2019 W杯準決勝 Wales(WAL) v Republic of South Africa(RSA)
https://jod.jsports.co.jp/p/rugby/worldcup/73909-V
00:30 DF キック処理の枚数
井坂「両チームともキック処理に4枚下げてますね。チームカラーというかプレースタイルとかがキッキングに比重がある両チームだからこそですね。
01:00 AT オープンハイパントというチョイスの多さ
岸岡「オープンハイパント好きですよね。失敗したらピンチだし、WALのBK3もキック処理いいのに。RSA自信あるのかなあ。」
03:43 DF デクラークから学ぶこと
古田「SHはデクラークの動き見た方がいいと思う。こういうラック際でちょこちょこ動いたり、チャージしに行ったりっていう動きがすごくいい。」
※08:14 アンブレラDF対策
古田「RSAはWTBがすごく上がるDFをしているんだよね。外が上がることでパスのコースを抑えるっていう意図でやっているんだけど、どうやっって攻略するのがいいと思う?」
中学生「バックドアを使う」
古田いいね。バックドアしっかり使えるといいよね。あとはわかりやすいのはキックパスがあるね。前に出てきてるから後ろのスペースが空いてるでしょ?他にはこのシーンで一回ヒットしてゲインを切ることで次のフェイズをチャンスにするとかもあるね。DFめちゃくちゃ上がってるから、次のセットするのに時間かかるんだよね。」
岸岡「あとこのシーン、WALは何気なくやってますけど、SOからじゃなく12から飛ばしパスしてるのがいいですよね。SOから飛ばしだったらDFが全員流して見れたんだけど、12に一回パスすることでDFは警戒して流しづらくなってますね。結果としてDFのWTBがパスで切られてるよね。」
15:30 AT アンブレラDFのデメリット
井坂「ここのAT、WALとNZLの大きい違いですね。WALはNZLと違ってバックドアだったりのオプションがいっぱいあるから外まで回しやすいですね。」
古田「そうだよね、オプションあると誰に詰めたらいいかわかりづらくなるもんね。これが詰めるDFのデメリットだよね。」
AT キックの意味
古田「インターナショナルの試合だとキックが多いんだけど、なんでキックをしてるかって考えた方が良くて。DFがお互い良すぎて、自陣にいることがリスクになるんだよね。だけど、高校生とかでハイパントとかがあんまり多くないのはATしてる方が有利だからっていうところはあるんだよね。インターナショナルレベルでキックをしてるから僕たちもキックをしよう。じゃなくて、なんでキックしてるのかを考えることが大事。」
井坂「このゲームだとFWが互角ですし、走らせたいっていうのも理由としてありそうですよね」
古田「SOとかSHだと味方のFWがどれくらい強いのかを考えて、特に前半だとキック多くしたりするね。」
27:00 AT 攻め疲れ
古田「SH目線の話をすると、ここでモールでゲインしてないじゃん?次のフェイズでもゲインできていない。なのにクイックでボールを出したから、味方がセットできてないんだよね。それでATがイージーにミスしちゃってる。SHとしてはゲインできてるかどうかていうのはチェックした方がいい。」
27:58 AT WALの裏のスペース
岸岡「このキックグラバーの方が良くないですか?」
井坂「左で半身入れてけれますね。」
古田「右でも早めに転がせそうじゃない?説明するとこのシーンBWTBが遅れてるんだよね。なのにFBがちょっと早く上がっちゃったから、裏のスペースが空いちゃってるんだよ。」
◎42:00 AT オープンハイパントの意味
岸岡「やっぱりオープン。あ、これってオープンサイドで相手がボールとったら折り返しFWじゃないですか?」
井坂「カウンターで抜かれるっていうのは想定してないんですかね。」
岸岡「そこは自信あるんじゃない?それよりも次のATを恐れてるのかも。」
古田「確かにそれありそうだね。」
岸岡「それがオープンに蹴る理由かなって今思いました。」
古田「中学生今の分かった?ラックの真後ろに蹴るとハイパントを取る側のATラインは真っ直ぐ帰るから、その後のATでBKを使えるから2次攻撃でチャンスになるんだよね。でも、オープンに蹴ると、取るのもオーバーするのもBKになるから、次のAT はFWしかいないから怖くないんだよね。
◎47:00 AT インターナショナルレベルのエリアマネジメント
古田「この人たちのレベルだと、22mあたりで初めてチャンスだって思うんだろうね。大学生とかだったらハーフウェイ超えたらチャンスって思っちゃうけど、インターナショナルだとDFが硬いから中盤でもまだチャンスじゃなくてキックをチョイスするんだろうね。」
52:00 AT アンブレラ対策のエキストラランナー
古田「こういうプレーはいいね。入れ違いのプレー。前に出てるDFにとっては反応しづらいよね。」
井坂「アンブレラだから外に抜けるようなコースで走ってるっていうのもすごくいいですね。」
