大学選手権準決勝 明治大学v東海大学

AT カウンターでFBが見る場所

大学生「僕はFBなんですが、岸岡さんもFBやってたと思うんで聞きたいんですけどキックカウンターでまず最初にどこを見ますか?」
岸岡「どこかを見るっていうよりもオプションは自分がいる位置で決めてるかなあ。チームの決め事でハーフウェイを超えれるならATしようとかあったからね。ただ、最優先で裏は見る。裏空いてなくてチェイスも来てるならハイパントかな。パスするときは外側の声を聞いてからの判断かな。優先順位としてはロングキック>ハイパント>ランみたいな」
大学生「オープンに攻めるときは基本味方発信ということですね?」
岸岡「うん。自分の外の人が帰ってきててもその外が帰ってきてないとかあるからね。」

14:59 AT 真ん中へのハイパント

大学生「キックを取ってからハイパントでリターンする時に真ん中に落とすのってどうなんですか?僕はあんまりよくないと思うんですけど。」
井坂「取れなかったらピンチだからあんまり好きではないかなあ。相手ボールになった時、真ん中にBDができるから相手は両サイドAT出来るっていう。」
岸岡「DFできる自信があればいいんじゃないかな。このシーンだと東海が競り勝ってるからキャッチ出来てればトライに繋がるんだよね。明治のFW戻れてないでしょ?」
井坂「あと、ここだったら人がいないっていうのはありますよね。相手はロングキック対策でポジショニングしてるはずだから。」
大学生「ハイパントなら勝てると思ったから切り替えたっていう感じですか?」
井坂、岸岡「というよりもロングキック合戦から逃げたっていう感じかな?明治のキッカーいいし」
大学生「明治って山沢、雲山のキックが飛ぶから早稲田は大学選手権の決勝でハイパント多めにしてたんですか?」
岸岡「自分が蹴り負けるイメージはなかったけど、FWがしんどいからハイパントで相手のFWを疲れさせたかったんだよね。そっちがメインの狙いかな。」

DF ブラインドサイドのプレッシャー

大学生「僕は最近試合を見ててブラインド側上げてないのは何故かなって思うことが多いんですよね。そのせいでブラインド抜かれたりしているシーンとかもあるので前にあげた方がいいと思うんですけど、何が正解ですか?」
井坂「SHのスタンス見てれば順目に投げるなあって分かるし、そもそも抜かれてるときはスペースに対して人数が足りてないのが原因だと思う。前に上がることより次のフェイズのセットを優先してるんじゃないかな。」
岸岡「こういうのって正解ってないんじゃない?ブラインドサイドで止めるってことを目標にするならなんでもいいんじゃない?いつでもT.O狙えるわけではないから、ブラインドは止められれば前に出る必要性もないかなと思う。止めれば次はエッジラックになるから前でれるだろうし。」

AT SOが浅くポジショニングする意味

大学生「JPNの田村選手ってよく浅い位置でボールをもらってた思うんですけど、SOが浅くもらうメリットってなんですか?」
岸岡「まず一つの理由として、浅くもらった方がゲインラインに近いからゲインしやすいっていうのがあるね。で、2つ目なんだけど、DFしてて相手が浅かったらどう?」
大学生「嫌です」
岸岡「だよね。DFで前に出たらワンステップで入れ違いで抜かれちゃうよね。ATは止まってるからどっちにもステップきれるからかわしやすいんだよね。その代わり自分からのパスのタイミングでDFに詰められたりもするから駆け引きだね、この辺りは。」
井坂「DFのラインスピードをコントロールするのがメインかなと思います。入れ違いで抜けるということをお互いが理解しているとDFは迂闊に前に出られないので、この時に味方を勢いよく走りこませればインパクトで勝てたりとかもできるし。」
岸岡「そうだね。相手が近い時の方がDFって出にくいんだよね。スピードにも乗れないし。ただ、これで前に出にくくなるのは自分の外のDF3人くらいまでで相手のWTBとかは上がれちゃうから外まで回すのは難しいんだよね。外に回したい時は深く立ったりするとか色々工夫が必要だね。」
大学生「ドリフトDFされたくないときは自分が浅く立ったりっていうイメージですか?」
岸岡「場合によるね。例えば深く立ってしまった場合、思ったより前のフェイズでゲインした場合は少し長めにボールを持つことにしてる。それによって相手をコミットできるから。」
井坂「DFがコミットされてる状況って『タックル行かなきゃ』って思ってる状況だと思うんだよね。で、こういうのってタックルレンジに入ったかどうかくらいの位置にいる時に起きると思う。だから深く立ってもタックルレンジまで行けばコミットできる。浅く立つのは最初からタックルレンジ近くに行けるっていう部分がメリットだよね。」
大学生「数的有利の時は浅く立ったりしますか?」
井坂「ケースバイケースだよね。」
岸岡「3人くらい余ってるなら深くてもいいだろうし、2v1とかだったら浅い方がいいかもだろうし一概にこれっていうのはないかな。」
井坂「外まで回すためのパス数も関係してきますしね。この辺りは練習して感覚を掴むしかないかもしれない。」

AT 深い位置にいる選手へのパス

大学生「深い位置にいる味方にパスする時にボールが浮いたりするんですが、どうやって改善したらいいですか?」
岸岡「フォロースルーが後ろに行ってるんじゃないかな。後ろに投げるって意識が強いんだと思う。基本的にパスはどこ投げるにしても体の向きを変えて同じ投げ方すればいいんだよね。ただ、後ろ向いて投げるってことはDFに流されやすくなるから、浅く立ったりして相手をコミットすることが大事だね。」
大学生「前向きながらパスを投げろって言われることが多いんですけど、岸岡さんはあんまり前向いてないんですか?」
岸岡「前向いてないね。ただ、タックルしなきゃって思わせられるくらいには相手の目を見てるよ。一瞬でいいよ。この時に相手と目が合わないならパスダミーで抜きに行けばいけばいいと思う。」
大学生「正面のDFをずっと見るって感じですかね。」
岸岡「いや、パスする投げる先のトイメンを見てるね。DFが前に出てきてるならパスしたらドンピシャでタックル食らうと思うし、そのDFが自分のこと見てるならパスすれば抜けるし。」

体重とパフォーマンス

大学生「僕らのチームは体が小さくて食事管理をしているんですけど、岸岡さん体重尾を増やすにあたって何を意識していますか?」
岸岡「大学1年生の時はとりあえずいっぱい食べてた笑 入学時から体重5kg増やさないと試合出さないって言われたんだよね笑」
大学生「米中心ですか」
岸岡「もちろん米も食べてたけど、早稲田の食事って管理されてるからバランス良くおかず多めで食べてたね。ここで考えて欲しいのは、体重を増やせば勝てるのか?っていうところなんだよね。BKとかは体重増えて足遅くなるなら良くないかもしれないし。しかも体重が重ければ強いってわけでもないしね。ベストパフォーマンスを出せる体重が一番いい。」


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