アスリートのMarket VALUEの意識
トップチームでスタッフをしていて、あまりにもプレーヤーの「Market VALUE」と「Story VALUE」の意識が低かったことに驚きを隠せなかったので(私が所属していたチームだけかもしれないが)改めて書きたい
以前読んだ「アスリートのためのSNS活用術」の中にも大きく書かれてある
スポーツというものは非常に魅力的なモノで、ヒトを魅了させてしまう価値がある。それは実際にプレーするアスリートだけではなく、チームに関わるスタッフも然り関係者全てに言えることであろう。
本書の中でも「現役中がボーナスタイム」とあるが、まさに「肩書き」というモノを持ってチームに関わっている時、その魅力に惹かれた方々は応援してくれ、サポートしてくれ、近くにいてくれる。
だからこそ3つのVALUEを大切にして、自分の価値を高めていくことは非常に未来の自分にとって有意義なものになる。
しかし、少なくとも私が携わっていたチームでは、当時自分のたちの「Market VALUE」をあまり理解できていない者が多く、「Player VALUE」のみだったように感じた。
もちろんアスリートなので「Player VALUE」は大切だ
しかし、企業でさえ、CSRやCSVといった企業の社会的責任、共創価値の創造などの社会貢献的な活動を行なうことで、地域やステイクホルダーの方々と共有し合い、お互いがハッピーになるような活動をしている。
忘れもしない歓声
2016年10月29日 13:00KO @レベルファイブスタジアム(当時)
vsヤマハ発動機ジュビロとの試合だった。
地元開催ということもあり、多くの方々が応援に駆け付けてくださった。アナリストとして会場の最上段から見る応援席の光景はうれしかった。
しかし、試合内容は前半から押されまくり、6−31というスコアの敗戦濃厚ムードで折り返す。
応援に来てくださった方々も、もう終わりかな。勝てないよな。と諦めかけている雰囲気を感じた。ピット上でも分析しながらチームの雰囲気も諦めかけているのか?と思えるほど、覇気がなかった。
そんな中、後半22分に途中出場でその年に新加入した、現在男子7人制日本代表で活躍を続ける副島亀里ララボウラティアナラ(通称:ギャム)がピッチに入って早々に、相手キックをチャージし、こぼれ球を拾った味方からパスを受けていきなりのデビュー戦トライを奪いを奪ったのである。
正直そのスコアで形勢逆転するわけでもなく、すでに勝てる雰囲気もなく、敗戦モードだった。実際最終スコアも11−50という大敗。
しかし、応援に来てくださった方々の反応は違った!
必死になってプレーする初出場のギャムの姿は、見ている人にとって感動を与え、結果など関係なく、そのトライで今まで消沈していた応援席も一気に盛り上がり、みんながハイタッチして喜び合い、真っ赤になった!
これにはギャムにStory VALUEも大きく影響していると思う。
試合結果は大敗だったが、それでも応援してくれるのが本当のファンであり、応援してくれる皆さんにハッピーを届けることができるのがスポーツであり、我々地元チームの力なんだなと非常に考えさせられた。
自分だけじゃない!みんなのために
聞こえは良い言葉かもしれない。
もちろん自分のために自分の身を削ってプレーしている。
それでも自分(「Player VALUE」)でだけなく、Market VALUEとして地域や応援してくれる方々の思い、支えてくれる所属企業の社員の思いを感じてプレーしてほしい。
ファンはふとチームを、選手を見てくれている。
だからこそSNSをやることを強要するつもりはないが、プレーやチーム活動で地域やファンに還元していってほしい。そして そういう方々がいてくれることを忘れないでほしい。
今のチームにどういった価値があるのか
自分個人にどういった価値があるのか
こういった自己分析や他者分析をできることで、また1つ成長できるのではないか。