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ラグビーは中盤攻防が9割          ~大学選手権決勝 早稲田VS帝京~②

先日に続いて、大学選手権決勝レビューを書いてみようと思います。
ご質問等あればコメントもお待ちしてますので、ぜひお気軽にどうぞ。

さて、今回はだらだらとスタッツの結果を見て思ったことや分かること書き記していこうと思います。日々、スタッツを付ける中で、勝敗の分岐点となる数値や項目がある場合はあまりなく、全て影響し合って結果が決まるため、数値ばかりに固執することはいけないと感じています。しかし、何かそれらしき要因を見つけ定量的に評価することで、次に仮説が生まれ実行し、また考察、仮設を繰り返してラグビーの理解度が上がっていくように思っています。何かデータからわかることを発信できたらいいなと。話それましたが、以下いきます。


RugbyAnalyzer 作成

順に見ていくと、攻撃の主たるスタッツが若干ではありますが、早稲田大学が上回った結果となりました。Pass,Carry,Ruckともに帝京を超え、ポゼッション型の試合運びであったと言えます。キック数は21回で、帝京大学を超える数ではありましたが、これまでの戦いとは少なくゲームプランに少し違いが見られました。両チーム共通している部分として、攻撃時のパスが多く直接的なダイレクトプレーではなく、アタックチャンネルが広めであることがわかりました。現に、パスキャリー比は早稲田が1.5を超え、帝京も1.43でありその裏付けとなっていました。見てきたように、アタックにおけるスタッツの数自体は上回りましたが、その効果は多くで帝京が上回り、優位に運んでいました。キック効率、キャリー効率が帝京は高水準で、要所で確実にスコアに繋げる理想の展開に持ち込んでいました。さらに、AT ENDと書きましたが、「アタック終了時点でどれだけポジティブな状況であったか」を示し指標では、早稲田が60%、帝京が66%となり帝京大学がうまく攻撃を終えられていたと言えます。さらに、22mEntryの数は同等であり、早稲田も侵入する部分までは進めましたが、仕留めきる部分が最後まで機能しなかったと言えます。また、帝京大学のゴールライン前のDFは凄まじく、その牙城を許さず、凌ぎきったことも印象的でした。

さらに、DF面で象徴的であったのが、ダブルタックルの早稲田とシングルタックルの帝京、となったことです。早稲田大学はダブルタック率が47%とかなりの高水準であり、意識的に帝京大学のランナーに対して2人以上で圧力をかけることを徹底していたと言えます。ただ、タックル成功率自体が上がりきらず、2人で行かざるを得ないパターンもあったことも起因しています。BDにも積極的に行くこともあり、接点の部分で拘りを持ち続けていました。特に前半最後の帝京大学の攻撃に対して凌ぎ切った場面はこの試合が競った重要場面だと感じました。試合の最後の方には足が残っておらず点差が開く形となりました。
対する帝京大学は、シングルタックルで確実に仕留めるDFが機能していました。タックル後もBDへの圧力より、DFラインを揃えること優先し、中盤をDFで支配しました。TackleG-line,TadkleC-lineも上回り、素晴らしいDF精度を保っていました。

両チームの狙いがよくわかるとても見ごたえある試合でした。
また来季も楽しみです。レビューについても感想もどんどんいただけると励みになります。
ではまた!

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