【日経平均とNY市況】
■市況コメント
日経平均株価は、前日の米国市場の株安や円高を嫌気した売りが先行し、下げ幅は一時270円を超えた。トヨタ自動車は、ドイツのダイムラーが米中報復関税に伴い「メルセデス・ベンツ」のスポーツタイプ多目的車(SUV)販売が打撃を受けるとし、BMWも米中の貿易摩擦を踏まえて「戦略的選択肢」を検討していると明らかにしたことから大きく売られて一時3%安となり、ホンダ、SUBARUは年初来安値を更新した。
チャートは日足、週足ともにストキャス谷が切り上がり、月足も上昇クロスし目先、中長期ともに上昇を示唆している。
中国上海総合指数は、本日プラス圏で終えそうな動きとなり、テクニカル的にも売られ過ぎを示唆していることから、米中貿易戦争も何らかの結論が出る時期に来ているのかもしれない
■NY市況
21日NY債券市場は、ドイツの自動車大手ダイムラーが米中双方の報復関税に伴い「メルセデス・ベンツ」のスポーツタイプ多目的車(SUV)販売が打撃を受けるとし、世界各国の経済や企業業績への悪影響が懸念されるなか、6月のフィラデルフィア連銀業況指数が1年半ぶりの低水準 となったことが国債相場の下支えとなって、指標となる10年債利回りは2.897%に低下
為替市場は、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB )議長が利上げ継続を強調した前日の講演を受けたドル買いの流れが続いていたが、朝方発表されたフィラデルフィア連銀の製造業景況指数が市場予想を下回る結果に加えて、米株安や米長期金利の低下も反転ドル売りを加速させ、ドル円相場は110円台を割り込んだ。
株式市場は、独ダイムラーが2018年の業績見通しを下方修正したほか、BMWも米中の貿易摩擦を踏まえて「戦略的選択肢」を検討していると明らかにしたことから、製造業や自動車大手が売られてキャタピラーは2.5%安、ボーイングは1.5%安となり、自動車ではフォード・モーターが約1.4%安、ゼネラル・モーターズ(GM)が2%安となり、ダウ工業株30種は8営業日続落した。また、米最高裁は州政府がオンライン小売業者に売上税の徴収を義務付けることを認める判決を出したことからアマゾン、オーバーストック・ドット・コム、イーベイが急落し、主要株価3指数はそろって下落した。
金相場は、米中が貿易戦争へ突入するとの警戒感が強まるなか、欧州連合(EU)は米国に対する報復関税を22日から発動すると発表するなど、通商摩擦問題が世界規模に拡大するとの懸念が増大し、景気減速により金の需要見通しが悪化するとの観測から買い控えムードが広がり、加えて米利上げペースの加速観測を背景としたドル指数の上昇も圧迫要因となった。
原油相場は、石油輸出国機構(OPEC)定例総会を翌日に控えて、これまでの事前協議でサウジアラビアの増産提案に対して難色を示していたイランが、小幅な増産であれば容認する可能性を示唆したことから、増産決定に対する警戒感が広がり反落した。また、米中間の貿易摩擦激化に対する警戒感も、引き続き相場を下押しする要因となった。
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