキャプテンズランに同行する家族や恋人のバスはホテルに交渉してマイクロバスを1台手配してもらえたが、明日の試合当日のバスは人数が多いのでマイクロバスは3台or観光バス1台が必要。
しかし明日の試合には多くのホテルや温泉宿が所有するマイクロバスをはじめ、なんと九州中の観光バスを一般観客のシャトルバスとして利用するらしく、バスが無い!
しかも九州だけでも足りないらしく四国からもフェリーを使って観光バスを大分に派遣してるらしい。
どうしたらいいのか…
途方に暮れそうになった時、僕らはMさんに頼るしかない…
(決して組織委員会ではない、と言うかこれは個人的なお願いなので組織委員会管轄外)

ピロピロピロ♩
ラ「Mさんですか?ちょっと困ってまして…」
M「はい、どうしました?」
ラ「実はカクカクシカジカで、バスを探してるんです…」
M「なるほど、バス総出動は県の方針ですね。田舎なのでパーク&ライドでスタジアムへのシャトルバスが必要なんだそうです」
ラ「なんとかなりませんかね…」
M「わかりました、ちょっとお時間下さい」
ラ「はい、何とかお願いします!」
プープープー

そうこうしてる間に次はアラン様、

ア「今日のマネージメントディナーについてだが、この前下見に行ったあのステーキハウスにいく」
ラ「はい、わかりました」
ア「ただこの前のクオリティーの肉でこの人数でいくと予算が合わない」
(そらそうだろ!ええ肉やったらしいし)
ラ「具体的に1人幾らまで出せますか?」
ア「大体xxxx円だな」
(絶対無理やんw)
ラ「そうですか…因みに今回はジャージや試合のチケットはありますか?」
ア「ん?ああ、そうだな…何枚かはあるだろう」
ラ「わかりました、ではそれを今晩お持ち下さい。それで交渉します」
ア「わかった」

と言ってアランは去っていく。
そして緊急リエゾン会議

ラ「とりあえず今日のディナーはダメ元でジャージと試合チケットで値切ろ(笑)」
ア「それだけあったら十分やろ」
シ「でもそれでXX万も値切れる⁉︎」
ラ「いや、ここで全部カード使ったら後で何か起きたらどうしようも無くなるから、ジャージとチケットXX枚にして少し手元に残しとこ」
ア「あ!それでバス何とかならんかな?」
ラ「そうそう、さっきMさんに話したからもしかしたらと思ってんねん」

と言ってたらMさんから折り返し電話

ラ「はい、どうでした?」
M「実は…この前の社長さん、ここら辺の有名な方でして色々な会合とか出てるのもありまして小さな旅館とかにも顔が効くんです」
ラ「…ほう」(キターーーー!)
M「で、社長にお伺いしたらですね、2件の旅館がマイクロバス持ってるそうです」
ラ「うほっ!それ…何とかなりませんかね?」
M「勿論その手筈で進めてるんですけど…」
ラ「費用ですよね?正直予算無いです(笑)聞いて徴収出来ると思いますけどね」
M「まぁそうでしょうけど我々としても選手のご家族には何かしらしてあげたいと思ってまして…」
ラ「ありがとうございます、理解してるつもりです!ぶっちゃけ何が欲しい思われますか?(笑)」
M「さすが(笑)御察しが早い!とりあえず社長のお子さん2人分がチケットが無いみたいで…」
ラ「2枚ですか?社長はお子さんと観なくて良いですか?」
M「そうですね、有ればベストかと」
ラ「わかりました、連番で4枚!どうですか?」
M「充分だと思います。」
ラ「ただ帰りもバス必要なんですよね…しかも試合終わるまで待っててもらう必要あり」
M「そうですよね…実は…社長自身もプレーされてるんですよ、これから寒くなるなーってこの前言われてました」
ラ「んー、まだチームは冬服着てないんですよね…あ、この前選手にスパイク貰ったんですよ。27.5cmの。ウェールズでこのサイズは小さくて希少なんですよね…」
M「27.5ですね、社長の足のサイズ聞いてみます、少しお待ちを」
…3分後
M「もしもし、先程の件ですが決済取れました!」
ラ「ありがとうございます(笑)」

神様仏様M様である。
マジで凄い(笑)
この瞬間から僕達リエゾンは彼の事をも○えもんと呼び出しました(笑)

この方も断らないし否定しない。
先ず話を聞いて、模索して、提案してくれる人。
最高の助っ人(笑)

という事で神様の試練は何とかなった!

