【失敗や苦悩が人を成長させてくれる】というのは具体的にどういうことか【後編】
前回のつづき。
仕事と人間関係については、誰もが悩むところと思いますが、私もご多分に漏れず大いに頭を悩ませました。
業務量が恐ろしく多い部署に配属された時に身に着けたスキル「GTD」
デスクワーク中心の部署に配属になった際、そのあまりの業務量の多さに勤務時間中はもちろん、自宅にいる間も仕事のことが頭から離れなくなりました。
手持ちの業務が終わっていないにも関わらず次から次へと追加されるタスクに、徐々に精神を蝕まれていきました。
私は元々、沢山の業務を並行して行うよりも、限られた業務を深く追求するタイプ性格でした。
また、ワークライフバランスが叫ばれ始めたのもこの時期で、残業が認められなくなってきたということもこの状況に拍車をかけたと思います。
そこで、現状を打破すべく、効率的に業務をこなす仕事術を模索しました。
インターネット、書籍など様々な媒体で調べてみました。・・・が、基本的に書かれていることはどれも同じで、
スケジュールを立てる
視野を広く持つ。俯瞰する。
優先順位を決める
メモを取る
時間で作業を区切る
できない仕事を断る
「マルチタスク」ではなく「シングルタスク」
完璧を目指さない
といった具合でした。
エッセンシャル思考も学びましたが、そもそもシングルタスクが許されない職場(次から次へと急ぎの仕事の依頼が入る)だったため、とても実践することはできません。
ちなみにエッセンシャル思考とは、
ってやつで。
一時期話題になってましたね。
そうした中で、私を助けてくれたのが、GTD(Getting Things Done)式タスク管理でした。
これは、あくまで「タスク管理術」です。
おおまかな手順としては、
把握する
見極める
整理する
更新する
実行する
という5つのステップを踏むだけです。
実践には、「ノートと付箋を使ったアナログ式」または、「Excelやメモ帳系のアプリケーションを使うデジタル式」のいずれかが必要です。
私はEvernoteに
①新たに追加された仕事リスト
②即時処理が必要な仕事リスト
③3日以内に処理が必要な仕事リスト
④指定する期日まで待機する仕事リスト
⑤連絡があるまで待機する仕事リスト
こうしたノートブック(フォルダ)を作り、仕事を振り分けることとしました。
仕事というのは全部が全部今すぐ処理しなければならないものではなく、優先順位をつけていけば、意外と「②即時処理が必要な仕事リスト」は多くはないことがわかりました。
また、③〜⑤のリストに入っているものは、その日の朝イチで一度確認すれば、その日はそれらのタスクは二度と思い出す必要はありません。
そして、新たに仕事が舞い込んできたとしても、とりあえず「①新たに追加された仕事リスト」ノートブック(フォルダ)に放り込んでおけば、一旦頭から完全に消し去ることが出来ます。
こうして、結果的にシングルタスク環境を構築することが出来、事実上エッセンシャル思考を実践することが出来ました。
この方法は恐ろしいほどの効果を発揮してくれました。
仕事時間中の業務が終わっていない焦りはもちろん、帰宅後でも仕事のことを完全に忘れることができたのです。
なお、このGTDを実施するにあたっては、業務のリスト振り分けの際に『イシューからはじめよ』という書籍を読んでおくと、よりスムースにGTDタスク管理術が実践できます。
この本は、仕事の見極めに関するロジカルシンキング法について書かれているもので、タスクを完了するために必要な時間を見極めるのに非常に有用な内容が書かれています。
職場の人間関係に悩まされることがなくなる考え方
サラリーマンの最大のストレスは人間関係と言われていますよね。
私の場合、主に以下の点が悩みの種でした。
①やる気はあるけど、仕事が出来ない上司・同僚の扱い
②能力はあるけど、やる気がない人の扱い
③やる気もない、仕事も出来ない上司・同僚の扱い
④周囲の同僚に対してイライラしてしまい、自分の業務に影響が出る
