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9/29 DAY#15 VSオーストラリア

今日のスケジュール
08:00 朝食 ボディースクリーニング
09:15 ウェイトトレーニング for ノンメンバー
11:00 アドバンスチーム出発
12:15 軽めのウェイト
12:45 ウォークスルー
13:15 ゲーム前の食事
14:30 ホテル出発
16:45 オーストラリア戦 KO
21:00 ディナー
22:00 チーム荷物積込み

今日はプール戦の大一番、ワラビーズ戦!
組み合わせが決まった時からチームはこの日にフォーカスしてたはず!
決勝トーナメントで先ずイングランドと当たるかフランスと当たるかがこの試合結果で決まる。
大会前評判からするとイングランドとは当たりたくない。
朝からチームのヤル気が伝わってくる。

朝のルーティン、アランとのショートミーティング。
ここでもまたアランが炸裂する…

ア「今日のウォークスルーだが秩父宮まで行きたくない。遠い。」
 (まぁバスで15分やけどね…)
ア「すぐそこにラグビーグランドがあるのが見えた、そこが良い、歩いて行ける」
 (そんなすぐに使えるかわからんやん)

この頃にはアランの事が少しずつわかってきており、直ぐに言い返したりチャレンジせずに違う方法を提案しても怒られるだけという良くない結果になる。
なので↑(の中は)心の声ですw
ラ「わかりました、確認しますね」
ア「Good boy!!」
チョロいもんである。

とは言え、このリクエストも中々ハード。
先ずは所有者確認を行わなければならない。

リエゾンが組織委員会から渡される三種の神器は、
▪️携帯電話
▪️事前に卓上にて作成された読む気にならない厚みのマニュアル
▪️予算が入ってるキャッシュカード
以上!

この中で使えるとしたら携帯電話くらいか…
という事で組織委員会の窓口に電話。
は、掛けずに直接組織委員会のリエゾン部長へ。
と言うのも窓口はあくまで窓口であり、そこへ電話してもよくあるQ&A集に載ってる答えなら直ぐに回答をくれるが、そうでない場合は話した内容を連絡カードに書いて上に回すだけである。
Q&Aに載ってるならマニュアルにも載ってるだろうし、こんな想定してるはずが無い。
よって直接上に連絡した方が早い。
と言うのも今までの経験で既にわかっていた。

ピロピロピロ♩
ラ「もしもし、コウジュです」
部「もしもし、どうした?」
 *馴れ馴れしく聞こえるだろうが、実は部長とは以前からお互い名前は知ってる同い年である。でも業務中は上司なので敬語を使う。
ラ「アランがウォークスルーで近くのグランドを使いたいと…」
部「出た(笑)で、それはどこ?」
ラ「ホテルと迎賓館の間にある、ちょっと下がった土地にあるグランドです」
部「地図見てみるわ…あーこれか、多分上智大学のグランドやな。ちょっとこっちから上智大学にコンタクト取って折り返します」
ラ「はい、よろしくお願いします」
プープープー

とりあえず連絡を待つしか無い。
でもアドバンスチームでの準備もあるし、後はこの件はアレックに任せよう。
部長にもアレックと対応して貰うようにお願いして、僕はアドバンスチームに専念する事にした。

いつものように大量の衣装ケースとトランシーバーや色んな機材、スペシャルドリンクの素などをDHLトラックに積み込む。
今回の試合会場はホテルから遠い。
なのでシューちゃんがハイエースでアドバンスチームをスタジアムに送り、またホテルに戻って来ることは不可能。
元々人数を減らされていたウェールズリエゾンには物理的に不可能なミッションなので、組織委員会にお願いして試合の日だけハイエースを運転するドライバーを手配して貰っていた。
その人と出発前に落ち合い、スケジュールを確認して、アドバンスメンバーが揃ったところで出発!

