ラグビー、パシフィックネーションズシリーズ、フィジー代表注目選手

ここまでパシフィックネーションズシリーズ2連勝中のフィジー代表。最終戦の日本代表とのゲームには現状のベストに近いメンバーを編成してくることも予想される。本稿執筆時点ではメンバー発表はまだ行われていないが、日本代表にとって脅威となりうる選手に注目してみた。

ワールドクラスがズラリと並ぶバックスにどうしても注目が集まってしまうが、フォワードも状態を上げてきている。今や世界最高の選手の1人となったボティア(ロシェル)はセンターとのハイブリッドでもあり、力強さに走力も兼ね備えている。最大の特徴である密集での働きは世界最高クラスで流れを変えるターンオーバーを連発する要注意の選手。少しのサポートの遅れでも命取りとなる。

ボティアと並び好調を維持しているのはバックローのトゥイスイ(グロスター)とマタ(エディンバラ)の2人。ともに強烈なキャリーは健在で、状態を上げつつある日本のディフェンスが大きく試されることになる。経験豊富なヤト(クレルモン)のワールドカップ辞退の影響を感じさせない充実のバックローに仕上がっている。

フィジーはここまで対戦したサモア、トンガと比べるとセットピースも安定している。フロントローにはサラセンズで大きく成長を遂げているマウィ、経験豊富なマタヴェシ(ノーサンプトン)、サモア戦で2トライのイカニヴィリ(ドゥルア)など実力者が並び、スクラムは順調な仕上がりを見せている。ドライビングモールも有効な選択肢の一つであり、レッドゾーンにおける日本代表の集中力が試されることとなる。

バックスは多くのタレントが並ぶことが予想されるが注目はケイレブ・マンツ(ドゥルア)のゲームメイク。出場すれば3キャップ目となる売り出し中の彼は、ここまでの2試合でもフィジーが誇るワールドクラスのランナーたちとの密接なリンク、積極的なタックルなど攻守ともに安定したパフォーマンスを見せている。フィジアンドゥルア所属で多くのメンバーと時間を共有しているのも非常に大きいだろう。フライハーフの人材不足が続いていたフィジーに現れた希望の光。ワールドカップに向けても注目の選手である。
※ローテーションでテラ(ドゥルア)、ヴォラヴォラ(ラシン92)が10番を着ける可能性もあり

その他バックスはワールドクラスのランドランドラ(リヨン)、ベテランのナヤザレヴ(トゥーロン)など誰が出てきても破壊力満点だが、その中でも特にボディトゥ(カストル)には気をつけたい。華麗なランで好機を演出する東京オリンピックセブンズの金メダリストはワールドカップのスター候補。日本にとっては安易に彼にボールを渡さない適切な蹴り分けも必要となってくる。

ここまでパシフィックネーションズシリーズでは後半の失速がやや気がかり。ベンチに控える選手のエナジーも重要な要素となる。ベンチに誰が名を連ねるかにも注目したい。

※ボティアとマタは来日せず(2023年8月2日23時追記)

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