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ラグビーは中盤攻防が9割          ~大学選手権決勝 早稲田VS帝京~

先日1/13、第61回全国大学ラグビーフットボール選手権大会決勝の帝京大学VS早稲田大学戦が行われた。結果は帝京大学が4連覇を果たし、対抗戦での雪辱を晴らした。早稲田大学はこれまで今シーズン負けなしできていたが、今シーズン初黒星で準優勝となった。
いろいろと界隈ではレビューが書かれており、考察されているがよりデータとスタッツにフォーカスしていくつかに渡ってnoteに記していこうと思う。(何部になるかはわかりません、切り良いところで上げていきますのでご了承)

中盤の攻防が9割

題名にあるが、「ラグビーは中盤の攻防が9割」です。あくまで個人的にですが、中盤をいかにスムーズに”捨ててられるか”で勝敗の運命は変わるとおもっています。中盤は主に自陣22m~敵陣10m付近までをさしますが、ここに固執しすぎるチームは実力が拮抗する中ではまず勝てないと思います。当たり前ですが、とにかく実力が競っている場合には、自陣を背負うことのリスクが高すぎるため、ここの線引きを誤るとやれらます。
今回の試合でも早稲田としてうまくゲームを作れなった部分の1つはここであると考えます。早稲田のSO服部選手も後日談で言っていますが、

ノーサイド直後、涙を流していた服部は「(自分の)キックの対策をされて、(相手のBKの選手が)後ろに下がっているのが見えて、ランに切り替えようと自分で考えてしまって、相手のわなにはまってしまったかな。(チームとしては)敵陣22m内に入って取り切れなかったところと、敵陣に入ってスコアされたところが勝敗を分けた。対抗戦で全勝して負けなしだったので、最後も勝ちたかった」と唇をかんだ

ラグビー - 早稲田大・服部亮太 キックで席巻した1年目を終え悔し涙「来季は必ず『荒ぶる』を」 | 4years. #学生スポーツ

うまく帝京に対応された部分はありますが、ここの攻防は命取りであるとこの試合からも学ばされました。

では、具体的にどのようなスタッツから中盤の攻防の良し悪しを評価できるか検証します。
➀エリア別キックtoラック
②キック効率
③キャリー効率

➀キックtoラック


順に見ていきます。
まず、➀キックtoラックですが、簡単にまとめると「ラック:キック」の比率の事です。多くはキック1回あたりラック○○回といった数値になります。
早稲田はこのキックtoラック4.8を記録し、対する帝京は4.4回となり早稲田のアタックマインドとしてキックの選択が少なくなっていました。小さいからダメ、大きいから良いといったことではなく、傾向としての話であり、敗因となった部分の仮設建てができるようになることに意義があると感じます。仮に「もう少し早いフェーズでボールを蹴っていくスタイルだったら?」「もっとポゼッションを高めていたら?」ということが大事です。

②キック効率


では、次に②キック効率ですが「キックの前後で自分たちが優位になったか」を表します。なのでキック効率が大きいチームはよりゲームを支配していたと言えます。それを踏まえると、早稲田は81%帝京大学89%であった。どちらもかなりの高水準であり、試合が引き締まった印象を受けたのはここも影響していると考える。早稲田大学は若干キック効率が下回ってしまったが、かなり高く前進で来ていたと言えます。

③キャリー効率


さらに③キャリー効率について「キャリーの前後で自分たちが優位であったか」を表します。早稲田は62%帝京大学は76%であった。つまり、キャリーにおいても早稲田大学は結果的に劣勢となっていたと分かる。ここまでを踏まえると、キックtoラックが大きい早稲田であったが、実はキャリー効率はそこまで大きくなく、キック効率のほうが大きいと分析できた。かなり安易ではあるが、「キャリーよりキックを重視する方が優位になっていた」と考えることもできるのである。ただ、両チームともキック効率が大きいことや、互いの戦い方がありきの非線形的であること考慮するとかなり雑ではあるが、中盤での攻撃の重要性がよくわかる試合となった。

次回は少し違う観点からまたレビューしてみようと思います!では

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