【trade戦略】ベースカウントを投資戦略に組み込む
ベースは「機関投資家がそこにいる」というサイン
ベースとは、ウィリアム・オニールの代表的な書籍「成長株発掘法」で登場する、機関投資家の買い集めとふるい落としの期間のことを指します。基本として安値から30%以上の上昇を遂げた後に形成されます。
ベースがチャート上に現れた場合、機関投資家の存在があると考えることができます。この理由の説明と背景は上記オニールの書籍を参考にします。
機関投資家は「安値で買い集め、高値で売りぬく戦略」を持ちます。この戦略を実現するために、
①安値で仕入れるために、保有者に安く株を手放させて買い集める
②様々な情報を利用して株価を高値に誘導し売りぬく
という行動を繰り返します。
この戦略の肝となる①の期間では「上値抵抗部分と下値支持部分に挟まれたレンジ」で価格が推移します。このレンジをベースと呼びます。
ベースは次のaとbの2つの動きで構成され、aが確認された後に上昇部分であるbが発生します。
a ふるい落としと呼ばれる一時的な株価の下落=売り手を喪失させる
b 売り手が喪失した後に待つ株価の上昇=買い手優位の状態
買い手>売り手の状態が成立した時に、そのベースから価格は上方に突き抜けていきます。このbの状態をベースブレイクやベースブレイクアウトと呼びます。
ベースブレイクした後も再度ベースを形成することがあり、そのような銘柄は執拗な機関投資家の動きをするだけ魅力的とも言いかえることができます。
ベースは週足で7週間以上が基本
ベースの形は様々です。名称を下記に挙げます。
代表的なcup with handleは7週以上の形成期間を必要とします。基本的にはどのベースも7週以上の形成期間が必要と捉えても問題は無いです。flat baseが5週以上なのは非常に興味深いです。
必要期間以上に重要なのが、ベース内の出来高です。ベース内部の理想的な出来高は減少です。売り手が下落時に減っていくことで先のaを確認していくわけです。
もし必要以上に出来高が増えた場合、もはやそのレンジの動きは機関投資家によって意図されたベースではなく、自然発生的に生まれている単なる値動きである可能性が高いと考えられます。
また価格の異常なまでの乱高下も機関投資家のコントロールが行われていないと推測されるため、自然発生的な値動きと見做しても良いでしょう。
その形状が美しさ(オニールの成長株発掘法にあるモデルに近いか)を伴っているか、アート的な観点ですが案外重要なことだなと私は考えています。
前ベースの安値を割ると、なぜベースカウントリセットなのか
上のトピックで説明したように、ベースと自然発生的なレンジは非常に混同しやすく、その見極めが重要です。
仮にそれが機関投資家が介入しているベースであった場合、現在のレンジの下限である安値が前のベースの安値を下回ることはまずありません。
そうならないように売り手を排除したわけですし、機関投資家が買い支えることなく価格が下落するということは、彼らの戦略に反することになるからです。
健全にベースが形成されている場合、不自然な下髭が日足・週足に見られたり、下落が21EMAや10wSMAで下げ止まったりする現象がしばしば見られます。
こうした種々のサポートが欠落している場合、前ベースの安値を割ることがあります。そう、それはつまり機関投資家はいないということが明確だということです。
時に出来高が少ないから良いという意見も見られますが、スタン・ウエインスタイン氏曰く「安値を下切る事実こそが重要で、出来高は重要でない」と氏の著書で述べています。
前ベースの安値を割った銘柄は機関投資家が不在であるため、今まで確認したベースの有効性が無効化されます。これをベースリセットと呼びます。
ベースブレイクアウト戦略の勝機は初期ベースにあり
上昇していく銘柄はベース形成とベースブレイクを繰り返していきます。
しかし必ずどこかで機関投資家はその銘柄から抜けます。このサインは売り抜けという言葉で表現されますが、これはまた別の機会で。
機関投資家が不在となった銘柄は下支えがなくなったも同然、どこかで株価は下落します。こうした下落リスクが最も低いのは、最初に形成されたベースのブレイクに便乗することです。
先日作成したnoteにベースブレイクとstage分析を組み合わせたentry方法として、1st baseとstage2が同時に成立したタイミングでのエントリーを紹介しました。こちらもぜひご覧いただければ嬉しいです。
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