「5000兆円ほしい!」を叶えるためのキャリアプランニングのコツ
技術書典7でのベストセラー「ワンストップ目標設定の技術」の商業版が発売されました!
私が同人誌版で寄稿した2記事も、加筆修正をして商業版に掲載していただいてます。
この記事では2本寄稿したうちの1本を無料公開いたします!(もう1本は無料公開の予定はありません)
はじめに
エンジニアの皆さんこんにちは!
5000兆円ほしいですか?年俸5億ほしいですか?
個人開発者のかしいです。
2017年から「ワラリー!」というお笑いライブの検索サービスを個人で開発・運営し、2020年に企業に売却しました。
大企業SIerからエンタメ系のWEBベンチャーに転職した後にフリーランスとなり、5年前に自分が目標としていたキャリアチェンジを達成できました。
キャリアに悩んでる人にとって、この章が目標設定の役に立てれば幸いです。
「5000兆円ほしい」を叶えるための目標設定のやりかた
目標設定に悩む人あるある…。
なんとなく毎日「このままでいいのかなぁ」と感じるものの
「やりたいことがない」
「趣味もない」
「何をすればいいのかよくわからない」
結果、「このまま」を続けてしまうという負のループに陥いる…。
この章の目標設定のステップにしたがって、一緒に5000兆円を手に入れましょう!
やりたいことを書き出す
今の生活で「こういうことをしたいなぁ」ということを、とりあえずいろいろ書いてみませんか?
「おいしいケーキが食べたい」
「友だちと一緒に遊びたい」
「旅をしながら働きたい」etc…
たいそうな目標じゃなくていいんです。現実的じゃなくてもいいんです。
「したいことがない」という場合は、「なんかやだなぁ」ということをつらつら書いてみましょう。
やりたいことの優先順位を考える
「もうないか」というところまで書いたところで、いったん立ち止まります。
とりあえずいろいろ書いてみると、「これはどうでもいいな…」とか、「これは本当にそう」と優先順位がつけられるようになっています。
人によっては家族と過ごす時間が1番とか、趣味が1番、それよりもとにかくでかい家を建てたいとかいろいろあると思います。
「やだなぁ」なことを書いた場合はどれが1番イヤかを考えて、「その嫌なことがなくなること」をまず目標にしてみましょう。
この章では「5000兆円ほしい」が1番やりたいことだったという仮定のもと話をすすめます。
「なぜ」それが1番なのかを考える
「5000兆円ほしい」とは一体どういう意味なんでしょうか。
「好きなときに好きなようにお金を使いたい」という消費者としての願望だったり、
「資金を気にせずに投資して自分の夢を実現したい」という意味なのかもしれません。
「働かなくてもいいくらい金銭的な自由がほしい」という人もいるかもしれません。
「5000兆円ほしい」だとと途方もない目標に見えますが、たとえば「金銭的な自由がほしい」に置き換えると現実的な目標が見えてきます。
目標が叶えられるためには何をやるべきなのかを情報収集する
「継続的にたのしく生活費以上のお金を稼げる方法を見つける」に目標が変わったところで、どんな選択肢があるか情報収集してみます。
情報収集のコツは、ネットだけではなく実際に人に会って話を聞くことです。
エンジニアであればconnpassやDoorkeeper、TECH PLAY、Meetupでもテーマ別にイベントが開催されています。
Twitterで募集をかけて、「◯◯という条件にあてはまる方、一緒にランチ行きませんか?」と受け付けている人もいるかもしれません。
自分が興味を持てるテーマのイベントにまずは行ってみて、気が合いそうか、自分もその人たちみたいになりたいかを考えてみるとやる気になれます。
すぐやれそうなもの、うまくいきそうなものから手をつける(最初は数値目標)
情報収集した上で、「これならできそう」というものから手をつけていきます。
うまくいきそうなもの
・自分が得意そう、続けられそうなこと
・需要がありそうなこと
