Game-based approach とは何か?

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はじめに

Game-based appraoch(以下、GBA)はドリル練習の割合を減らし、可能な限りゲームの中で、

[チーム戦術]
チームで採用するAT・DFのフォーメーションやシステム

[グループ戦術]
2人以上の選手が協力して行うプレーを指しており、ラグビーを例に挙げると2vs1の局面での突破など

[個人戦術]
ボールを持った時に相手を躱すスキルやボールをもらう前の情報取集能力、DFではタックルスキルなd

これらをゲームの中で学習できるようにすることが目的です。

集団の球技スポーツでは、個人が高いレベルのスキルを発揮すれば、勝てるわけではありません。遭遇した状況に応じて、仲間が連携し、一つの生き物のように動けなければなりません。

スポーツのゲームもコーチングと同じように、構造化された即興であり、遭遇した状況に応じて自分たちを適応させ、対処することが求められると思います。

ゲームやスポーツは動的で複雑に変化する環境であり、2度と同じ状況は起こりません。選手たちは複雑に変化する環境の中でパフォーマンスの発揮が求められます。

そのため、ゲームでより良いパフォーマンスを発揮するためには、練習から”ゲームのような環境”で練習を行う必要があります。通常のルールでゲーム練習やSSGを行えば良いというわけではなく、”ゲームのような環境”ということを強調しておきます。

”ゲームのような環境”の中で、状況に関する知識戦術的な気づきスキル遂行能力などの習得を目指して練習していきます。これらの能力を獲得していくためには、修正されたゲーム・課題が誇張されたゲームを通じて練習を行っていきます。

状況に関する知識とは何か?

状況に関する知識とは、ゲームの中である状況に遭遇した時に、どのようなスキルを選択すれば良いか、どこを見れば良いか、もしくは、遭遇した状況から相手の次のプレーを予測して対処できる、などのゲームをうまく進めるために必要な知識のことを指しています。これらの知識というのは、文脈に依存しているためドリル練習では身につける事が難しい知識だと言われています。そのため、できるだけゲームと同じような状況を練習の中から作ることが大切なことだと思います。

戦術的な気づき

育成年代の多くのスポーツ現場で起こりがちなことは、選手の能力任せのゲームになっていたり、身体能力が優れている子、体格が優れている子がゲームを独占してしまうことだと思います。ゲームを独占するとは、身体能力が高い子にボールが集まり、戦術的な意図がなくゲームが展開されていくことを指しています。そのようなゲームは、プレーに再現性がなく、戦術的な高まりもないので、相手チームの戦術に応じて自分たちのチームの戦術を微妙に変化させたりする事は難しくなると思います。そのような戦術的な気づきを身につけるためには、練習からトレーニングする必要があると私は考えます。練習の中でさまざまな状況を経験することで、どのように対処すれば良いか、相手のアタックやディフェンスはどのような特徴があるのかを気づく事ができ、対処する事ができるようになります。

スキル遂行能力

ドリル練習では上手くできていたのに、ゲーム形式やゲームの中では上手く発揮する事ができないスキルは、試合で使えるスキルとは言えません。試合で使えるスキルを身につけるためには、”あるスキル”を発揮しようとした時に上手くいかないように邪魔しようとしてくる相手がいなければなりません。

”ドリル練習にも相手はいる””プレッシャーはかけられる”、という声が聞こえてきそうですが、ドリル練習というのは「ヨーイ・ドン」の合図で練習が始まります。そこがドリル練習の問題で、実際のゲームの中では相手は待ってくれませんし、「ヨーイ・ドン」では始めません。自分がセットした状態からスキル発揮をするのと、何が起こるかわからない状況の中で、瞬間的に状況を把握し、その状況にあったスキル発揮のどちらが難しいか考えた時に、圧倒的に後者だと思います。

そのため、ラグビーのオフロードパスやジャッカル、サポートプレーというのも、それらが必要になる環境を整えてあげる事が大切になると思います。そのような環境を修正・課題が誇張されたゲームの中で発生させて練習することで、どのような状況の中でもスキルを発揮する事ができる、”センスがある選手”を育てる事ができるのではないでしょうか。

おわりに

今回はゲーム中心という練習が、どのようなアプローチ方法で何を狙っているのかということについて説明させていただきました。上記のスキルを練習で獲得していくためにも、コーチは学習環境を整えていく必要があります。学習環境を整えていくためには、修正されたゲーム・課題が誇張されたゲームを通じて練習を行うことが重要になります。ゲーム中心の練習を行う上で、これらの考え方は押さえておきたい部分であると思います。

〜追記〜
スキルがなぜゲームに必要なのかと考えたときに、スキルとは発揮したいから発揮するのではなく、遭遇した状況をより良くしたり、解決したりするためにあります。もちろん、ステップやバックフリップパスなどは発揮したいから発揮しても良いのですが、状況に不適切なステップやバックフリップパスをしても効果的に良い影響を与えられるかは考えにくいです。

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