『世界で最後の花』
『世界で最後の花』
ジェームズ・サーバー著
村上春樹訳
第二次世界大戦が始まる前に書かれた本らしいのだけど、今もそのまま通じる。村上春樹による新しい翻訳で再び出版。
第十二次世界大戦が起きた世界。文明は破壊され、町も都市も、森も林も消え去られてしまう。残された人間たちは、ただそのへんに座りこむだけの存在になってしまった。ひとりの若い娘が世界に残った最後の花を見つけるところから、物語は、はじまる、、のだけど、また、時間が経って、人々は、世界戦争を起こしてしまう。
ウクライナの報道状況を見ていると、現実が、そのまま本書に表されているような、今、まさに、こういう世界に生きているのだなあと思わされる。
話は、それるのだけど、
知的生命体が存在しうる星の数は、おおよそ100億から200億個と推定されている。それでも、幸か不幸か、今のところ宇宙人には遭遇していない。そして、その理由は様々あるのだけど、なかでも、"グレート・フィルター説"というのが、現実的だなあと思わされた。その説とは、
「宇宙人の多くは、文明が発展すると、核戦争や環境破壊、危険な技術(ナノテクノロジーやバイオテクノロジー、人工知能)や科学実験の失敗などで滅亡し、宇宙旅行に乗り出す時間を持てないという説。」
宇宙に進出する前に、文明が崩壊してしまう。
ちなみに、ある学説によると、生命の誕生から文明の発展、そして宇宙移民へと至る過程を9段階に区分されていて、現時点での地球人の到達点は8段階目であるらしい。地球人類は非常に突破が困難な技術的障壁に直面することになるらしい。
人生100年時代とは言われているけど、せめて、自分の周りは、平和でいたいと願う。
なかなか、良い本でした。