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海外ラグビー情報(6/26)

海外ラグビー情報6月26日版です。
ワールドカップに向けた各国の陣容が見えつつあります。

各国代表スコッド発表

フランス代表

フランス代表ヘッドコーチのファビアン・ガルティエがワールドカップに向けたトレーニングスコッド42名を発表した。ノンキャップはエミリアン・ゲイユトン(ポー)、ルイ・ビエル=ビアレイ(ボルドー)、トマ・ラクライヤ(オヨナ)、ポール・ブドゥオン(ロシェル)の4名。ゲイユトン、ビエル=ビアレイは23日に開幕したワールドラグビーU20チャンピオンシップには参加せず、7月2日からモナコで行われるキャンプに合流する。

ノンキャップ組の注目にはゲイユトンを挙げたい。U20代表のキャプテンも務めたゲイユトンは昨季(2022/23)攻守両面で素晴らしい活躍を見せ、トップ14の最多トライスコアラーにも輝いている。センターだけでなくウイングでもプレーできる彼はランニング能力が非常に高く、相手の裏に出る初速、思い切りの良さが魅力。今年のシックスネーションズでもスコッド入りしていたがキャップは獲得しておらず、初キャップ獲得に向けトレーニングキャンプを通してアピールしたい。

またトマ・ラクライヤは昨季(2022/23)PRO D2を制しトップ14行きを決めたオヨナから選出されており、唯一二部リーグから選出された選手となっている。

その他サラン(トゥーロン)、デュラン(ロシェル)の代表復帰も話題となっている。ともにユーロのコンペティションを制したチームの中心として充実のシーズンを送った2人の力をガルティエは必要とした。21年のシックスネーションズ以来のキャップ獲得となるか。

フォワードはアルドリット(ロシェル)、バイユ(トゥールーズ)、フラモン(トゥールーズ)など安定の布陣。機動力、推進力、破壊力を備えた超強力な選手たちが揃った。怪我からの復帰を目指すジェロンシュ(トゥールーズ)が間に合うかどうかも大きく影響を与えそう。

バックスはキャプテンのデュポン(トゥールーズ)を中心に豪華な布陣。ハーフバック、センターと最終的な陣容が見えつつある一方で、アウトサイドバックスは激戦区。全体的に複数ポジションに対応出来る選手も多く、33人という限られたスコッドのことも考えるとやはりユーティリティな選手が優位となるだろう。

若く才能のある選手を積極的に招集するガルティエの姿勢はイングランドのヘッドコーチとして2015年のワールドカップを戦ったスチュアート・ランカスターを思い出させる。 ランカスターが若い選手を積極的に起用して種をまいた結果が19年の準優勝、現在の中心選手の活躍に繋がっているように、今年のワールドカップ後もフランスの安定はまだまだ続きそうだ。

オーストラリア代表

ワラビーズヘッドコーチのエディ・ジョーンズはザ・ラグビー・チャンピオンシップ(以下TRC)に臨むノンキャップ8名を含む34名のスコッドを発表した。

マイケル・フーパー(ワラターズ)とジェームズ・スリッパー(ブランビーズ)の2人のベテランが共同キャプテンとしてチームを引っ張る。

海外に拠点を置く選手の選出を従来の3名から5名まで増やす許可を受けたことに伴い、ノンキャップのリッチー・アーノルド(トゥールーズ)が選出されている。その他のノンキャップの選手はカーター・ゴードン(レベルズ)、ケメニー(レベルズ)、フーパー(ブランビーズ)などSRでの状態の良さを評価された選手が多い。

優秀なキャリアーであるハリー・ウィルソン(レッズ)の落選がひとつ大きなニュースではあるが、拡張トレーニングスコッドとしてディフェンスを見つめ直す機会を得た。またロレシオ(ブランビーズ)も落選し、代わりにゴードンが入る形となった。個人的に期待しているチャーリー・ギャンブル(ワラターズ)も拡張スコッド入りし、ワールドカップへの望みを繋いだ。