53:55 AT SHのランコース
古田「SHのコースこれ面白いよ。アドバンテージもらってるしビッグゲインするかもしれないから、斜め前に走っていくっていうのが大事。ゲインできないでラックできても早く球出しする必要ないからね。」
中学生「神戸製鋼の日和佐選手もそういうコース通ってますよね。」
DF SHの仕事
井坂「WALのSH、今日DFで全然飛び出しませんね。」
岸岡「あれリザーブの選手じゃなかったっけ。」
井坂「そうでしたっけ笑。なんにせよWALのSHとデクラークは今大会の鬱陶しいSHランキング上位ですよね。」
岸岡「結局いいSHはDFの時に何できるかで決まるよね。仕事が増えて大変かもしれないけど、こういうプレーができるとかジャッカルできるとか何かしら欲しいね。」
※63:59 DF RSAのG前スクラムのDF
古田「RSAのDFミス?SOとしてはSHにあんまり前に出て欲しくないんだけど。」
井坂「こっちのサイドの8単潰したかったんでしょうね。結構いいDFに見えますけど。」
古田「8-9になってるじゃん?これ前に出なければ止められたんじゃないかな?」
井坂「これデクラークというよりFLじゃないですか?スクラムも止まってるし、デクラークがこれだけ時間稼いでくれてるならFL出てくれないと正直しんどいと思います。」
◎AT オープンハイパントについて
岸岡「オープンハイパントってエッジラックを作らせたいんじゃないんですかねやっぱり。この後は9シェイプでどうせハイパントになるじゃないですか。相手のオプションを絞ることが目的なのかなと。」
古田「確かにね。」
岸岡「まあ、オプション絞ったところでどうなんだっていうところではあるんですけど笑 普通に再獲得狙ってるのかな。」
70:26 ゲインできていないフェイズでのSHのテンポコントロール
古田「今、モールで停滞してもう一つラックできた時にWALのSHは逆目の FW見てるんだよね。追い付いてるかどうかちゃんと確認してて落ち着いてるいいSHだよね。」
◎71:00 AT G前継続かキックか
古田「このあたりすごい難しいね。」
井坂「蹴りたいですね。いやーでももうちょっと持っておいてもいいのかなあ。難しい。」
「蹴った方が良くない?ノットリリース取られそう。」
「見た感じ、そのリスク高いですよね。ドロップかど真ん中にハイパントですかね。」
75:50 DF BD形成位置でキックの方向を絞る
井坂「キックオフこれ真ん中ロングでいいんじゃないですか?RSAは蹴ってくるのが基本で、ここだとキックの距離稼げなくなるし。」
岸岡「いや、ここは端の方がいいんじゃない?真ん中にBD作らせるとどっち蹴ってくるかわからないけど、端に作らせれば蹴ってくる位置がある程度絞られる。ATしたいWALとしては蹴る場所を限定した方がストラクチャーみたいにATできると思う。」
◎79:50 DF スクラムでのSHの立ち位置
井坂「ここのWALのSHのDFめちゃくちゃいいですね。スクラムが回って、FLが止めに行きづらいサイドにしっかり残ってる。攻められたくないサイドの8単、8-9の選択肢を消せてる。」
古田「なるほどね、スクラムの加減でSHの立ち位置変えるの大事だね。そうなるとFRとSHがコミュニケーションすることも大事だね。どっちに回されそうかっていうのを事前に知っておけば動き出しも早くなるね。」
Q&A
※中学生「僕らの学年で今、スコットランドが日本に抜かれたシーンを見て「なぜ抜かれたか」「どうやったら止められたか」っていうのを話し合っていて、僕たちは自分たちのチームのDFシステムに拘りすぎると良くないって思ったんですけど、どうですか?状況にあったDFの判断が出来なくなる気がしました。」
状況:スコットランドはシャローDF
日本陣内ALL menラインアウト SH→SOとCTBでループ
古田、井坂「このシチュエーションだとシャローで前に出るのは危険だね。BKだけで55m使ってAT出来ちゃうし、DFは4人しかいない。」
岸岡「これ後ろの選手がどれくらい早く上がってくるかも大事ですね。もしチームとしてシャローの練習してて、BK3の連携が上手く取れるならこっちもありだと思う。」
井坂「要はシャローしてタックル出来るであろう位置と、ドリフトしてタックル出来るであろう位置のどっちが前かっていう問題ですね。」
岸岡「そうそう」
◎AT T.O後SHは裏に蹴るか、味方にパスか
井坂「うーん、ざっくりいうとチーム次第になっちゃうね。基本的に裏も外も空いてるからどっちを選んでも正解。」
岸岡「チェイスの指示なしでキックすると危ない。外に投げるのもそう。味方の声を聞いてから判断しないと誰も反応できなくて逆にピンチになるから。最終判断はSHがするけどね。」
古田「後は天気とか相手との力関係も大事だね。例えば雨だったらキックがファーストチョイスになると思うし。」
井坂「試合前に共有できてるといいね。明日の試合雨になりそうだからキックにするよって共通認識持ってるだけでもだいぶ変わると思う。」