非想天則雑感


ご挨拶

 はじめましての方ははじめまして。そうでない方に挨拶はいらんでしょう。東洋思想を産湯に使い、ログホラと天則を渡り歩く競馬ファン。名を錦水仙と申します。天則界隈じゃあ「ルーフェ」で通してございます。なんでかって配信に凸った時の可読性に配慮したんですね。パッと読める名がよかろうと。……いやプロフ芸を覚えたので水の泡かもしれませんがね。気に入ってるのは「幕末オープン月兎」です。ウケた。
 挨拶はそんなところにして本題に参りましょう。この記事は私ルーフェが『東方非想天則』というゲームにハマり、現在に至るまでを振り返るものです。天則勢を読者に想定しているので各種用語の説明は省きますが、どうか最後までお付き合いくださいね。

事の始まり

 あれは二年くらい前だったでしょうか。腕利きの衣玖使いエフえー氏がYouTubeにアップロードしたある動画に出会いました。2020年のEVO JAPAN。そのサイドイベントの一つとして開催された天則トーナメントの動画です。ウィナーズ・ルーザーズ・グランドファイナルのみが収録されていましたが、3on3だったため50分を超える結構なボリューム。後に幾度となく見返したので実況のセリフもなんとなく覚えています。
 ラスト三試合ともなれば残ったプレイヤーも精鋭ばかり。特にウィナーズファイナルは soo文・シスカルうどんげ・ねやす霊夢 vs 若葉マーク萃香・モノアイ空・けーま妖夢 という泡吹いて倒れそうなマッチングです。画面に全一しか映ってない。
 ざっくり結果だけ言ってしまうと soo・ねやす両名が接戦の末破れ、シスカルうどんげが相手チーム3名を3タテするという非常にインパクトのある展開でした。私の脳みそが黒焦げになっても誰も責めないでしょう。
 なぜ私がぶつくさ言いながらもうどんげを使い続けているのか。なぜシスカル先生を崇拝しているのか。分かったことと思います。これが私にとって天則とのファーストコンタクトだったのです。

転機

 さてしばらく天則の配信やふるーい動画(天舞双を特に好みました)で食い繋いでいた私でしたが、2022年の9月にとあるDiscordサーバーに潜り込みました。そりゃあもうひっそりと。どれくらいひっそりかって鯖管が見落とすくらいに。その証拠にリアクションついてない。
 何を隠そう、なまかわねむの天則交流用サーバーです。とはいえこの時の私に対戦する気は微塵もありませんでした。私格ゲーどころかアクション全般が大の苦手なのです。スマブラforをやれば弟にボコボコにされ、モンハン3Gをやればクルペッコで挫折する。そのレベルです。なんか思い出して腹立ってきたな。
 私は五ヶ月ほどサーバーの片隅で流れるログを眺めていました。ミーハー気質も相まってこれだけで楽しい。動画で見た事のある名前がリアルタイムで対戦の感想とか書いてるわけですから。しかしこの生活も長くは続きませんでした。
 いつものようにねむさんの配信をリアタイしていた私の目に、寝耳に水なワードが映りました。そこ、なら耳で書けよとか言わない。

「初心者勢限定 遅桜杯」

 私の重そうで重くないちょっと重い腰を上げるには十分な威力でした。好みでルキナしか握らず弟のリドリーにすり潰された記憶も、クルペッコが呼んだリオレイアに転がされた記憶も、全てが「始めるなら今しかない」と叫んでいました。
 二枚のディスクが届いたのは1月22日。遅桜杯エントリー開始の5日前のことでした。そこからポート開放に二日を要し(ハイナさんありがとう)、初熱帯は26日でした。当時は今ほど初心者が活発でなかったとはいえ、何を思ったかUltiaさんに凸。もちろんろくに動けず見事兎鍋と相成りました。
 まあそりゃそうだよね。格ゲーなんて触ったこともないんだ。スティックを倒してガードという文化も知らず、コマンドを入力したこともない。コンボなんて夢のまた夢見果てぬ夢。それはそれとして遅桜杯は即エントリーしました。自己の客観評価ができていない。

鍛錬

 そもそもが「自分はアクション向いてない」という意識が根底にあり、勝つことよりもうどんげをガチャガチャ動かすことを目的にしていました。あと動画や配信で見たいにしえの猛者を間近で見ること。ファン目線のまんまですね。これだからミーハーは。
 しかし仮にも大会に出る以上少しは動けるようになっておきたいのが人のサガ。幸運にも同じ初心者勢(実力は月とスッポン)のハイナさん、精力的にプレイしている復帰勢のターボさん(実力はベテラン級)と周りにうどんげ使いが存在していたので少しづつ動きを覚えていきました。ターボさんは後にスーパーうどんげパンチを伝授してもらうなど師と仰いだ人です。
 遅桜杯そのものについて特に書く気はありません。だって書くことがないんだもの。第一回第二回共に全敗。これでよかろ。
 皆様ご存知の通り、私のプレイスタイルは中遠距離からB射をばら撒き、超遠距離となればHCでひっかけるというアウトレンジなものです。LREがたまると露骨にJ2Aを擦り出します。コンボができないので近づいてもリスクがリターンに見合わないという最初期の意識が根底にあります。射撃は確かにうどんげの強みです。速射と置き弾を兼ね備えるB射や貫通力と範囲に優れるC射は全キャラでも屈指。しかしそれ以外の強み、判定の強いJ8Aや起点として優れるDA、起き攻めや固めのセットプレイなどというものはまるで死んでいました。
 ある日ターボさんにマンツーマン指導を受ける機会に恵まれました。曰くまずうどんげパンチ、次にコンボ。起き攻めのみならず多様な使い道のある6Aめくりの練習を積みました。これまではうどんげ使いと対戦するとこちらは使えないのに向こうはガンガン使ってきた悪魔の技術を身に付けたのです。初めて対戦で決めた時は歓喜に打ち震えました。
 なんとかSUPが実戦で使える練度まで仕上がったので、次にコンボ練習を始めました。起き攻めするには相手がダウンしていなければいけない。猿でもわかるこの世の真理です。とはいえコンボなんて大の苦手。当初習得できたのは画面端のバウンドを使ったコンボだけ。中央コンに必須の66>JA(J8A)が全然入らなかったのです。

 なんかある日突然入るようになりました。人体の神秘。

 トレモでひたすら反復練習を重ね、実戦で試すという当たり前のことしかしていませんが、やはりこれ以上の近道はない。つい先日試合を観戦していた人達にコンボが上手くなったと言われていたと聞き、とても感慨深く感じました。同時にハイナさんにJ6A〆はやめろとお小言をいただきました。ひんひん。

総括

 えー、なんか思ったより長くなりました。私の悪い癖です。同期のやる気勢とは比べ物にならない練習量と上達速度でありながらも、振り返ってみれば明らかに上達した自負があります。先日の第三回遅桜杯では、自己最多の二勝をマークすることができました。誰に勝っても一勝は一勝だからね。悪く思わないでおくれよレイちゃんさん。卑怯とは言うまいな
 最後になりますが、私が天則を楽しめている要因の一つは間違いなく環境です。素晴らしき天則ネクロマンサーことなまかわねむ氏に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。


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