海外ラグビー情報(7月22日版)
ワールドカップまで残り50日を切り、各国のワールドカップに向けた歩みは最終局面へと移ろうとしています。ウォームアップゲームを中心に各国の現在地を探ります。
ウェールズ代表
ウェールズ代表HCのウォーレン・ガットランドがトルコで行われるトレーニングキャンプに参加する43名を発表した。
ファレタウ(カーディフ)、ジョニー・ウィリアムズ(スカーレッツ)、ジョー・ロバーツ(スカーレッツ)、オーウェン・ウィリアムズ(オスプリーズ)、アレックス・カスバート(オスプリーズ)の5名は今回発表されたキャンプへの参加メンバーには入っていないが、ワールドカップに向けては引き続き選考可能となる。
新しいキャプテンの選考やスコッドの仕上がりが気になるウェールズ。ウォームアップゲームが非常に楽しみである。
トンガ代表
7月14日、トンガ代表の対オーストラリア代表初勝利50周年を記念した試合がトンガで行われた。代表資格の変更によりビッグネームが並んだトンガ代表、オコナー(レッズ)やフォーリー(リーグワン)など実力者も複数揃ったオーストラリアAの対戦には大きな注目が集まった。
このゲーム、トンガはビッグネームだけでなくハヴィリ(モアナパシフィカ)やフナキ(モアナパシフィカ)などのSR勢も躍動した。ハヴィリは優秀な左足、フナキはディフェンス面でチームの先頭に立ち勝利に大きく貢献した。世界最高の選手の一人であるピウタウ(リーグワン)も爆発的なランニングを見せるなど好調をアピールし、新旧戦力の充実ぶりを印象づけた。
この試合はワールドカップに向けたウォームアップゲームということだけではなくオーストラリアとの記念試合ということもあり、実力者揃いの相手にしっかりと勝ち切れたことは彼らにとっても非常に大きいだろう。
ビッグネームとSR勢の力が噛み合いいつつあるトンガ。セットピースと個々のリンクがより洗練されるとワールドカップでも有力な候補にもなり得る。
今週末のゲーム
日本代表ーサモア代表
オールブラックスXV相手に連敗は喫したものの新戦力の台頭など明るい話題も見られた日本代表と代表資格の変更により複数のビッグネームのデビューを見据えるサモア代表の対戦。ここではサモア代表の注目選手を中心にお届けする。
サモア代表は楽しみな選手が多く揃った。まずは超大型No.8のファアソオ(ペルピニャン)の突破力に注目したい。この試合がテストマッチデビューとなる彼だが、クラブレベルでは着実に名を揚げてきており、今後テストレベルの主役となる素質は十分。日本の勤勉なバックローが彼にどのように対抗するかは大きな注目点となる。
バックスではスーテニ(ラ・ロシェル)も警戒したい存在である。アタックにおける豊富なスキルセットを武器に、あらゆるスペースを最大限に活かしながらウィンガーと密接にリンクすることができる彼は、ラ・ロシェルのチャンピオンズカップ制覇にも大きく貢献した。個人的にはワールドクラス入りもそう遠くないと感じる存在。彼に気持ちよくプレーさせてしまうと日本は確実に窮地に近づくこととなる。
発表された23名は決してベストの編成とは言えないが、クラブレベルで着実に力をつけてきた選手が多く揃っており、日本にとっては全く気の抜けない相手となる。
代表資格変更により招集されたリアリーファノ、ファウムイナの2人のビッグネームのデビューも予定されるこのゲーム。ワールドカップの前哨戦として両チームがどのようなゲーム運びを見せるか。フィジカルバトル必至。
フィジー代表ートンガ代表
代表資格の変更によりビッグネーム複数をスコッド入りさせている両国の対戦は非常に大きな注目を集めそうだ。
