2019 W杯 Pool B New Zealand(NZL) v Republic of South Africa(RSA)

2019 W杯 Pool B New Zealand(NZL) v Republic of South Africa(RSA)
https://jod.jsports.co.jp/p/rugby/worldcup/73867-V

<この試合をみるポイント>
NZLとRSA自陣でどれくらいフェイズを重ねるかを比べてみる。
RSAはFWが強く、NZLはBKが強い。

◯02:18 AT キックオフを真ん中に蹴る意味

古田「キックオフを真ん中に蹴る意味わかる?」
高校生「わからないです。」
古田「RSAはすぐに蹴るから、NZLは真ん中にBDを作らせてタッチキックの距離を短くしようとしてる。ハイパントを蹴るにしても、真ん中にBDがあるとATにとってチャンスになるような端の位置にボールを落としづらいよね。キックを蹴ってくるチームに対してはすごく有効なキックオフのオプションだと思う。ただ、デメリットとして相手が自陣からも攻めてくるチームだと両サイドにオプションができるっていうのはあるけどね。」

05:40 AT 相手BK3の動きとキック選択

古田「今のシーンはCTBの選手がNZLのWTBが上がってきたのをみて蹴ってるね。」
高校生「外からのコールで蹴ってますか?」
古田「これはCTBの判断だと思う。ボールを持ってる間にしっかり後ろ見てるでしょ?」

06:57 AT ポッドかシェイプかの判断

古田「ゲームを見るときにそのチームがポッドかどうかはエッジラックに参加した選手の次の動きを見ればわかりやすいよ。そこにいた選手が順目に走ってるならシェイプ。そのまま後ろにセットしてるならポッドって言う感じで。」

07:06 AT 両サイドのスペースのバランス

井坂「両サイドにATオプションを作るために15mあたりにラック作ってるけど、これって結局狭いサイドだけDFに立たれるとATとしては実質1サイドしかオプションがなくなるんですよね。」
古田「あと、このスペースだとATは3人がベストだと思う。ただSOの考えとしては今のBDに5人参加していたのを3人にしてオープンサイドのATの人数を多く仕切り直しのために、狭いサイド攻めるって言うのはあるかな。」

◯AT ポゼッションかキックかの判断

古田「15人制難しいのはATで停滞したときにキックに切り替えるのか、ATを継続するかなんだよね。
特にFWの強いチームに対しては中盤でミスしてしまうとスクラム押されたりとかで大ピンチになるんだよね。だから、FWの強いチーム相手にはボール持たない。」

13:38 AT パス先のオプションの数

古田「なんでこんなNZLうまくいかないんだろう。」
井坂「NZLは基本的に1ラインで、ダブルラインみたいな奥行きがあまりないので、アンブレラとは相性が悪いんですよね。このシーンだとバレットのいる位置がもう少し深ければ外に回せましたし。」
古田「そう考えると、オプションの数って大事だよね。後ろのオプションがあれば、完全に詰められてる前の選手にパスしなくてすんだもんね。」

DF SHのDFの参考

古田「SHをやるならデクラークのDFをよく見た方がいいと思う。斎藤直人も言ってたけど、SHのDFはとにかく運動量。相手の嫌がるところにどういうタイミングでいくのかっていうのは見ててすごく勉強になる。」

17:28 AT RSAのG前戦術

これポッドがシェイプっぽくなってるね。前提としてNZLはDFが順目にセットしやすいって言うのがあって、その裏をかくためにFWを順目に移動させているんだと思う。右側にBKの足が速い選手を置いて、左側にDFを寄せて右側を使うっていう意図だと思う。

