2023年阪急杯の回顧

1 全体の総評
2023年阪急杯はメイショウチタンがハナを奪い、そのまま淀みのない展開になりました。
前半600m通過33秒9はそれほど速いタイムではないものの、以降ラップタイムは落ちることがなく、1200m通過のタイム1分7秒6は2014年以降の良馬場の阪急杯の中では2番目に速いタイム(1番目は2021年の1分7秒4)。
こうなると中団の馬は脚を溜めることが難しく切れ味を削がれる形。
勝ったのは、メイショウチタンにハナを譲り番手の競馬をしたアグリ。
2着ダディーズビビッド、3着ホウオウアマゾンは先行しつつ速いながれでも最後まで脚を使い、結果的には前残りのレースになった。
2 消えた1番人気
単勝1.7倍の圧倒的支持を受けたグレナディアガーズは直線一旦は見せ場を作ったものの失速して7着に敗れた。
同馬が2着だった前走の阪神Cは前半600m33秒4と今回の阪急杯より速いタイムだったが、1200m通過は1分8秒1と今回の阪急杯より0.5秒遅いタイムだったことからみて、グレナディアガーズは脚を溜める展開に向いているようである(持続力より瞬発力のタイプ)。
3 勝ち馬アグリの評価
アグリは昨年8月の1勝クラスの勝利から4連勝で重賞ウイナーに上り詰めました。
勝ち時計の1分19秒5は2014年以降の阪神芝1400mの重賞レースの中では3位タイ(1位は2021年阪急杯のレシステンシアのマークした1分19秒2、2位は2019年阪神Cのグランアレグリアのマークした1分19秒4、3位タイは2017年阪神Cのイスラボニータのマークした1分19秒5)の好時計です。
2021年阪急杯3着のジャンダルムが同じように番手から34秒1の上がりで1分19秒5をマークしており、アグリの能力はジャンダルム級といえそう。
ならば昨年のスプリンターズSのような速い流れの持続力勝負になればG1でも当然通用すると考えてよい。
今回は100%の調子ではなかったとも言われており、今後が楽しみです!
父カラヴァッジオ(父スキャットダディ)はアメリカ生まれアイルランド育ちの欧州の名スプリンター。自身デビューから6連勝(内G1は2勝)と一度勢いに乗ると簡単には止まらないタイプの仔を産むのかも。

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