120キャップを超えるレジェンド2人が引っ張るフォワードはトム・フーパー(ブランビーズ)やフェズラー(レッズ)などSRで状態の良かった選手が複数選ばれる中にトップ14からワールドクラスのスケルトン(ロシェル)が加わることでスコッドに深みが増している。一方で10キャップ以下が9名と経験的には若いスコッドでもある。TRCを通して新旧の戦力が上手く噛み合い、ワールドカップに向けて勢いをつけることが出来るか。

バックスはフライハーフの争いに注目が集まる。経験のクーパー(リーグワン)、エディ期待のゴードン、ユーティリティのドナルドソン(ワラターズ→フォース)の誰が10番を着けるか。また評価を高めているトム・ライト(ブランビーズ)がTRCを通して一気にワールドクラスに駆け上がることが出来るかにも注目したい。

ドナルドソンの選出やバックローのケメニーにウィングでの出場を求めるなどコントロヴァーシャルな選考も複数あるが、その分革新的なEJのラグビーがより楽しみでもある。

アルゼンチン代表

アルゼンチン代表ヘッドコーチのマイケル・チェイカがTRC、ワールドカップに向けた48名のスコッドを発表した。キャプテンはレスターのフリアン・モントージャが務める。

バックスの注目はマテオ・カレーラス(ニューカッスル)。昨季のプレミアシップで素晴らしい活躍を見せたウィンガーはテストレベルでも状態の良さを維持することが出来るか注目。また、サンティアゴ・カレーラス(グロスター)にかかる期待も大きい。昨季は十分なゲームタイムを確保できなかったが、試合を経るごとに特別な存在であることを証明していた彼は10番を着けてチームを引っ張ることが予想される。

フォワードは着実にキャップを積み重ねてきた大駒たちが円熟期を迎えている。マテーラ(リーグワン)、アレマノ(グロスター)、ラバニーニ(クレルモン)らスコッドの選考自体は安定と言える。キャプテンのモントージャ(レスター)を中心に最大の課題である規律を守りながらバックスに好機を届けたい。
※クレマー(スタッドフランセ→クレルモン)は5試合の出場停止処分を受けているためTRCは出場不可。

ワールドカップに向けては現スコッドから15名が外れる。若手だけでなく、イサ(トゥーロン)、コルデーロ(ボルドー→コナート)などのスター選手がスコッド入りを果たせるかにも注目したい。

その他最新情報

○ロンドン・アイリッシュ移籍情報

  • オーストラリア代表キャップも持つオリー・ホスキンズがサラセンズと契約。

  • イングランド代表のトレーニングキャンプにも参加しているウィル・ジョセフがハーレクインズと契約。

  • チャンドラー・カニンガム=サウスがハーレクインズと契約。現在開催中のワールドラグビーU20チャンピオンシップにも参加している期待の選手。

  • サモア代表のトレーニングスコッドにも招集されているソオタラ・ファアソオがトップ14のペルピニャンと契約。

  • ローリー・ジェニングスがニューカッスルと契約。複数ポジションを高い次元でこなす貴重な選手。

  • トム・コリンズはイーリング入りとの情報。ノーサンプトンを離れ来期からロンドン・アイリッシュに加入予定だった。

○オーストラリア代表キャップも持つレッズのフィリポ・ダウングヌがレベルズへと移籍。

○ウィル・ハリスがワラターズからフォースへと移籍。ダイナミックなNO.8の到着は補強を進めるフォースにとって非常に大きい。

○エディンバラの前ヘッドコーチのマイク・ブレアがリーグワン神戸のアシスタントコーチに就任へ。グラスゴー時代の同僚デイヴ・レニーと再びタッグを組む。

○ワールドラグビーが元アイルランド代表としてワールドカップにも出場したジャーン・クレインの南アフリカ代表資格を正式に認める。昨季(2022/23)マンスターのURC制覇に大きく貢献したクレインの加入はボクスに大きな影響を与えそう。

○フランス代表としてワールドカップ出場を目指したオーストラリア出身のエマニュエル・メアフーの代表資格は現時点では認められず。来年のシックスネーションズから出場可能に。

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