スタジアムまでの道は昨日と違い府中インターまでスイスイ。
JRはどうなってるんだ?と言っていたが僕に分かるはずがない。
とにかく遅れずに着いたんやし、待つくらいが丁度良い。
本当に早く着いたのでIDチェックゲートで5分位待たされた。

するとアレックから着信

ピロピロピロ♩
ラ「はいはい、どしたん?」 
ア「あのさ、ウォークスルーの件。
部長から電話掛かってきてんけど、やっぱり上智大学のグランドやったらしいねんけど、管理者に確認したら生徒が部活で使ってるから貸せない!って言われたらしい…」
ラ「えー、どうしよ…ヤバいやん。もう時間ないし」
ア「いやほんでアランにそう伝えたんや。言わなしゃーないやろ?そしたら絶対そこでやるって言ってるねん」
ラ「無茶苦茶やな(笑)」
ア「ホンマあのおっさん、面倒くさいわ」
ラ「どうするん?」
ア「どうしようもない。アランの好きにさせる。と言うか俺らがあかんって言うてもあのおっさんは行くやろ?」
ラ「たしかに(笑)」
ア「俺たちにもできひん事はある。それを何とかするのは組織委員会の仕事や」
ラ「まーね。とりあえずGOやな(笑)」
ア「とりあえず部長にはアランは言う事聞かへんとだけ言っとく」
ラ「そうしよ、ゴメンやけどそっちはよろしく頼むわ」
ア「任して!とりあえずついて行くわ」
プープープー

これはもうどうしようも無いな。
後は成るようにしかならんやろ(笑)

さてこっちもやる事はたんまりある。
中に入ると鬼の荷下ろしスタート!
全部下ろしたらそれをみんなでロッカールームに運ぶ。
そしてロッカールームに入るとそれぞれが仕事に専念する。
先ずはスポーツサイエンティストのチャンバースがスピーカーを携帯と接続し超大音量で音楽をかける。
僕は座席にネームプレートを貼り、バスタオルにジャージや短パン等の衣類を置いていく。
S&Cコーチのアシュビーはドリンクやサプリメントを調合していく。
アナリストチームはコーチングBOXで機材のセットアップ。
カメラマンのベンとSNS担当のバズは試合前のスタジアムの様子を撮りに。
JRは相変わらず衣装ケースを手当たり次第に開けまくり、自分の目的の物を探す(笑)
一通り目処がついたら、コンタクトバッグ等をピッチに持って行き綺麗に並べる。

あと数時間でKO…楽しみやけど緊張する。
自分が試合する訳でも無いのに…
もうチームの一員て事なんかな…

そんな事を思いながらも淡々と作業をこなして行く。
Tシャツの1枚1枚に思いを込めながらスチームアイロンをかけ、シワひとつない様に仕上げて行く。
今、僕が出来る事はこれだけ。
だからこれだけを完璧にやり切る!

と頑張ってたらバズがある事に気づく。
バ「ヤーマン、これ誰が指示したの?」
とジャージの刺繍を指差して聞いてくる。
ラ「え?JRが紙に書いたやつを俺がデータにして送ってるけど…」
バ「これ…」


ラ「ええええ!!!!???」
よく見ると日付が全部 29st になってる…
急いでパソコンを見るもデータは間違ってない。
どこでどうなったかわからないけど、とりあえず思っきり間違ってる!
バズがメディアマネージャーのルークに確認する。
どうしようも無いのでこのまあいくしか無い。との判断。
今日はアラウィンのメモリアルゲームで、恐らくこのジャージもフィルムに納められる…
ルークが電話で刺繍のオーダープロセスについて話したいとの事で話した。
ルークの結論は誰かが間違ったのは間違いないが、ジャージを受け取りに行った時に刺繍を確認するのはJRの責任。現に彼はジャージを見ながら1枚づつ畳んでいたのだから。
僕も確認しなかったのが悪い。
これは本当に凹んだ。大ミスと言っていい。
次からは全部確認しようと心に決め作業に戻った。

全部終わって一息してた所で近くのスタジアムスタッフの無線が聞こえて来た。
ウェールズチームゲート通過、間もなくスタジアム入ります!
いよいよ本隊の到着。

邪魔にならない様に自分の荷物を目立たない所に移動させ、ロッカールームを後にしピッチ入口から選手達が通る入口を正面から見つめる。

バスが入口真ん前に止まり、皆一様にヘッドホンを付け、
まるで焦点が合っているか合っていないかの様な眼差しの中に、
ホテルでは決して見せない研ぎ澄まされた日本刀に反射する様な鋭い光を宿して、一歩一歩力強くもしなやかな歩みでロッカールームへと足早に続々と入って行く…

