（エッセイ）日本のラグビーブームを信じない

（※2015年記事作成）

　2015年10月15日現在、僕はまだ英国・ロンドンに滞在してラグビーＷ杯イングランド大会を取材している。
　もちろん「日本で空前のラグビーブーム」という噂は伝え聞いている。しかし僕は騙されない。現代日本でラグビーブーム？　そんなわけがない。まるで「埼玉でサーフィンが人気」と言われているような気分だ。

　きっと事実が大げさに伝わっているのだろう。ウェブ上のニュースソースもすべてが正しいとは思えない。「いんたーねっと」の仕組みはよく分からないが、伝言ゲームと同じ要領だという話を聞いたことある。そうであるならばすべての合点がゆく。

　数ある噂のなかで最も信じ難かったのが、フジテレビの『すぽると』にフロントローが映っていたという話である。たまたま映り込んでしまったのか、それとも本当にゲストとして呼ばれていたのか鋭意調査中である。
　しかし最近手に入れたキャプチャ画像には、はっきりと堀江らフロントローが映っているのだ。それを見た時の僕の驚きを表現するには、世界中のビックリマークを掻き集めても足りない。これは一体どんな末期症状だろう？　フジテレビが高熱を出したとしか思えない。と同時に、この番組を観て喜んでいるのはフロントローだけなのではないかという不安に襲われた。

　五郎丸が連日テレビに出演しているという噂も伝わっている。その多忙ぶりは、この調子で働けば摩耗してすり減り、そのうち無くなってしまうほどだという。しかし全世代の女性を中心に、国民的な人気を集めつつあるという。その人気ぶりは、紅白歌合戦の大トリで神輿に乗って登場し『まつり』を歌うほどだという。
　しかし世の女性は彼が妻帯者という事実を知っているのだろうか。その事実を知って、ヘスケスのトライ後のフランソワ・ローみたいな表情をされても困る。それか、森元総理の強権によって五郎丸のみ多重婚を認める法律を作るかだ。多くの女性が南ア戦後にまずしたことは「五郎丸　結婚」でググったことなのだから。「五郎丸法」が彼女達を救う。

　またヤマハの初戦の前売りチケットが完売したという噂も聞いた。間違ってヤマハ音楽教室の入学希望者も増えているという。もはや磐田市でヤマハまんじゅうが売り出されのは時間の問題だ。売れた前売りチケットは1万枚らしい。その購入者はもしかしてラグビーよりも五郎丸のほうが面白いと思ってはいないだろうか。
　
　やっぱり、まだ、信じられない。
　パチンコ店にＣＲ五郎丸歩が登場したらその時はさすがに信じる他ない。しかしＣＲ五郎丸歩が登場するまで、僕は信じない。信じられない。