20:47 AT モールを組んだ後のゲイン

井坂「このシーンは右サイドと左サイドどちらがチャンスになりやすいとおもう?」
高校生「右ですかね。左に走ってきてる人が見えたので。」
高校生「僕は左。右にはもともと人がいっぱいいるから。」
井坂「どっちもすごく良い視点。左に走ってきてる人が多いのはもともとそっちがBKラインだから。逆に人が多いのはモールを組んでたからだよね。で、足が遅いのはFW。つまり、DFの戻りは基本的にモールがあった右サイドの方が遅いんだよね。うまくいけばオフサイドももらえるしトライにも繋がりやすい。これはスクラムでも同じ。組み合ってて後ろ向きからスタートするのと前向きでスタートするのでもかなりスピードが変わってくるよね。」

23:00 AT アンブレラの裏にキックパス

古田「NZLは外のスペースをキックパスを使ってうまく攻略してるね。アンブレラでDFが出てくるから裏のスペースが空いているんだけど、しっかりそこにボールを運べている。ただこのスキルすごく難しいから、キック得意じゃないチーム相手とかだとDFはこういう風にすればすごく有利になる。」

※23:13 AT ビッグゲイン後の展開

古田「このシーンとかすごく理にかなっていて、ビッグゲインした後はDFはラックに寄ってくるから基本的に外が空くんだよね。そこにしっかりボールを運ぶっていうのがすごく大事。」
井坂「+αでいうと、このゲインしたシーンでNZLは抜けたから内返しをしてBDを20mあたりに置いているのも肝ですね。こうすると、もともと外にポジショニングしていたDFはタッチライン際に置き去りにされる。絶対に外余るんですよねこれ。」

26:30 DF SH個人でのATへのプレッシャー

井坂「このデクラークのDFすごい勉強になると思う。他のラインのDFとは別で、個人としてパスコースに飛び出してきてるからATはすごくやりづらいと思う。」
高校生「ギャップとかできないんですか?」
井坂「チームとしてSHだけフリーマンとして扱われてるからないと思う。」
古田「こういうDF面白いよね。ギャップもできないしATにはプレッシャーかかるし。」

39:26 SHの視線

古田「ここめっちゃ勉強になると思う。デクラークの顔見て欲しい。この時点で裏のスペースずっと見てるんだよね。ずっとキック狙ってるんだろうね。」

◯AT ドロップアウトをどこに落とすか

高校生「ドロップアウトってどこを狙えば良いんですか?」
古田「基本的にはラックの位置が大事。端っこにラックを作らせればDFしやすいから、端に落とすのが定石って言われてるね。」
高校生「奥に蹴るとか手前に蹴るとかはどうですか?」
古田「それも大切で、落とす位置が奥すぎると相手がボールを真ん中に運ぶ時間を作れるから、絶妙な位置に落としたいね。普通のキックでも同じだけどタッチラインから5mかつチェイスでプレッシャーかけられる位置。そういうキック難しいんだけどね笑」

DF SHの飛び出し。

古田「SHが外から視界に入ってくることで、余ってても余ってないように見えちゃうんだよね。わざとSOの視界に入ることで外に回させないっていうね。高校レベルとかだとかなり有効だと思う。」

47:18 AT ラックの真上のスペース

井坂「NZLのDFの基本方針としては、ラックに人数をかけないでラインの人数を増やすっていうのがあるから、ラックの上は空きやすいんですよね。ここはしっかり分析できているなと思います。」
古田「アーロンスミスが気を使ってラインに入ったのも裏目に出たね。本来ならラックの裏にいるはずなのに。」

51:30 AT 敵陣G前でのポッド

古田「やっぱRSAは22m内ではめちゃくちゃFWが順目に回るね。」
井坂「シェイプっぽくなりつつもしっかりユニットを保ってるのもすごいですね。」
古田「ポッドって広がれる反面、敵陣になっちゃうとDFの枚数が減らないから余らないんだよね。だから順目に走ることで余らせようとするっていう意図があるね。」
井坂「めちゃくちゃ理にかなってますよね。」

