【カタールW杯】日本vsスペイン|グループE第3節
「日本がスペインに勝利」
夢のような勝利だが、それが妥当だと思えるくらい素晴らしい試合だった。
この試合における、日本のプレス方法の変更と、伊東の守備面での危うい場面について、振り返る。
第1戦↓
第2戦↓
2022.12.2
カタールワールドカップ
グループE 第3節
日本
×
スペイン
~スタメン~
~ピッチ中央でのプレス~
初めの約30分とそれ以降で、日本はプレスのかけ方が変わっていた。
序盤
まず、初めのプレスのかけ方について。
右CBロドリがボールを持った時、まず、前田がアンカーのブスケッツへのコースを切りながら寄せる。
右SBアスピリクエタにパスが出たら、鎌田が寄せる。
前田はブスケッツの位置へ戻る。
そして、鎌田は、逆サイドへボールが渡るのを確認したら、元のポジションに戻るのではなく、少し高い位置を取り、ロドリの近くで待つ。
左SBバルデから左CBパウ・トーレスにパスが出たら、前田が寄せていき、鎌田もロドリとの距離を詰め、パスを出させないようにする。
守田はブスケッツへ寄せていく。
このように、日本は鎌田が前に出ていくことでプレスをかけ、ボールを奪おうとしていた。
しかし、パウ・トーレスが浮き球でフリーのアスピリクエタに繋いだり、守田のマークを受けているはずのブスケッツがワンタッチで素早くパスを出すことで、日本のプレスを簡単にかわしていた。
また、鎌田がロドリに寄っていったら、それに気づいたロドリが、下がっていって鎌田としっかり距離を取っていたので、そもそも鎌田がロドリのところまで行けないことが多かった。
そのため、序盤は日本がいい形でボールを奪うことはあまりなかった。
前半途中〜
30分ほど経過した頃から、日本はプレスの形が変わっていた。
ボランチの田中が積極的に出ていって、CBパウ・トーレスへプレスをかけるようになっていた。
田中はそれまでは基本的にIHペドリを見ていたが、そのペドリをCB板倉に任せ、前に出ていく。
パウ・トーレス以外の3人のDFに関しては、日本の3トップがマークにつくことができる。
そしてブスケッツは守田がマークする。
このように、プレスの形を変えたことで、プレスがハマる場面が増えてくるようになっていた。
~相手ゴール前でのプレス~
相手ゴール前での場面に関しては、初めからかなりアグレッシブにプレスかけていた。
1点目のシーンは、まさに相手ゴール前でのプレスから生まれていた。
日本の3トップが、スペインのGKとCBに寄せる。
そして、WBが、スペインのSBのところまで出ていく。
リスクを恐れずプレスをかけたことが、見事にゴールにつながった。
~試合結果~
日本 2
48' 堂安 51' 田中
スペイン 1
11' モラタ
~ハイライト~
~伊東の危うさ~
攻撃力に関しては申し分なく、アグレッシブなプレスから同点弾も演出した伊東純也だが、守備面で不安な面もあった。
スペイン戦の中から2つ紹介したい。
一つ目は、前半10:50のシーン。
スペインの右サイドでWGニコ・ウィリアムズが仕掛けている時、左WGダニ・オルモがゴール前に入ってくる。
このとき、伊東はシンプルにダニ・オルモを放っておいてしまう。
伊東としては、CB板倉に任せたかったのかもしれないが、このとき板倉はモラタやペドリを見ていたため、ダニ・オルモのことを見る余裕がなかった。
このシーンではクロスを守田がクリアすることができた。
ただ、ダニ・オルモは完全に伊東の前に入り込むことができていたため、もしダニ・オルモまでパスが届いていたら、得点されていた可能性は高い。
WBとしては、逆サイドからのクロスの対応には常に集中力が求められる。
二つ目は、後半43:45のシーン。
スペインの右サイドでアセンシオと三笘が対峙しているところに、右SBカルバハルがオーバーラップしてくる。
このとき、カルバハルに対して、三笘と伊東が二人ともついていってしまう。
その結果、アセンシオがフリーになって内側に持ち運び、危険なミドルシュートを打たれてしまう。
本来なら伊東は、カルバハルのマークを三笘に受け渡し、自身はアセンシオを見るべきだったと思う。
ただ、マークを受け渡すにしろ受け渡さないにしろ、伊東が三笘に声をかけて、どうするのか指示を出すべきシーンだった。
~終わりに~
次はいよいよ決勝トーナメント。
とにかく勝ってほしい。
めちゃくちゃ応援します。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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