正直、邪魔にならない様にロッカールームに入らない言っているが、
実は近寄り難いのだ。
何と言えば良いのか…
よく知っている人だけど、全く知らない人の様。
纏っているオーラがいつもと違い過ぎる。
23人のメンバーとはホテルを出てから試合が終わるまで目を合わせた事が無い。
それくらい空気が張り詰めている。
しかもパンパンに今すぐ弾けてしまいそうな程に。
特にこの日はそんな感じがしたとハッキリと覚えている。

ただし例外も居る。
リーアム・ウィリアムだ。彼だけはいつもナチュラル変わらない。
試合前でも冗談を言っている。
でも周りの選手は無視らしい(そらそうやろな)
相手にしてくれるのはフィジカルパフォーマンスヘッドのボビーだけ(笑)
本人がそう言っていた。

バスに同乗して来たアレックに様子を聞いてみた。
ラ「お疲れさん、どうやった?」
ア「うん、全部うまい事行ったよ、バスも時間通りやったし。バッチリや!」
ラ「ウォークスルーどうなったん?」
ア「あー、あのグランド行ったよ。行ったら上智大学のサッカー部とラグビー部が練習してて、監督さんに先ず俺がダッシュで説明しに行ってん、そしたら監督さんが、もうどうぞ自由に使ってください!って言うてくれはって」
ラ「ホンマ!良かったやん」
ア「大学生も大喜びやで!うわぁー本物やぁ言うて」
ラ「そらそうなるわな(笑)」
ア「ほんでアランがこれ持って行け言うてサイン入り選手ポスター渡して、みんなで写真撮ってめちゃ喜んでたで!」
ラ「アランらしいな、そういう所はキッチリしてるわ」
ア「うん、口悪いけどええおっさんやで!」
ラ「ホンマそれ!」

と話してたらアランが寄って来た。

ア「おい、お前ら。今日は素敵な色のオシャレな服着てるやんけ(笑)
この後デートでも行くんか?」


そう、今日は僕達はリエゾンユニフォームを着ているのだ…
これを説明するにはの2日前の練習に話を戻さなければならない。

2日前の午後の練習は試合に合わせて16:30からだった。
この時に問題が発生する。
秩父宮はトレーニングピッチとして準備されており普通のライトだけではスタジアムより暗い。オプションのライトを点けるには別の電源を使わなくてはならない。
なので練習は普通のライトだけで行おうとしていたのだが、これにアランが大激怒。
試合と同じ環境で練習するのに何故ライトは暗いのか?
トレーニングピッチでも芝生はワールドラグビーの規定通りに管理されているのにライトは何故点けられないんだ!
全くその通りである。
幸か不幸か秩父宮ラグビー場の真ん前の青年会館ビルが組織委員会のオフィスだった…
アランが怒りそのまま電話をかけ、部長がすっ飛んで来た。
招致の時点からの付き合いなのでお互い知った仲。
部長も勿論アランの性格を分かっている。
隣で聞いてるとどうやらオプションのライトは追加でお金が掛かるらしく、焦点はその費用をどうするかの様だ。
勿論アランは持つ気なんてサラサラ無い。
部長は部長で事を治めるにもウェールズの為にしてあげた感を残したいらしい…
そこで部長が持ち出した案が我々リエゾンのユニフォームの件だ。
ジョージア戦で言われた通り、確かにどこからかクレームが入ったらしい。
組織委員会としても規定で決まっている事なので守れるならその規定を守りたい方針。
結局部長は次の試合で我々がリエゾンユニフォームを着る事を条件に、オプション照明の費用を組織委員会待ちにする事で治めたのだ。
費用が幾らか知らないが我々はマンマとダシに使われたのだ。
いい気はしないがアランも納得したので逆らうにも気が引ける。
でも腹立つので中にウェールズウェアを着る事にした。
とっても小さいけど我々の気持ちだ!
まぁアランはそれをしっかり見てくれてたんだけど。

話を戻そう。
ア「まぁ俺も男やから約束は守る。でも悪い様にはしないし俺はタダでは転ばない。今日は大人しくそれ着とけ。ただし予選プール最終戦にそのFxxxing Urgueyカラーシャツを着たら、着たままその服燃やしてやる(笑)」

ホンマにやりそうやから怖い。

とか言ってると選手達がピッチに現れ各自ウォーミングアップを始め出した。
いよいよだ。
ふと隣を見るとワラビーズの選手達もアップを始め出している。
目に入る選手全員の名前が言える。
ゲニアにフォーリー、ポーコック、アシュリークーパー、ケレビ、フーパー。


