W杯 Pool A Japan(JPN) v Scotland(SCO)
https://jod.jsports.co.jp/p/rugby/japan_rugby/86678-V
AT JPNのSOの立場
井坂「JPNはSOを完全にフリーにして好きなようにさせる方針なんですかね?どういう風にATの意思決定をしてるか気になりますね。」
岸岡「試合によるよね。ブラインドばっかり攻める時もあるし。」
高校生「ブラインドを攻めるのは、オープンに攻めるからこそ空くっていう考えがあるんですが、ブラインドを執拗に攻めるのはどういう意図があるんでしょうか?」
井坂「逆目をしつこく攻めることで1サイドにDFを寄せて、外のスペースを広くしたりするっていうのがメインの目的かな。」
17:00 AT ラインアウト後ろピール
井坂「僕こういうの好きなんですよね。一番後ろでとって後ろピールでBK巻き込んで順目ATっていう流れ。」
岸岡「そのあとのフェイズ、ラファエレ選手かな?オプションになれてなくて勿体無いね。」
井坂「意思疎通が取れてなかったんですかね?誰からショートで貰おうとしてたのか、オプションとして微妙ですね。」
25:07 AT ラインの深さ
高校生「ラファエレ選手が突っ込んで来た時にその外の二人が浅すぎる気がするんですけど、これは深くした方がいいと思いました。外で作ればFBが上がってくるし裏空くと思うんですけど、このATどうですか?」
岸岡「いい視点だね、外に運べれば裏空くよね。こういうのって結局チームとして何に優先順位を置いてるかだよね。ポッド崩れても良いなら一回当てて順目行ったりとかでも全然いいと思う。問題はここに作ったあとの目的が何かだね。僕の場合はこのシーンは外まで飛ばしパスするけど笑」
AT キックを蹴らない理由
高校生「JPNが前半一回蹴ったか蹴らないかだったんですけど、その意図としてはSCOにボールを渡したくないってことだったんですかね?」
井坂「SCOにボール渡すとG前のコンテストキック蹴ってきたりして厄介っていうのはあったかもね。あとはシンプルにボールキープ出来るし、ゲインできるからポゼッション保っておけばスコアできるっていう目算もあったんだろうと思う。」
59:40 AT G前でSOはどこを見るか
高校生「流れ悪くて20フェイズ重ねてる状態でBDがタッチラインよりの時はSOとしてオープンサイドの裏は常に見た方がいいですかね。」
岸岡「そうだね、絶対見た方がいいね。僕はG前でトライってFWでとるかキックパスしかないと思うんだよね。15mより外のスペースとBKがトイメンとミスマッチが作れてるかを確認してる。」
高校生「キックの判断はSOの目視からっていうことですね。」
岸岡「もちろん自分で見るけど、WTBからどう見えるかっていうのも言って欲しいから要求するけどね笑」
64:43 DF キックチェイス
井坂「ここのキックチェイス面白くないですか?」
岸岡「キックチェイスに面白いとかある?笑」
井坂「ちょっと長めのコンテストキックでパスされる余地があったところを上手くパスコース塞いでるように見えたんですけど、違いますかね?」
岸岡「偶然なっちゃったようにも見えるけどね」
井坂「だとしたらチェイス下手じゃないですか?笑」
68:00 AT BDを作る位置
井坂「SCOはBDを作る位置がめちゃくちゃいいですよね。」
岸岡「いいよね」
井坂「ベーシックなことですけど意図を持ってBDを作ることを徹底されるとDFは大変ですね。」
72:41 AT キックカウンター
高校生「今のSCOがキャッチした時、右サイド空いてると思ったんですけど、JPNの開きが早くてスペースなかったんですね。」
井坂「逆に開くの早くて左サイドが空いてたね。」
78:00 AT 敵陣G前でのキックの判断
高校生「ああいうキックは自分勝手だって先生が言ってたんですがお二人はどう思いますか?」
岸岡「結局トライとればヒーローだって考え方とかが海外にはあると思うんだよね。トライのためだけのキックだと自分勝手かもしれないけど、いろんなことを考えての判断だったらなんとも言えないね。例えば80分のゲームを意識して、序盤に一回裏へのキックをやっておくとBK3の上がりが遅くなってくると思うし。そういうことまで考えているならいいよね。あとは時間帯とかね。このシチュエーションは他にやりようがあったと思うけど。」
