1人じゃないから複数形
私がHiHi Jetsを気になり始めた2019年1月頃、過去の雑誌での発言とかを漁ってると猪狩くんが「グループが、5人が大切だ」といった趣旨のことをよく口にしており、嵐ファンだったからそれに惹かれて、安心してHiHi Jets担を名乗り始めた。メンバー紹介ラップで「1人じゃないから複数形」という歌詞があるくらい、5人でいることを大切にしているグループ。次に天下を獲るのはHiHi Jetsであることを私はこの約2年半、疑ったことはない。
でも正直な話、ほんの少し不安に思うことも、一時期あった。具体的に言うと、私はこの5人だからHiHi Jetsを好きになったけれど、だからと言って瑞稀くんに「ずっと5人でいてね」と言うのは正しいことなのか分からなかった。ジャニーズJr.のグループを好きになるのは初めてだったから、それを望むことは本人を縛ることになるのか、すでにデビューしているグループに対して望むのとはまた違う重さになるのか分からないまま、それでもとにかく5人が好きで、私にとってHiHi Jetsは絶対に5人だった。
WUの2019年8月号、5人になって1年くらいの時期のインタビューでHiHi Jetsへの想いを聞かれて、瑞稀くんは「グループとして変わらないといけないときがきたら変わると思うけれど、今のまま5人で変わらずにいけるなら、それに越したことはないですね。」と答えていて。いろんな解釈ができるなと思った。まず「今のまま5人で変わらずにいく」とはどんな意味なのか悩んだ。「メンバーを変えずにこの5人でずっとやっていく」なのか、「今の5人の雰囲気、空気感でずっとやっていく」なのか。「それに越したことはない」って、「それ以上のことはない」って意味だけど、「それが理想的ではある(が、実現するとは限らない)」というニュアンスも含む気がする。後者だったら、今の5人でいることが前提としてある。でももしも前者だったら、「5人で変わらずいたい」ではなく、「5人で変わらずにいけるなら、それに越したことはない」という言い方にしたのは、5人でいられたらそれが1番だけど、でもこの先何があるのかは分からない…そんなニュアンスになるのではないか。長年ジャニーズという厳しい世界の、何度もメンバーが変えられたグループにいた瑞稀くんなりの身の守り方なのかなと邪推したりした。願って、それが叶えられなかったときにどれだけ辛いか、どれだけ傷つくか。単なる言葉の綾だった可能性も大いにあるのに、当時の私は勝手に心を痛めた。
その数ヶ月後、2019年9月のダンスクでは、瑞稀くんがHiHi Jet結成当初は「Jr.は個人戦だと思っていた」と語っていた。私は当時をリアルタイムで追っていない新規なので想像することしかできないが、怒涛のメンバーチェンジが繰り返されていればグループ愛なんぞ持ちようがなかっただろうし、瑞稀くんがそう考えるのも当然だと思う。でも東京B少年の人気への危機感がきっかけとなってグループの結束力が高まり、そして今の5人になってすごくしっくりきていると話していた。そして「ジャニーズJr.のメンバーを当てはまるなら?」で当たり前のようにメンバー4人を家族に当てはめていて、雑誌が発売された時期も時期だったから泣きながら読んだのを覚えている。
2020年2月に放送されたROTで瑞稀くんは「何十年後も5人仲良く笑っていられたら、それでいいんじゃないか」と言っていて、それが全てだなと思った。Jr.は個人戦だと考えていた瑞稀くんが、ずっと5人で仲良く笑っていたいと、こんなにもはっきりと言ってくれたことが本当に本当に嬉しかった。
そして2021年の夏、瑞稀くんはHiHi Jetsのリーダーになった。そしてサマパラの挨拶でたくさんHiHi Jetsというグループとメンバーについて話してくれた。私が直接聞いたのは2回分だけで、他はTwitterでレポを見ただけだけど、
「これから色んなチャレンジが待ってて、その度に今と変わらない僕らで過ごせたら」
「僕は以前まで1人で突っ走っちゃうクセがありました。この世界は残酷で、一緒に頑張ってた子が次の日にいなくなったり、そんなのが当たり前の世界だった。だから誰かに頼ることはもうやめようと思っていました。でもやっと、僕が人生を賭けて良いと思う4人に出会いました。時間はかかったけど4人といれることが幸せで、4人に出会えたことが僕のターニングポイントですね。この4人と共に4人が決めた道を一緒に歩んでいきたいと思います。」
今、メンバー全員が「自分の夢」として「HiHi Jetsの夢」を語る。5人になってエンジンがかかって、でもいつの時期かはわからないけれど割と深刻な喧嘩をしていたらしいし、ここまで来るのに私たちファンが知っている範囲内でもいろいろあった。それでも5人は単に仲良しだからという理由ではなく、自分が自分らしく活躍していくために5人でいることを選んだ。元々グループ愛を全面にアピールしていた猪狩くんはもちろん、1対4の大喧嘩になってグループを移籍するか新しいグループを作るかという話にまで発展したゆうぴも、HiHi Jetsの最後の1ピースとなった作間くんも、瑞稀くんと同じように多くの仲間との別れを経験してきた涼くんも。「続ける」という決断をし続けた結果として今も隣にいるはしみずは、雑誌で2人で対談していても毎回気づくとグループの話に変わってしまうのがあまりにも愛おしい。
私はずっとHiHi Jetsを「信じたい」と思っていた気がする。けれど、いつからか5人が5人でいてくれることを当たり前に「信じる」ようになった。今となっては「ずっと5人でいてね」と伝えるまでもない。HiHi Jetsは5人でいるために、5人でずっと笑っているためにどんな難局だって乗り越えていくに決まってる。私にできることはほんの少し5人の背中を押して、加速させること。時は21年、最速で掴みましょう。
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