全員ここに書ききれへんくらいや。
それくらいワラビーズの選手達は有名だし良いプレーヤーが多い。
今日はほんまに大一番やな…
スタンドの様子もチェックしてみると、やはりワラビーズ戦。
日本でのワラビーズは認知度が高い、ウェールズより余裕で上だろう。
スタンドも黄色の方が余裕で多い。
雰囲気は向こうに持っていかれてしまうかもな…そんな事をふと思ってた。

ウォーミングアップも終わり、選手達がロッカーへと戻っていく。
我々はベンチ横でKO待機。

そしていよいよ、拍子木が鳴り、大太鼓の入場テーマが鳴り響き、スタジアムは最高に盛り上がる!
両チームの選手達がピッチへ駆け足で雪崩れ込んでいく。
そしてナショナルアンセムの合唱。

オーストラリア国家、ウェールズと比べ遥かに大きな国歌斉唱。
スタンドの音量が違う…
何となく僕の心に黒いモヤモヤがかかった…
そんな雰囲気もお構い無くKOのカウントダウンが始まる!

今回はノンメンバーも着替えを早く終わらせて出て来た。
彼らを連れてスタンドのチーム席へ移動し始めた所でKO!

スタンドを登りながらも後ろの試合が気になる…
すると何の前触れも無くスタンドが大声援に包まれ、
跳ねる様に人々が立ち上がり最高潮に達していたエネルギーが爆発した…
何事かと振り返ると開始30秒程でダン・ビガーのDGが決まっていた。
さっき心に掛かったモヤモヤはスタンドの声援とダン・ビガーのキックと共に吹っ飛んでいった…

因みにこのDGはダン・ビガー本人に聞いた所、明らかに意図的に蹴ってました。
チーム方針で常に相手より点数で上回っている事。と決めており、先制点は目標だったそうです。

*試合中の様子は省略。
 思い出したい方は↓ハイライトをどーぞ。

試合は予想通りの大接戦、後半、猛烈な勢いで追い上げてくるワラビーズを何とかかわしてノーサイド。終わってみれば 29-25 !!
ダン・ビガーやパッチェルのDGやPG、コンバージョンは勿論、
ハドリーのトライを演出したキックが勝敗を左右したと言えるナイスゲームでした。

チームも僕達も分かっていた大一番だけに喜びも大爆発。
ノーサイドの瞬間は叫んでました!!


ボビーはガレスに抱きつき、アラウィンとジョージはキスまでしてしまいます♡

終わってからのロッカールームも大はしゃぎ。
ペットボトルの水で掛け合い、ビールも今日は飲んじゃいます。
ワラビーズの選手達もロッカールームにジャージ交換へやって来ます。
彼らとも乾杯。試合終われば本当にノーサイドです。

ここからが大変。
前回以上にロッカーが散らかっている…
しかもベシャベシャ…
タオルで拭き取りシャワールームで搾る。
これがまた重労働(笑)
でも勝って嬉しかったから苦しみも半減。
ま、勝ったし良いか!のマインドで乗り切れます(笑)

そしてある程度片付いた所でケン・オーウェンスからのリクエスト。
ビールをもっと買ってきて欲しい。帰りのバスでも飲む!
これは困った。
さっきまでのビールは組織委員会に予めオーダーしていた分で後から精算が出来た。
オフィスに行ってビール余ってないか聞いても余ってない。
残るはスタンドの売店しかない。
しかしなんせ現金を持ち合わせていない!

どうしようかと思ってたらスタジアム責任者のワールドラグビーのお姉さんが祝福の言葉を僕達にかけてきてくれた。
そこで相談してみると、
「いいわ、このお金を使いなさい。私からアランへのお祝いよ」
とポンと2万円をくれた。

