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【トレード戦略】ローソク足の分析

はじめに

ローソク足のテクニカル分析は非常に実益のあるスキルですが、習得には試行錯誤とそれなりの期間が必要だと感じます。
ここではできる限りローソク足から読み取れる事実とメッセージを記載していきます。もしテクニカル分析に長けている読者の方がいましたら、読み取りの間違いや別角度からの視点をご教授いただけたら幸いです。

基本前提となるワイコフの3つの法則

リチャードワイコフが提唱している「出来高・価格分析=VPA」の理念・法則に則って分析を行います。詳しくは下記の本をご一読ください。このnoteを読むよりもはるかに早く、かつ質が高くそのスキルを習得できます。

出来高・価格分析の完全ガイド ──100年以上不変の「市場の内側」をトレードに生かす

ワイコフは、市場をその動きで判断するとき、価格・出来高・値動き・支持・抵抗を指し示すものがチャートに現れるといい、これを見つけて分析するのがVPAと示しました。
そしてその判断材料の基本となるのがローソク足です。

ワイコフの3つの基本法則
①需要と供給の法則
需要が供給を上回るとき=価格は需要を満たすために上昇
供給が需要を上回るとき=供給が需要を上回ると価格は下落、やがて過剰な供給は吸収される
※価格上下は需要と供給で決まる
②出来高と値動きの法則
出来高が少なければその後の値動きも小さい
※出来高の大小でその後のトレンドの大小も比例する
※価格の大小にとらわれず、あくまでも出来高とセットで見ることが大事
③出来高と価格・値動きが一致する法則
出来高の動きを価格の動きは反映する。

出来高・価格分析の完全ガイド ──100年以上不変の「市場の内側」をトレードに生かす

出現したローソク足が3つの法則に則っているならば、そのローソク足が伝えようとしていることは信頼できるメッセージとなります。
重要となる視点は、これらの3つの法則に当てはまらないような状況が出現した時に「何かおかしいことが起きている」と分析の必要性が生まれるということです。

最後に、ローソク足一つで投資判断をしてはいけません。あくまでも情報を読み解くパズルの1ピースです。いくつも同様のメッセージが発せられているならば信頼できるに値します。そうでなければノイズです。決して焦らないようにお気をつけください。

本日の銘柄 $BELFB

$BELFB 日足

ギャップアップした日の足を1本目とカウントします。合計15本の足が分析対象です。・以降が読み取った事実、→が推測できるメッセージです。

  • 2本目足は、前日足と比較すると出来高と実体(始値と終値の差)の減少が対応しています。法則に則り信頼できるメッセージと判断できます。→まだ上昇圧力がある。上ヒゲは上昇にさらなる力を必要とする

  • 3本目足は2本目足と出来高がほぼ同じも実体が小さい。この矛盾は推察を必要とする。しかし1回目のシグナルなので確定判断にはできない。この水準には強い売り圧力が存在する。この点は2本目足のメッセージと矛盾しない。→誰かがこのポイントで大きく売っている。邪推すると利確売や機関投資家の売り抜けを想定

  • 4・5本目は出来高も実体も同じ割合で縮んでいる。6本目も法則に従っている。これは信頼できるメッセージ。これらの足にはヒゲがついており、買い圧力が下方で生じている。複数の足から発せられるシグナルは信頼できる→3本目の売りを相殺する買い圧力を確認。下値はしっかり。

  • 7本目の陽線は、実体の変化に対して出来高が小さすぎる。矛盾が生じる→買いが続くも上値は重い。この後に続く足で判断

  • 8本目・9本目はそれぞれ強い矛盾が生じている。8本目は出来高がとても多く実体が小さい。この水準での売りが殺到しているため、このレベルで上値抵抗が意識される。9本目は出来高が極端に少なく、かつ実体が大きい。いくつもの矛盾からこの足の示すメッセージには説得力が欠ける。→利確売り・及び機関投資家の売り抜けか?3本目足と同じレベルでの売りは、抵抗線の形成と矛盾しない。ここから上抜ければ買いが旺盛でレンジが引き上げられ、ここで売り止められればトレンド反転の可能性を含む。

  • 10・11・12本目は実体の拡大と出来高の拡大が比例しており、値動きとして信頼できる。出来高を伴いながらの上昇は、まだまだ買い圧力が加わっていることを示す。しかし12本目には上ヒゲがあり、上値が重いことを示唆する。→売り抜けの水準を一段高く引き上げられる強さを印象付ける。12本目足が次のレンジになりそう。

  • 13・14本目ではそれぞれ矛盾が生じている。実体の変化と出来高の変化が比例していない。共通するメッセージとしては上ヒゲが伸びていて上値が重く、買い圧力の源泉となる出来高は減少している。→これらは10-12本目が示すシグナルと共通する。パズルのピースとしては信頼できないが、同じメッセージは強いシグナルの準備となる。トレンド反転の気配がチラつく。

  • 15本目は平均以上の出来高で下落。下方トレンドの移行を示唆している。しかし出来高の割に実体の変化が大きい。これは法則に基づくと矛盾している。平均以上の出来高のローソク足はメッセージ性が強く検討に十分に値する。→弱気のメッセージを発しており、以前の足の上値抵抗と共通点がある。しかしこれだけでは判断が難しく、翌日以降のシグナルを合わせて分析の答えを出したい。

終わりに

このような流れでローソク足を分析します。今回、上値抵抗線や下値支持線については言及しませんでした。またこの銘柄がどのようなトレンドを持っているのかも触れていません。そういった前提条件を含めないと分析は意味を持つことが難しいと思います。具体的には週足チャートで同様の分析を行いながら、日足で細かくチェックしていく流れになります。これについてはまた別に紹介しようと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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