高校生「先生が言うにはJPNのWTBがチェイスのポジショニングできてなかったのと、DFが裏に2枚いたから蹴らない方がいいっていう感じでした。」
井坂「実際その判断はその通りだよね。特にSCOの場合はボール持っていればトライできる確率は高かっただろうし。ただ、一概に自分勝手だって批判はしたくないかな。結果的に長過ぎたけど、相手を背走させられてるし、再獲得できなくても敵陣G前5m。さすがに脱出のキックを蹴るだろうからマイボールラインアウトでリスタート出来る。ストラクチャーしかもラインアウトからのATが出来るわけだから、ある意味チャンスかもしれない。まあこの時間にやることではないとは思うけど。」
DF FWフェイズのサポートプレーヤー対策
高校生「最後のJPNがFWフェイズで時間を稼いでるところでSCOのタックラーがATのサポートプレーヤーに体を当ててたんですけど、それはキャリヤーを孤立させるためですか?」
井坂「うん、そうだね。他にも、ATのサポートプレーヤーはキャリヤーがダブルタックルを受けないように体をダブルタックラーとキャリヤーの間に入れるっていうプレーを戦術的にするようになってるから、それの対策だね。間に体を入れられるとBDコンテストするのが難しくなっちゃうからね。」
AT 逆目を使う判断
高校生「うちチームのポッド配置はJPNと近いんですけど、うちの課題としてブラインドとか逆目を使う判断が下手なんですけど、JPNもそこまで整備されてないように見えました。実際お二人はどう思いましたか?」
岸岡「うーん、順目を使った方が効率的に見えるシチュエーションで逆目っていうシーンはあったね。もう少しフェイズ少なくATできるとは思った。毎回スペースに効率的にボールを運べてるわけではないかな。」
井坂「もちろんフェイズを重ねれば重ねるほどT.Oされる可能性は上がるかなと思うけど、そのフェイズでの大目的がゲインだったかどうかっていうところもあるから難しいね。例えば逆目をあえて多く使うことで、DFの順目へのセットを遅くさせるっていう布石かもしれないし。」
AT 1331ポッドのポジショニング
高校生「1331でやっていく上で真ん中のポッドは15mと15mの間にいろって言われるんですけど、常にその方がいいんですか?」
岸岡「基本的にはそうだね。ただ、端の折り返しで9シェイプして、そのあと逆目を攻めるってなった15mの幅を端のポッドの選手で攻めることになるよね?意外とそれって狭くてうまくいかない事もあるから、15mを守り続けなきゃいけないってわけではないと思う。」
井坂「よく20mとかって言われたりもしますよね。逆目のオプションを感じさせられる幅っていう考えでいうと。ただ、こういうのってチームによるんじゃないかな。例えば3人のポッドを真ん中に寄せてDFを真ん中に寄せて外に展開するチームもあるし。ポッドはあくまでも理想的なシチュエーションを作る手段だから、自分たちの強みが出るシチュエーションを考えてそこから逆算してポジショニングを考えてみてもいいんじゃないかな?」
高校生「早稲田ラグビー戦術研究会さんのTwitterで明治大学の9シェイプがBDが遠くて良いって見たことあるんですけどそれはどういう意味ですか?」
井坂「ただでさえFWが強い明治がDFがタイトなエリアよりも外でヒットしてるから普通よりも大きくゲインできるし、DFが順目に回るのが大変になるから次のフェイズでいいATしやすいなあっていう意味だね。ごめん説明不足なツイートだった笑」
AT エリアマネジメントについて
高校生「エリアマネジメントについて質問です。岸岡さんはnoteでエリアを牛耳るって言うことを書いていたと思うんですけど、どういう意味ですか?相手に深くで蹴りださせることが牛耳るって言う意味でしょうか?」
岸岡「結果的に蹴り勝ってるっていう状況のことをそう表現してるかな。常に自分からキックを蹴るわけではなくて相手スタートで始まることもあるわけだから、相手の出方次第でキック蹴る方がいいのかカウンター行ったほうがいいのかって変わってくると思うし、結果論的な部分はある。ただ、結果的に勝てるようにしなきゃいけないね。」
高校生「そのための組み立てをしなきゃいけないってことですね。タッチキックを蹴って陣地を取ることが全てじゃないってことですね。」
岸岡「そうだね。」