すぐやれそうなもの
・自分がわくわくするもの
・お金をかけずに始められるもの
得意なもの、好きなものを探そうとすると「自分には得意なことは何もない」「どれもやりたくない」となってしまう可能性もあります。
その場合は「まだマシ」「やればちょっとはできるかも」と思えるものを消去法で選んでいきましょう。
1週間に1冊本を読む、1週間に2回は勉強会やもくもく会のイベントに行くなど、最初は「継続する」ことを優先して数値目標を考えるとわかりやすいです。
目標を立てるときのコツとして、『SMART』という方法論があります。
* Specific:具体的に
* Measurable:数値で測れて
* Achievable:達成できそうで
* Relevant:関連がある
* Time Bound:期限を決める
これに従うと、
「2019年末までに」→期限を決める
「個人開発プロダクトで月1万円の利益」→数値で測れる、達成できそう、金銭的に自由になるという目標と関連がある、具体的
など、「達成したかどうか」を判断できる目標ができあがります。
やってみた結果を見て目標を修正する
基本的にやってみないと、どれぐらいの目標が現実的なのかわかりません。
立てた目標に対してやってみた結果を日次、週次、月次で振り返りしていきます。
「あー全然ダメだな」とか「これは以外と反響があったな」と分析してみましょう。
「2019年末までに個人開発プロダクトで月1万円の利益」の目標に向けて今どの地点にいるのか。
あまりにも難しそうであれば目標を月1000円に変えてみたり、逆に期限よりも前に達成したら「月2万円」など目標を修正します。
「個人開発プロダクト」という縛りが難しければ、「副業」など定義を広くしてみてもいいです。
とにかく達成できそうな目標に修正して、「少しづつ前進している」と感じることが重要です。
いろいろ試してうまくいったものを続ける。うまくいかなかったものはやめる
新しく始めることは、うまくいかない可能性もあります。
複数のものを平行してやってみて、1番うまくいった分野に時間や労力を集中させましょう。
新しく「やりたい!」というものが生まれたり、「本当にこれが重要なんだっけ?」と不安になることもあるかもしれません。
そういうときは、また1番のステップから順にやってみて人生の優先順位を修正しましょう。
筆者の場合の目標設定のステップ
1. やりたいことを書き出す
SIerで3年働いてみて、「会社の上司みたいになりたいと思わない。今のキャリアは続けられない」とはっきりわかった瞬間がありました。
次に何をやるかを考えたとき、
などの願望がわいてきました。
2. やりたいことの優先順位を考える
どれも重要なのですが、実現の可能性や順序を考えると
本業はデザインが重視される領域で働く
→ タスク管理能力を身につけて生産性をあげる、汎用的なスキルを身につける
副業で自分の好きなことをやりつつ、好きなことで稼ぐ方法を考える
→ 自分の作品をどんどんつくる
→ 広告収入や販売収入など、作業せずに得られる収入を増やす
本業と副業のスキルを掛け合わせて、うまくいったスキルを武器にフリーランスになる
→ ヨーロッパに移住してフリーランスビザを取得する
という道のりがいいのではと考えました。
この時点では「フリーランスになる」が最終目標になっています。
3.「なぜ」それが1番なのかを考える
なぜフリーランスになりたいのでしょうか。なぜ時間的・位置的な制約を受けたくないのでしょうか。
私は上司にスケジュールを決められて、好きなときにイベントにいけないのがとても苦痛でした。
自分の好きなエンターテイメントの世界が1番大切だと思ったのです。
かといって趣味が1番だから、定時で帰れてそこそこの給料がもらえれば仕事はつまらなくてもいい、とも割り切れません。
自分が好きなエンターテイメント以上に、夢中になれる仕事を見つけたい。
自分の好きな作品が伝えてくれるメッセージのように、輝きながら生きていたい!
