楕円球の青春 人工衛星
こんにちは。
関東圏の生活は初めてだったので、納豆、関東ローム層など、初めての経験でした。
また、上級生からの特別練習、siboriも初めての経験。民主的、と言われているチームで、こんな事があるのか、と理解に苦しみました。
当時のコーチ、ラグビー界では紳士として知られていたOBも、「1年生に力をつけるための練習」と発言されたのを聞いて、「ウソでしょ?」と耳を疑いました。肯定してる。
この特別練習は、1、2年に対して行われます。原因は、練習が十分でなかった、声が出ていない、それから、寮の電話を取るのが遅かった、寮で蜘蛛の巣が張っていた、等々、あります。1年生が原因です。が、2年もしごかれます。2年生は、軽いです。1年生はヘビー。
前に書きましたが、「出しボール」が蹴られたら、特別練習決定です。もう、練習どころではない。気が気でない。
また、オフ明けの火曜日は、特別練習定例の日となっています。とにかく、siboriがある日。理由はない。月曜日の消灯あたりから、憂鬱になります。
特別練習は、監督、コーチ、4年生がグラウンドにいなくなってから、始まります。闇です。
全体練習が終わり、個人練習も時間が進んで、4年生が更衣室に上がりだすと、気もそぞろ。あーっ、3年生が、おもむろに、キャプテンフラッグに駆け寄る!「ピュイ」弱い笛の音。
特別練習は3年生の主催です。3年生のレギュラークラスの人が、笛を吹いて、下級生を集合させます。一応、「今日の練習はなんだ!」とか、理由を述べます。「グラウンド回れ!」「ヨシッ!」一斉に、グラウンドを回ります。全速力です。
2年生のバックスの人など、ノープレッシャーで、速い、速い。1年生は、体力もまだないので、後方を走ります。2年生は、速く終わります。ターゲットは1年生です。
トップグループで、グラウンド周り3周。「上がれ」の掛け声。これがかかった人から、次のメニューへ。5人くらいで、グループを作り、キックダッシュ。ゴールからゴールまで、蹴られたボールを5人で追いかけて、捕球したら、後はゴールまで、パスをしながら、サポートラン。5本ぐらいかな。
最後に、3人ヘッド。22メートルラインをから走りだし、ゴールラインと22メートルラインの中間にいる上級生にトップスピードでボールをもらいます。インゴールまで、その勢いで走り抜ける。(瞬発力をつけるのには、良い練習です。)往復5本くらいかな。
この3つのメニューが定番です。上に書いたのは、トップグループの練習量。グラウンド回りが遅いと、いつまで経っても、「上がれ」の声はかかりません。ずーっとグラウンド周り。もちろん、その後の練習メニューも多くなります。地獄。殴られたほうがマシ、と思いつつ、月が出ているグラウンドを回ります。名付けて、人工衛星。
まあ、でも、始まったら、終わるので。
こんな部活、してました。
特別練習が終われば、グラウンドの片付け、ボール磨き。寮生は、ご飯や掃除があるので、10時前には更衣室を出ていましたが、自宅生は11時とかなっていたんだろうな。
でも、精神的には、強くなったと思います。少々のことには動じない。
さあ、まだまだ続きます。では、はいちゃらばい。