日経平均とNY市況
日経平均株価は、昨日の米国市場でハイテク株、金融株が買われた流れを受けて高く寄り付いたが、すぐに米国の貿易問題を巡る根強い警戒感から軟化し、マイナス圏で横ばいに推移していた。
後場に入って、欧州連合(EU)首脳会議で移民問題について合意したと伝わると、欧州通貨が上昇して円が売られたことから株価は反発してプラス圏に回復、その後は横ばいで推移して前日比小幅高で引けた。
下は日経平均月足で、今月を陽線で終えてトレンドラインにサポートされている。
波形は第2波の調整に当たり、2014年1月から半年続いた調整に似ている。2014年は調整押し目が6ヶ月続き、今回は来月で6ヶ月目に入り、週足ストキャス谷が3回目の上昇クロスとなりそうな形状にあることから、来月の月足形状は買いを示唆することが考えられる。
■NY市況
28日NY債券市場は、トランプ米政権が前日、中国資本によるハイテク企業への投資規制をめぐり、既存の審査枠組みの強化で対応する方針を表明したことで、厳格な規制で貿易摩擦が悪化するとの悲観的な見方が後退、指標となる10年債利回りは2.847%と小幅上昇した。
一方、米商務省が朝方発表した第1四半期の米国内総生産(GDP)確報値は、年率換算で前期比2.0%と下方改定されて貿易摩擦の影響が懸念されるなど、安全資産としての国債需要が継続し、国債利回りは1ヶ月ぶり低水準近辺にとどまっている 。
為替市場は、2018年1~3月期の実質GDP(国内総生産)確定値が、年率換算で前期比2.0%増と改定値(2.2%増)から下方修正されて市場予想も下回り、これを受けてドルが売られる場面もあったものの限定的で、その後は中国資本によるハイテク企業への投資規制をめぐり、厳格な規制で貿易摩擦が悪化するとの悲観的な見方が後退し、これまで安全資産として買われていた円を売ってドルを買う動きが優勢となって、ドル円相場は110円台半ばに上昇した。
株式市場は、前日にトランプ米政権がハイテク企業への投資規制をめぐり、既存の審査枠組みの強化で対応する方針を表明さしたことで、米中貿易摩擦への過度な警戒感が和らぎハイテク株に買い戻しが入ったほか、金融株も14営業日ぶりに値上がりし主要株価3指数はそろって上昇した。
情報技術株で最も上昇したのは、第3四半期(3-5月)決算で売上高と利益が市場予想を上回ったコンサルティング大手アクセンチュアが5.9%高で引け、またアマゾンは宅配サービスを強化する戦略の一環として、小規模宅配事業の起業を支援する方針を発表し2.5%高となった。
金相場は、為替市場でドル高・ユーロ安基調が継続し、ドル建て金の割高感が広がり、また米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペースの加速観測が根強いことも、金利を生まない金に引き続き売り圧力となり、4日続落した。
原油相場は、前日までに米石油協会(API)と米エネルギー情報局(EIA)がそれぞれ発表した週間在庫統計で、原油在庫の大幅な減少が確認され、これを受けて米国内の需給不均衡に対する過度の警戒感が後退し相場はしっかり推移、また米国がイラン産原油を11月から輸入しないよう各国に要請する方針を示したことで、イラン産の原油輸出が大幅に減少するのではないかとの思惑が強まったほか、カナダやリビア、ベネズエラで供給が混乱しているとの報道も追い風となって3日続伸した。
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