そしてチームはキャプテンズランへ。
今回初めてのドームスタジアム、
僕の第一印象は声がめちゃくちゃ反響する!
両側ゴール裏が一部吹き抜けになっているので蒸し暑さはない。
ここで観客いっぱいが叫んだり歌ったりしたらプレー中のプレーヤーの声は全く聞こえへんやろうな…

やはり僕の第一印象通りチームもそれを感じて居たのか、大声を出してみたり、手話の様な簡単なハンドサインでプレーの意図を発してる選手が居たりした。

練習はいつもより少し軽め、ハンドスキルにコンビネーションを合わせて、後は個人練習。
キッカーはキック、バックスリーはハイパントキャッチなど
更にFWは明日のフィジー戦に向けてアナリストがピックアップした、フィジーのトリックラインアウトプレーの確認を入念に行っていた。
*実はこれが明日の結果に凄く重要だった

フィジーはウルグアイ戦をまさかの結果で落としてしまい、
決勝トーナメント進出には明日は絶対に勝たなくてはいけない。
死にもの狂いで戦ってくるだろう。
いつもそうだけど調子が良ければTia1チームを倒す勢いがあるチーム。
ワラビーズに勝ったとは言え、気を抜けばやられるし決勝トーナメント進出も危うくなる。
明日も間違いなく死闘になるだろう…

そう思いながらキャプテンズランを終えスタジアムを後にする。

チームはホテルへと帰るが、僕とJRはその足でイトダネームさんへ明日のジャージを取りに行く。

イトダネームさんに到着し早速ジャージの確認。
いつも通り僕はリストの確認でJRは現物のチェック。
スラスラと終わり刺繍代金を支払って帰ろうとしたところ、イトダネームがJRへ欲しがってた帽子をプレゼントしてくれた。
JRもイトダネームさんへお礼を言い、握手をしてお別れ。
僕も何故か帽子のお礼を言い、決勝トーナメント進出が順当に行けばまた再来週ここで刺繍してもらう事をお願いしてお店を後にする。

そしてホテルへ帰り、明日の用意と自分の荷物を整理しておく。
明後日は熊本への旅立ち。
明日は用意している暇はない。

そうこうしているうちにディナーの時間。
マネージメントとバスに乗り別府市の繁華街へ。
お店へ向かう途中、多くの外国人達が既に街を練り歩き、大酒を食らい大はしゃぎしている。
一部のウェールズファンに見つかりサインをお願いされるマネージメント陣も腹が減ってるのか適当に対応しあしらう(笑)

そしてお店へ。
店内は貸切、マスターと少し挨拶してオーダーへ。
肉は簡単に説明すると上中下の3種類の肉があるコース料理。
マネージメントは勿論一番いい肉を頼む。
でもそうすると予算をオーバーする。
そして我々リエゾンの出番。何とも言えん嫌な役(笑)

ラ「上コースにするとお幾らになりますか?」
店「xxxx円の人数分でxxxxxx円ですね」
ラ「…ほう…なるほど」
店「どうされますか?」
ラ「実は予算がこれだけでして、全員上コースとなると足りないんですよね…」
店「そうですね」
ラ「でもやはり折角の機会なのでチームのメンバーには美味しい物を食べてもらいたいので、我々3人は下コースで良いので何とかなりませんか?」
店「んーどう考えてもそれは無理ですよね?」
ラ「無理を承知でのお願いです…何なら僕ら食べません」
店「そう言われましてもね、値段は値段ですしその価値を設定してますので」
ラ「…ごもっともです…でもそこを何とか…」
店「折角来て頂居てますけど来てもらわなくても困りはしませんので…」