ホームのフィジーはノンキャップ4名をメンバー入りさせている。その中でも注目は10番のケイレブ・マンツ(ドゥルア)となる。フィジーにとってハーフバックスの固定は重要なテーマであり、テラ(ドゥルア)、ヴォラヴォラ(ラシン92)の有力候補2人に新たな選択肢が加わるとフィジー代表にとって非常に大きな収穫となる。
またワールドクラスのボティア(ラ・ロシェル)はゲームの流れを変える才能を秘めており、ワールドカップに向けても要注目の選手となる。トンガ代表はブレイクダウンで適切に対応したい。
一方のトンガは先週のオーストラリアAとのゲームからスタートの4名を変更してきた。好調をアピールしたフナキ(モアナパシフィカ)やイニシ(モアナパシフィカ)などのSR勢にピウタウ(リーグワン)やヴァエア・フィフィタ(スカーレッツ)などのビッグネームも加わり、ワールドカップに向けた歩みを進める。
注目は10番を着けるマウシア。バックスにタレントが揃うトンガにとってキャプテンのタクルア(モントワ)とともにゲームに芯を通す存在は非常に重要となる。ハヴィリが一歩リードするフライハーフの争いの中で優秀な左足でアピールすることが出来るか。
先週のゲームでは後半に「相手の時間」を長く与えてしまったトンガ。80分間を通した「勝つためのゲーム運び」にも注視しながら観戦したい。
その他最新情報
〇タナ・ウマンガが来季モアナパシフィカのヘッドコーチに就任へ。
〇スチュアート・ホッグがワールドカップを待たずしての引退を表明。
〇ドラゴンズがカイ・エヴァンズとの契約を発表。ウェールズ代表のキャンプにも招集されている期待の選手。
〇ハイランダーズがテイモスィ・タヴァタヴァナワイ、元ウェールズ代表のリース・パッチェルとの契約を発表。
〇ワラターズのハリソン・ゴダードがブランビーズと契約へ。
〇南アフリカ代表のレジェンド、フランソワ・ステインが現役引退を表明。
〇トゥールーズがネポ・ラウララとの契約を発表。
〇EPCRの懲罰委員会はチャンピオンズカップのファイナルでのジョニー・セクストン(レンスター)による問題行動について本人にヒアリングを行い、3試合の出場停止処分を決定。これによりセクストンはワールドカップのウォームアップゲームへの出場はできないが、ワールドカップ本戦では出場可能に。
〇ワラターズのジェイク・ゴードンがワールドカップジョーカーとしてトゥーロンに加入。
○ブランビーズのノア・ロレシオがワールドカップジョーカーとしてトゥーロンに加入。
○レッズがレス・キスのHC就任を発表。アイルランド代表やロンドン・アイリッシュなどでのコーチング経験豊富。
○ブルズが元南アフリカ代表のアンドリース・ベッカーのアシスタントコーチ就任を発表。
○ジャック・モウンダーがエクセターからレベルズへと移籍。エクセターの黄金期を支えた優秀なスクラムハーフ。
○マーカス・スミスがハーレクインズとの契約を延長。
○クルセイダーズのシオネ・ハヴィリがモアナ・パシフィカへと移籍。
○チーフスのラグラン・マクファネルがブルーズへと移籍。
○レン・イキタウ(ブランビーズ)がTRCのアルゼンチン戦で肩甲骨を負傷し、TRC残り試合を欠場へ。復帰まで6〜8週間かかる見込み。攻守の中心であるイキタウの欠場は非常に大きい。
○SANZAARがU20版のTRCの開催を発表。来年2024年からの開催となる見込み。
○かねてから噂されていたエクセター、イングランドのレジェンド、ジャック・ノーウルのラ・ロシェル加入が発表される。
○前HCマイク・ブレアーの後任を探していたエディンバラ、シャークスやブルズなどでのコーチング経験豊富なショーン・エバリットのシニアコーチ就任を発表。
○ウェールズ代表のガレス・アンスコムがリーグワン、東京サントリーサンゴリアスへと移籍。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?