◯59:40 AT 攻め疲れ

古田「なんでNZはこの時間帯上手くいってないと思う?」
高校生「キック蹴ってないからだと思います。ATで前に出られてないから。」
井坂「古田さんが良く言う攻め疲れって言うところですね。」
高校生「15人制ってすぐ蹴るべきなんですか?」
古田「DFがよかったら蹴った方がいいかもしれないね。セットからのATは上手くいきやすいけど、フェイズが重なってくるとBDに人数を割かなきゃいけなくなったりするからあんまり上手くいかないことが多いんだよね。フレッシュな状態でATするっていうのが大事かもね。」
古田「SOとしてはボールを持ってATするかキック多めで戦うのかって言うのは迷うところだよね。一概にどっちがいいとかではないけど、試合によってどういうバランスにするかって言うのが大切。」

70:38 AT どういうキックをするか

古田「NZLのこのオープンキックは本当に危険。チェイスいないし。RSAは基本キック蹴ってくるから真ん中にハイパントあげちゃう方が良かったかもしれない。そもそもSHが左利きだからラックから左裏がいいと思うけど。」

◯72:43 AT 時間帯とエリアマネジメント

古田「ここはこのゲームを示す象徴的なシーンで、時間帯と点差的に自陣からでもRSAは攻めざるを得なくなってて、NZLはひたすらDFしていればいいからね。RSAはこういうシチュエーションになるのを避けるために序盤からずっと蹴ってたんだよね。ただ、NZLは変なキック蹴ってピンチになってるけど笑」

77:31 AT BDの位置とキック

古田「これはBDのある位置大事だね。右利きだったらここにラックを作ることで常にキック蹴れるぞって姿勢を見せられる。SHは左利きだから左も狙えるしすごく良いね。」
井坂「そう考えるとSHとSOの利き足が逆だとメリット多そうですね。」

AT SHの逆目ATの判断

高校生「SHでパスするときに順目行くか逆目行くかって誰の判断ですか?」
古田「基本的にはSOだけど、SHも絶対見ておかないといけないよね。例えばBDに相手が何人入ってるかっていうのは判断基準になると思う。DFは基本順目にセットするけど、このときBDにいっぱい人がいたら逆目空いてる可能性が高いとか。」
井坂「あとはSHは移動中に基本的に逆目を見ておくっていうのも良いですよね。順目は基本的にSOが見てくれているし、左右どっちが余ってるかを確認するときに基本的に人数の少ない逆目をチェックする方が順目の枚数を確認するより判断が速くなるし。基本的に逆目見てなかったら逆目に投げるのも難しいしね。」

AT SHのキックとWTBの連動

高校生「デクラークが常に裏見ているっていってましたけど、勝手に蹴ってるんですか?外からのコールとかではなく?」
古田「空いてたら勝手に蹴ってると思う。だからこそWTBはいつも対応できるように見ておかなきゃいけないね。」

AT ボックスキック後のSHのチェイスについて

高校生「ボックスキック蹴ったときにSHはチェイス行くのか後ろでキック処理した方がいいのかどっちですか?」
古田「チームによると思う。でも基本的には前に行くかな。後ろはFBとキック蹴ってないサイドのWTBが残ったりするから。」

AT キックゲームの考え方

高校生「早慶戦とかって蹴り合いになると思うんですけど、どう終わらせればいいんですか?」
古田「僕たちはボール持ってる方が有利だと思ってたから、自陣の10mを超えられるならATしようって考えてた。5mの良い位置にボールを落とし続けるのを意識してた。ただ、相手チーム次第でATしている方が有利なのかDFしている方がいいのかって言う問題はあるから、ゲーム中に判断していかないといけないね。」
高校生「どうやって判断するんですか」
古田「僕らは自陣からどのくらいATしてくるかでチェックしてたかな。まあでも基本的には高校生レベルではATした方が有利。まずはATしてみて判断かな。あとは、下手なWTBを見つけるっていうのもやってたかな。ハイパントを蹴ってみて処理が上手くできないようなら、そこを狙い続けるみたいな。そうすればエリア取りやすいし。」


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