4. それが叶えられるためには何をやるべきなのかを情報収集する
「夢中になれる仕事」が何かはまだわかりません。
まずは自分の興味がある範囲で、フリーランスになりやすい職業を洗い出しました。
・デザイナー
・ライター
・ブロガー
・エンジニア
このどれかになれるように、「勉強 → 実践」のサイクルを回していきます。
5.すぐやれそうなもの、うまくいきそうなものから手をつける
まずは興味があったことを手当たりしだいやってみました。
インフォグラフィック:「たのしいインフォグラフィック入門」を読んでインフォグラフィックを作る。
グラフィックデザイン:フリーランスで活動する母親の名刺を作る。
ブロガー:自分が興味のあるチケットに関することを書いてみる。
ライター:クラウドソーシングサービスの『サグーライティング』を使って口コミや体験談の記事を書いてみる。
WEBエンジニア:自分の使っていたサービスが閉鎖したことをきっかけに、代替となるお笑いライブの検索サービスを作り始める。
WEBデザイン:フリーランスで活動する母親のサイトのデザインを修正する。お笑いライブ検索サービスのデザインを作る。
6. やってみた結果を見て目標を修正する
インフォグラフィック:ツイートしたところ1.2万RT、2万いいねくらいまでバズりました。
しかし画像1枚をつくるのに1週間くらいかかってしまい、「コスパが悪すぎる」と感じて断念しました。
グラフィックデザイン:プロのデザイナーを目指すには、「新しい発想」や「丁寧な文字組み能力」が自分には欠けていると感じて断念。
ライター:初めてクラウドソーシングで書いた記事がコピペまとめメディアに掲載された上、27PVしかなかったことに腹を立てて断念。
3000文字書いて300ポイント(のちに失効)で27PV。
「だったら自分でブログ記事にした方がまだ広告収入も閲覧数もあるわ」と感じてしまい、専業ライターの道をやめました。
ライティング自体は技術同人誌に寄稿したり、ブログ記事を書いたりで続けています。
ブロガー:自分の書きたい記事が需要あるとは限らず、記事ごとに1万PVあったり10PVだったり差が激しいと痛感。
オンラインサロンで信者から巻き上げるビジネスをするのか〜と思うと嫌気がさして、本業ブロガーの道はやめました。
ブログ自体はノウハウブログと技術ブログを今も運営しています。
WEBエンジニア:いろんな人に助けられつつ、サービスを2年半運営し続けられました。
最初の1年間はひたすら手作業で1万件のデータを入力していたので死にそうでしたが、勉強してなんとか自動化できました。
サービスのPVやユーザー数も右肩上がりに成長したので、ある程度向いているのではと感じられました。
WEBデザイン:フロントエンドを作り込むことにあまり魅力を感じず。WEBデザイナーよりWEBエンジニアの方が稼げると聞いて、方向を転換しました。
7. いろいろ試してうまくいったものを続ける。うまくいかなかったものはやめる
ここまでやってみたところで、「まずは個人開発のサービスに注力しよう」と判断ができました。
最終的に、「個人開発サービスを成長させるための目標」と個人開発サービスを軸にした「キャリアの目標」ができあがりました。
個人開発プロダクトを成長させるための目標
短期目標:
いつまで:2019年6月まで
数値の目標:月10万PV、月1万の利益
中期目標:
いつまで:2020年まで
数値の目標:月30万PV、月10万の利益
長期目標:
いつまで:2021年まで
数値の指標:月100万PV、月30万の利益、企業に売却する
1年単位なのでざっくりしていますが、これをさらに月ごとに「やるべきこと」にブレークダウンしていくイメージです。
キャリアの目標
短期目標:
個人開発サービスをポートフォリオとして、ワラリーとシナジーがある会社に転職する(エンターテイメント系か、WEBメディアか、Railsエンジニアか)
中期目標:
自分が開発したサービス(ワラリー!)を企業に売却する
転職先で身に付けたスキルでフリーランスになる
長期目標:
フリーランスとしてヨーロッパで暮らす
まとめ
目標設定して5年間生きてみた結果、
・自分の好きな価値観の人に会う機会が増えて、人生の幸福度が上がった
・今いる外のコミュニティに向けて情報発信したり、それがきっかけで交流したり、ほかの人の力を借りたりできるようになった
・短期的な結果に一喜一憂せず、長期的な目標と結果を重視する忍耐力が身についた
・SIerから「エンタメ×テクノロジー」という自分の興味とスキルがどんぴしゃな会社に転職できた
・入社した1年後に転職した会社もやめ、フリーランスとして活動できるようになった
・自分が開発したサービスを企業に売却するという中期目標を達成できた
と、少しづつですが自分の目標に近づいている感じがあります。
事業計画のように自分の人生を設計し続けるのは正直しんどいときもあります。
それでも「目標」を設定することで、「なんか面白いことないかなぁ」と呟くだけの日々から少しづつ抜け出すことができます。
今は「フリーランスとしてヨーロッパで暮らす」という長期目標の達成に向けて、ヨーロッパ移住の準備をしています。
この章が「5000兆円ほしい」とつぶやいているみなさんの一助になれば幸いです。
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最後までお読みいただきありがとうございました!
こんな感じでいろんな目標設定の技術が知りたい方は、ぜひ商業本の方もチェックしてみてください!
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