ここでアレックがキレる!
驚くほどアレックの沸点は低い。

ア「いや、そうですけどそこを何とかって言うてるやないですか!」
店「そう言われましてもね…」

手強い…
実はも○えもんさんからはこう言われていた…
「大分人の感覚と言うか文化と言うか、ちょっと他の県とは違ってオモテナシって言うのか少ないんですよね…だからお店に行っても態度が悪いと思われる事があると思います。
でもそれが普通なんです。
大阪ではお客様?とか言いますけど、そんな感覚無いです。
同じ立場で話したりするので、他県から来られた人は店主の対応が悪い。と言われる事も多いんです…」

これが言われていたそれなのかも知れない…
でもこちらの言ってる事はそもそもおかしい事をお願いしている…
ここは怒っても何も変わらないし、そもそもこちらのわがままなのだ。

アレックを宥め店長さんと話をする。

ラ「すいません、こちらの一方的なことばかり言って。でも一昨日ここに来たマネージャーが最高に美味い!皆ともう一度試合前の大事な儀式にここで食事したい!と言われて予約をさせていただきました。勿論予算はありますし、そちらの価格もあります。ただ一生に一回のイベントでやって来たチームが、その大事な夜をここで!という思いを僕達は叶えてあげたいと思ってます、少しくらいの予算オーバーなら私お金払います。それくらいしてあげたいんです。ただ余りにも予算オーバーなのでどうにかしてあげられないか?と思って今お話させて貰ってます。チームもここでその儀式が出来たら母国まだその思い出と味を持って帰れます。その為にならとチームから敬意と感謝にとコレを頂いて来ました」

サイン入りジャージと試合チケットを出す。

「チームはこれ位しか出来ません。
僕もXX円位しか払えませんが、それでどうにかこのチームに今夜の儀式をさせて貰えませんか?」

店「…わかりました、そこまで仰られるならそれでさせて貰います。」
ラ「ありがとうございます!」

多分も○えもんさんの言ってる事は一部あるのだろう。
少し前の会話ではその部分が出ていたかも知れないが、それは大分では当たり前なのかも知れないし冷静に考えても我々の言い方が悪いのだ。
むしろ本音で話しすれば、わかってくれた。
変な計算は要らない。
店長も大分でのRWCの盛り上がり方は充分に感じて居られるのだろう。
何より本当にアランはここのステーキはウェールズのどの店より美味いと言ってた。
とにかく無茶苦茶なお願いをお店は聞いてくれた。本当感謝しかない。

そしてディナーが始まり、前菜にスープが運ばれて来た頃、いつも通りアランから皆んなに明日に向けての一言があり、チームもそれに向けて一致団結する為に今日ここにいる事を感謝し各々心の中で誓う。
全てはウェールズチームの為に
食事中前菜に出てきたネギとポテトのベイクドパイ?の様な物が出てきて大盛り上がり(笑)
皆んなして最高に美味いという。
とにかくウェールズ人はネギが好きらしい。
その事を店長に伝えるとおかわりを持ってきてくれた。
最初言い争ったのがウソみたい。
そして店長は僕達にも上コースを食べさせてくれた。

アランも肉を一口食べると席を立ち、店長の所へ行き最高に美味いとコメントしにいった。
お世辞ではなく本当に美味い!
アランはそんな所でしょーもない嘘はつかない。

ワインも美味しいのを提供して貰って本当にアランは大満足。

明日勝って再来週にまたここで食べたいと店長と約束して店を後にする。

という事でアラン様の試練も店長のお陰でクリア!
これで後は明日の試合に勝てば良いだけ!

帰りは皆んなバラバラでタクシーに乗って帰ります。
今日は僕もスンナリ帰れて明日の準備に取り掛かれます(笑)

続く

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