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アナリストのキャリアデザインを考える④

アナリストのキャリアデザインを考える③に続き、今後の可能性を引き続き書いていきたい。
特に今回はアナリストとして経験し、習得した知識などから、その後に大きな可能性を切り拓くことができるであろうことについて書いていきたい。

アナリストのスペシャリストに

アナリストをやってきた人間なら、ずっとアナリスト業務に携われることが一番理想の形ではなかろうか。
今はまだアナリスト一本で誰もが一生食っているような環境ではないが、アナリストの需要は確実に高まってきており、多くの競技で求められている
実際 ラグビーチームでも「アナリスト」を探しているチームはある。
分析スキルと知識を向上させ、機材知識に強く、人脈も広かったり、チームにとって良い提案をできる選択を持ち得ていれば、所属チームからは継続契約をもらえるだろうし、もし退任しても他チームや他競技からオファーをもらえる可能性あるだろう。
私のホッケーアナリスト着任もそれに当たるだろう。

実際 私も退任後に社会人ラグビーの数チームからオファーをいただいた。
アナリストとしての承認欲求を十二分に満たす評価をいただき、うれしかったが残念ながらお断りさせていただいた。
ずっと親身にお誘いをいただきましたチームと関係者の皆さまには、感謝申し上げます。

分析機材もソフトも、そしてすべての取り巻く環境もAIやRPAなどドンドン進化していっているので、常に学び、視野を広く、アナリスト業を展開していければ、アナリストに関わる業務を一生やっていけるのではないか。

コーチングスタッフへの転身

私は大学卒業後、県立高校の保健体育教師になり、サッカー部のコーチ、ラグビー部の監督、その後 私立高校のラグビー部コーチ、大学のスポットコーチを経て、トップリーグチームのアナリストになった。
アナリストはアナリストでもコーチングの延長上に映像分析を用いたコーチからスタートしている。

アナリストには私のようにコーチングスタッフから波形したアナリストと統計やプログラミングを専攻したアナリストがいる。もちろん業務内容のベースは同じだが、データアナリストとビデオアナリスト、もしくはパフォーマンスアナリストと区別され、チーム内でいくつか業務分担されるチーム体制もある。

もしアナタがコーチングから波形してきたアナリストなら、
またはデータアナリスト出身でも携わる中でデータを用いた明確かつ適格なコーチングができるようになり、コーチングライセンスを習得し、より深いコーチングを学ぶようになったのなら、コーチングスタッフになれる道も拓けるだろう!現在 いくつかの競技・チームでコーチや監督になったアナリストも増えてきている。

経験や勘、根性論だけない、データを用いた根拠のあるコーチとしてチームに貢献できるのではないか。

もちろん各年代の学校などで教師として指導者の道を選択するのもあると思う。トップレベルの現場を経験したからこそ、納得性の高い指導ができるのではないか。

マネジメントスタッフへの転身

8年目のことだったか、チームの「3か年強化計画」を作成し、会社の重役にプレゼンしたことがある。ビジネスでいう「中期経営計画」のようなモノだ。
なぜ アナリストが? と思う方もいるだろうが、今までチームを分析し、俯瞰的に捉え、過去の経緯なども理解しているという意向があったようだ。
(※チームも混乱期であったことも多いが・・・)

実際、作成にあたっては自分なりのビジョンや経験、今まで学んできた知識、チームの今までの歴史などを踏まえ、アイデアはどんどん出てきたし、確実にチームを創り上げる自信もあった。

それはアナリストとして携わった監督・GMとの関係もある。
「監督」の考えを深く理解し、データに反映したく、監督とはよく話をして、コーチングも学ばせてもらった。「GM」ともチームの方向性やマネジメントについて話をさせてもらい、独学でも学んでいった。深くチームを理解するために、監督やGMが読んだ本なども借りて、どういう思考をベースにしているのかという情報も取りに行った。
チームスタッフの一人としてチームを最高のチームにしたいという思いからの当然の行動であった。これが生きた!

3か年強化策を作成したことで、よりチーム全体のマネジメントを理解でき、もっと会社に交渉して、チームをより良いものに変えていきたいという思いは強くなった。他競技のマネジメントスタッフや経験者にも相談し、マネジメントスタッフになれる道も歩めることを確信した。
映画「マネーボール」ではないが、マネジメントスタッフの立場でチーム分析データを活用したチーム創りも進められると感じた。
データを活用したチーム創りの一例にはこんなのも参考になった。

「アナリスト/分析」を伝える・教える

アナリストの現場を経験し、知識や経験などを深めた折には、「アナリスト/分析」という作業内容や役割等を後世に伝えていったらどうだろうか。
現在はスポーツアナリストなりたいという需要も高まっており、大学や専門学校などでスポーツアナリスト養成講座やコース、またはスポーツビジネスの1センテンスとして「分析」を学ぶような講義を設定、採用している学校が増加してきている。
元バレーボール日本代表のアナリストで、日本スポーツアナリスト協会代表理事の渡辺 啓太氏も現在は桐蔭横浜大学で教鞭を取られている。

これからの分野なので、これをしっかりと伝え、育て、継続させていくことが大切になると思う。

私も過去には高校や大学、企業などでアナリストについての1日講義をしたことがある。高校生や大学生には競技力向上のヒントとキャリアデザインにおける職業選択を増やすことを。企業では専門分野におけるイノベーティブなヒントとなるような機会に。少しは貢献できたのではないかと思っている。(新潟北越高校、岡山大学、日本体育大学、Google Japan等)

スポーツビジネスへの転職

この領域は幅広い可能性があると思う。アナリストの経験を生かし、
D社のような分析を業務とする会社
F社D社のように分析ソフトの営業販売や分析サポートをする会社
▶分析に関する機材やソフトウェア等を開発する会社
というような選択肢も出てくるだろう。

もちろん起業しても良いのではなかろうか。
実際、地域で活動しているスポーツクラブなどからスポットで分析などを委託される会社を個人で立ち上げた仲間もいた。

アナリスト経験で身につけた知識や能力を二次的に業務へ生かすことで、既存の形からイノベーティブな発想で業務内容や方向性を膨らませることもできるだろう。

どれも無限大だ!
これからの選択肢を増やすためには、自分自身のアナリストとしての価値を高めなければならない。自分磨きを惜しまず、関係分野に精通し、インプットとアウトプットを繰り返すことが大切である。
現在においては、SNSも大きな武器の一つになることは間違いない!
私も分析ソフトの企業や開発された方、また分析に関係する企業やその担当者などをインターネットやSNSで検索し、情報を学びながらコンタクトをドンドン取っていった。もちろん しっかりとその分野の知識とある程度のマナー、そして熱意があることは前提とし、理解を得られれば、共感して話を聞いてくれる場合が多いのではなかろうか。

やるかやらないかは自分次第

キャリアデザインの選択肢や可能性を広げるには、今できることをしっかりと実行し、まずはアナリストとして、自分の強みをドンドン高めましょう!
結局 そんな最後かよ!という声もあるだろうが、アナリストであろうが、ビジネスであろうが、就活であろうが、準備なき者に、向上心なき者にはなにも待ってはいないだろう。
どんどん自ら考え、行動し、学び続けることが次につながる

学ばざる者 教えるべからず

むかしから このあたりは不変なんでしょうね

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