やってはいけない投資
『貯蓄から投資へ』なんて政策が叫ばれて、はや何年。最近では『資産運用立国』なんてスローガンもあります。
インターネット広告には、儲かる株式投資を掲げる情報商材が溢れ、証券口座数はどんどん増えています。それが悪いことととは言いません。ただし、投資は本来自己責任。国や人に勧められてやるもんではありません。確かに今は投資を文化にするため、一種の布教活動が行われているのかも知れませんが、投資教育の進んでいる米国でさえ、SNSの情報に煽られて、若い人が貴重な財産を失うケースが相次いでいます。それは国内でも変わらず、ネットの情報や情報商材、投資サークルなど、他人任せの投資に惑わされ、大切なお金を失った人が増えています。
『投資』をするなとは言いません。投資はギャンブルではありません。自己管理によってコントロールできるものです。ただし、それを実現する為には、感情、理性、情報処理力を徹底的に鍛える必要があります。楽ではありません。もちろんたまに運良く楽して儲かる場合もありますが、ほとんどのケースはそうではありません。
日本には江戸時代から大阪の米先物市場などがあり、投資や投機に関する理論や哲学がありました。それは現代の行動経済学に通づるものもあります。にもかかわらず、それは文化に溶け込まず、日本人の周囲に流されやすい性質が先行し、他人任せな投資が蔓延しているのです。
『投資』という機能は、言うなれば、資本主義に対する選挙であり、一般化すれば経済の民主化を促すことにも繋がります。究極的には、カールマルクスが実現しようとした資本家からの解放を、共産主義のシステムに頼ることなく実現できるかも知れません。遠い未来には、国家に税金を納める代わりに、社会機能を担う組織や企業に投資することで、社会を機能できるかも知れません。
まぁ、それはアナーキストの妄想かも知れませんが、人々がそれぞれ自身の責任と理性で社会に関わる力を持てれば、政治家、経営者、富裕層から発言力を奪うこともできるかも知れないのです。
そのような投資を実現するために、まずはそうではない投資、『やってはいけない投資』について考えてみたいと思います。キーワードは、『感情』、『意思』、『理性』、『情報』です。
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