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Blind Rugby ぶららぐの面白さ#1 言語化

Blind Rugbyは、視覚障がい者と晴眼者が共に楽しめるRugbyです。
パラスポーツのラグビーでは、ウェルチェアラグビーやデフラグビーが有名ですが、負けず劣らずの面白さがBlind Rugbyにはあります。
このnoteを通して、Blind Rugby に興味を持っていただけると幸いです。

こんにちは、ぶららぐ東海 Sun Rabbits 監督の神宮寺です。
ぶららぐ初心者の私が、監督/コーチ目線で感じたことをぶらっとお散歩感覚でnoteにまとめていきたいと思います。
Blind Rugby の面白さを皆さんへ。

ぶららぐの面白さ #1  言語化

晴眼者の当たり前は当たり前ではない。

ブラインドラグビーを体験すると、頭ではわかっているけど、それは「わかっていたつもりだったんだ」と思い知らされることがある。

Blind Rugbyで最初に行うことは、視覚の状態を全員で擦り合わせることだ。
全盲の人も含め、どのような状態で見えているのか、見え難い状態はどんな時なのか、チームとしての視野を全員が理解することが重要だ。

視覚障がいの状態は千差万別らしい。
視覚障がいを体験できるロービジョンゴーグルからも、正面が見えなかったり、両サイドが見えなかったり、下しか見えなかったり、五円玉の穴を除くような状態だったり、様々な症状があることを確認することができる。

私たちは見る・知る・出来る・常に出来るの段階を経て成長している。
普段は気づかないが「見る」の部分には圧倒的な情報量があることをブラインドラグビーは再認識させてくれる。

極端な話だが、全盲の人に「五郎丸のポーズ」をしてみて!と言っても難しい話だろう、もしかしたら野球のバットを渡してバントの構えをしてみて!と言っても想像と違う結果になるだろう。私たちは、知らぬ間に多くの情報を「眼から受信」していることに気づかされる。

私はコーチとしての職業柄、相手のことを考えながら言語化する経験は多い方だと思っていたが、頭ではわかっているのにどこか説明をはぶいてしまう自分がいたり、どう説明したらいいか悩みながら話すと、足し算・・足し算・・の説明となり逆に話が収集つかなくなってしまうこともある。

普段のコーチング現場では引き算で説明したいと思っているけど、ブラインドラグビーの現場では、引き算しすぎると説明がはぶかれる、足りないと思うと足しすぎる、、、ここは本当にコーチ泣かせの現場なのだ。

眼からの情報に頼らないで、今の現象を言語化する。。。
とても難しいが、この経験が新鮮でとても面白い。
全てのアウトプットが学びになっていることを実感できる。

晴眼者が当たり前のように感じていた(むしろ当たり前すぎて何も考えてこなかった)ことが、当たり前ではない世界がある。

やはり、仲間の視覚の状態を全員が理解していることは重要だ。
それぞれの見え方次第で、選ぶ言葉も選択するプレーも違ってくるからだ。
例えばミスが起きた時、原因がスキルなのかコミュニケーションなのか、改善の判断が出来なくなってしまう恐れだってある。

ラグビーは複雑な動きが多いスポーツだと思う。
それは常にボールの争奪があり攻防一体のスポーツだからだ。

ブラインドラグビーにはコンタクトがないとはいえ、瞬時に攻守が切りかわる要素があるので同様に複雑なスポーツと言えるだろう。

だからこそ、正確に言語化して相互にコミュニケーションが出来なければ、試合に勝つことばかりか、試合を成立させることも難しい競技だと思う。

ブラインドラグビーでのコーチングは、全てが学びになる。
こんなに言語化を意識してコーチングする現場は経験したことがない。

これは晴眼者のプレイヤーにも言えることで、晴眼者もプレイヤーとして勝利のために動くのだけど、好き勝手にプレーしたらいいという話ではない。どのように仲間達とつながれるか、そこが「ぶららぐ」の醍醐味の1つであり、仲間達とつながる為には、相手のことを考え、言語化を意識しながらコミュニケーションをとるという経験が学びとなって面白いと私は思う。

真っ直ぐ走れ!の真っ直ぐって、どっちに真っ直ぐなんだろう。
どのぐらいの速度でどれぐらいの距離を真っ直ぐ走るんだろう。
プレーしながら「真っ直ぐ走れ!」のコミュニケーションとれますか? 

今回は私の晴眼者のコーチ目線でnoteを書きましたが、視覚障がいをもった仲間にも、ぶららぐの面白さを聞いてシェアしていきたいと思います。 

ブラインドラグビーに興味がある方は、一緒に「ぶららぐ」しましょう。
私たちはSun Rabbits、日本一ボーダレスなチームです。

「ぶららぐ東海 SunRabbits 公式HP」

写真は、ブラインドラグビー初の全国大会、決勝戦の後半開始直前の円陣。
良いハドル組めてます。
この日は、最後までリンクが途切れることはなかった。

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