動画で見る主要語族拡散の歴史
都知事選への立候補を表明した安芸高田市長石丸伸二氏について、批判する動画を公開したら、石丸氏側を支持し、動画投稿者を批判して、最後に石丸氏の切り抜き動画で勉強してくれと締める判で押したような動画がたくさん作られているとのことです(2024年5月21日)。
そんなわけで、石丸氏を取り上げるのがよいかとは思ったものの、私のスタンスとしては、人類史と現代の流れを関連付けていったうえで、将来向かうべき方向が見えてくることを期待していますので、別の話題を取り上げることにしました。
今回は、代表的な語族の拡散の歴史を追ってみたいと思います。
印欧語族
ユーラシア西部のうち、中央アジア、トルコ、アラビア半島を除く地域に広がりました。ローマ帝国、ペルシア帝国、ムガール帝国を生みました。
トランスユーラシア諸語
こちらは語族ほどの強い関係性が見られない、諸語という扱いですが、ある程度の共通性は持ちます。トルコ、中央アジア、モンゴル、朝鮮半島、日本、満州、東シベリアに広がっています。オスマントルコ、モンゴル帝国(元)、清を生みました。インドヨーロッパ語族の間に切り込むような形でトルコがあります。
アフロ・アジア語族
アラビア語を含む語族です。アラブ半島から北アフリカに広がりました。遊牧民のイスラム社会が中心です。イスラム帝国を生みました。
シナ・チベット語族(中国語のみ)
中国語です。宋・明などを生みました。動画で見ると18世紀から範囲を広げたことがわかります。
あれこれ
世界史の中では、ゲルマン人の大移動や、イスラームのヨーロッパ侵攻、オスマン帝国のバルカン半島進出、モンゴル帝国のヨーロッパ遠征などの項目で扱われるできごとを、語族という視点から表した内容になるかと思います。結局それらの国は、今ではヨーロッパを治めておらず、インドヨーロッパ語族が新大陸への進出やアジア・アフリカの植民地支配を通じて勢力を伸ばしています。
一方、インドや中国に誕生した帝国は、ヨーロッパとは異なり、それぞれの地域から大きく版図を拡大することなく、植民地化を経て今に至ります。
中国語は、古代から次第に範囲を広げ、中華人民共和国になってもまだ分布を広げています。
次回の記事では、なぜヨーロッパ人は世界に広がり、中国やインドは植民地になったのかを探ってみたいと思います。
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