でっかいゴミバケツと台車を持ってダッシュでスタンドへ。
スタンド内の売店で聞いて回るが、試合が終わってるのでもう店を閉め始めててビールが無い!
聞くとスタジアムの入口にビールスタンドがある。そこならあるかも?との事でそこまでダッシュ。
なんせ時間が無い!
まだ試合の余韻に浸ってビールを飲もうとカウンターに並んでる人を押し除け、2万円分のビールを買いたいと言う。
すると
売「そんなにですか?少し時間がかかります」
ラ「え?何で?このゴミバケツに入れてくれたらいいよ」
売「缶のままでは渡せない規定なんで、コップに移します」
ラ「私チーム帯同スタッフでバスに持ち込みたいんです!缶のままで」
売「店長に聞います」
ラ「お願いします、急いで!」
店「はい、事情は伺いました、チーム帯同証明書を見せてください」
ラ「はい、このIDです」
店「わかりました、ではこちらです」
 見るとと30本もない…
ラ「え?こんだけ?」
店「はい、一本700円ですので」
ラ「マジか!これじゃ絶対に足らん!どうしよ…」
 と、言ってたら周りの外国人達が早く買えと順番を急かしてきた。
外「お前らどんだけ飲むんだよ(笑)」
ラ「違う、これは俺じゃ無くてチームが飲む分」
外「チーム?何のチームだ?」
ラ「ウェールズの選手、俺達は帯同スタッフで選手に頼まれてビールを買いに来たけど、金が足りなくて充分な量が買えないんだ…」
外「マジか?本当だ!お前ら凄いな。
おーい、コイツらウェールズなんだけど金足りなくて選手にビール買えなくて困ってるらしい」
酔1「おー、俺はウェールズ出身や!俺がガレスにビール買うぞー!」
酔2「じゃ俺はダン・ビカー」
奥1「今日はナイスゲームやった、ウェールズ に乾杯やー」
 そこら辺に居た酔っ払い外国人達がどんどんビールを買ってバケツに入れていく(笑)
 みるみるうちにバケツがほぼ満杯に!

ラ「ありがとうみんな!これで選手もバスでパーティー出来る!」
全「おー!楽しめよ!日本最高!ラグビー最高!」

ワールドカップ最高かよ。こんな奴らばっかや!
ビール買いながらみんな「日本は素晴らしい国や、俺達が今まで受けたホスピタリティーの中でも最高級や、これはそのお返しや!」と言ってました。
皆んなが日本に来られた外国人達にした事が、僕達に返って来たんだと思います。
本当に感謝しか無かった。
こんな事が今日本中で起こってるんだな、と思いました。

大急ぎでバスにビールを放り込んだら急いで出発。
パトカーに先導され、トラックからスタジアム周辺で余韻に浸る人達を見ながらホテルへと車を走らせる。
JRは悠々と助手席でビール飲んでる。
帰りの首都高は渋滞してたけど、サイレンを鳴らしてないパトカーでも背後から近寄ると、不思議とみんなが道を開けていく(笑)
抜いていく車からも色んな国のジャージを着た人達が手旗や国旗を窓から出して声援を送ってくれる。
ホンマ夢見たいな景色やったな…

ホテルに着くと汚れたウェアをランドリー業者に手渡す段取りをする。
夜23時ピックアップで翌朝7時には持って来てくれる神サービス。

それが終わるとすぐにチーム荷物の積み込み。
ロビーにDHLさんを迎えに行き、トラックを指定場所に停めたら開始!
今回もホテルの人が大勢で手伝ってくれたので本当早く積み込みが終わった。
ニューオオタニのホスピタリティーはマジで凄い。
そら国賓集めてパーティー出来ますわ。

積込みが終わりようやくディナー。
アドバンスチームは実は昼飯が食えない。
と言うか流れがわからんかったから、昼飯を持って行かないと食えない。
という訳で僕は約12時間振りの食事。
間にチームのプロテインバーとか盗み食いしてたけど(笑)

3人で残り物のディナーを食べようとすると、ホテルの人がビールを持って来てくれた。
「お疲れ様でした、勝って本当良かったです」
ホンマ、惚れてまうやろ〜。
その人も含め談笑しながらディナーを摂ってるとアランの登場…

ア「お前らまだ食べてなかったんか?」
ラ「はい、さっき積み込み終わった所です」
ア「で、仕事終わりのビールか?」
ラ「はい、僕達は全部終わってからしか飲みませんので」
ア「それ食べ終わったら二階のバーに来い、俺達と祝勝会や。みんなでやらんと意味がない。持ってるぞ」

そう言って去っていった。

僕達3人は顔を見合わせ、
アレ「しゃーないな。アランにああ言われたら」
シュ「明日も早いけど」
ラ「でも皆んなでって言ってくれてるしね」
全「行こか!」

明日もあるけど、今日は2度と来ない。
何でもいつかは終わりが来る。
だったら、それまでに出来る事をやれるだけやろう。

そう言って結局夜中2時半まで飲んで次の日少し後悔しました(笑)

続く

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