まず①と③については、基本的に自分がどうにかできるようなモノではありません。
特に30歳を過ぎてこの状態の人は、ほぼ手遅れです。
あくまで私見ですが、この類の話は、「能力の初期値」と「成長できる才能」の2点でおおよそ決まると考えています。
最初は仕事ができない側の人でも、成長する人間は「成長できる才能」を持っています。「努力」というものは誰にでもできるものではなく、立派な才能の一種です。
逆に「成長できる才能」を持ち合わせていない人は、何年経ってもほぼ変わりません。
以前、約10年ぶりに同じ所属となった10歳年上の同僚は、驚くほど何も成長していませんでした。
長く勤めている分、多少の知識こそ身につけいましたが、それを活かすための行動の仕方がわからないように見えました。
逆に「能力の初期値」が高くても、そこから伸びない人もいます。ただ、このケースは最終的に普通レベルの能力程度は保持できるので問題になることはあまりないと思います。
話を戻しますが、こうした能力値が不足している同僚については、成長を期待しても自分にストレスが掛かるだけなので、早々に諦めましょう。
そして、逆にその人でもできる仕事について構築してあげるとよいです。
長い目で見るとこの手法は誤っているかもしれません。
でも、だからといって今自分が抱えているストレスを、成長する保証が全くない同僚に期待しても更にストレスが増えるだけです。
この方法は、実践すると同僚の仕事の一部を自分が行うことになるので、自分の仕事が増えます。
それでも、「なぜこんな事もできないんだ」というストレスが無くなり、総合的にストレスはかなり軽減されるはずですし、仕事ができない同僚の尻拭きをしなくても良くなる分、トータルの労働時間は短くなる可能性すらあります。
アドラー心理学でいうところの「課題の分離」というやつをしっかりと見極めましょう。
②についても、同じく諦めましょう。
やる気がない人は、多くの場合、「より良い仕事」を求めていません。
今風に言えば、タイパ重視の人たちですね。
彼らは自分の仕事は最低限こなすけど、組織全体としてのパフォーマンスには興味がないため、彼らに何かを期待してはいけません。
むしろ、自分の仕事だけは最低限こなしてくれることをありがたく思ったほうが精神的に良いです。
④については、①〜③によって引き起こされるものという前提になりますが、怒りは自分のIQを下げると言われています。
組織のことを考えて仕事をしている人であれば、きちんと仕事をしない人に対して苛立ってしまうのは普通のことだと思います。
でも、怒りで苛ついてしまっては、自分自身のパフォーマンスを落とすことになります。
おかしな人達のために、自分のパフォーマンスを落としてしまっては本末転倒です。
それでも苛立ってしまった場合は、良い対処法があるので紹介しておきます。
それは、相手の一挙一動に反応しないことです。
この本、かなり有名なのでご存じの方も多いと思いますが、具体的なアンガーマネジメントに関する書籍ですね。
心の反応の仕組みと、その具体的な対処法について書かれているので、職場の同僚に対するストレスが多い方は是非とも一読願いたい良書です。
まとめ
前編とあわせて、長々と書き綴ってきましたが、失敗や不満・悩み事は、真正面から向き合うことで、自身を大きく成長させてくれます。
最近は嫌なことは避けて通ることを良しとしている風潮がありますが、人間生きている限り、常に問題にあたり続けるものです。
「若いときの苦労は買ってでもしろ」といいます。
まさに、こういうことなのだと逃げずに続けてきたから今だからこそ、その意味が痛いほどわかります。
非常につらい思いも沢山してきましたが、20年間闘い続け、40代となった今、困ることはほぼありません。
安っぽい言い方をするならば、無双状態です。
なんだか自分自身の自慢話のようになってしまいましたが、苦労は将来の自分への投資であり、成長の源なのです。
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