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【読書ノート】「かもめ食堂」

「かもめ食堂」
群ようこ著


サチエがフィンランドで食堂を営みながら遭遇する出逢いを通してほのぼのとしたあったかい気持ちになれる物語。映画化もされている。さーっと読めてしまうのだけど、いくつか、キーワードを挙げてみる。

①かもめ
自由、孤独、存在の本質を象徴する。かもめは空を自由に舞い、独自の世界を持ちながらも他の鳥と交わることもある。このようなかもめの行動や姿勢は、哲学的な視点から自由な存在としての個体や自己の探求、他者との関係性の探求、そして生命の意味や存在の本質についての深い問いを投げかける。

②食堂
1. 共有と交流の場: 食堂は人々が集まり、食事を通じてコミュニケーションや交流を図る場。

2. 平等とアクセスの場:食堂は社会的な地位や経済的な状況に関係なく、人々が食事をする機会を提供することで、平等性やアクセスの重要性を象徴する。

3. 食文化と身体の健康: 食堂は食事を提供する場所であり、食文化や食習慣を反映している。食堂で提供される食事は、人々の身体の栄養や健康にも関わる重要な要素。

③フィンランド
1.平等: フィンランドは男女平等や社会的公正を重視し、経済的な状況、性別、年齢、人種、宗教などからくる差別を最小限に抑えることを目指している。

2. 自然との共生: フィンランド人は自然環境を大切にし、森林や湖、海、自然保護区へのアクセスを重視する。

3. 社会福祉: 一人ひとりが健康で安全な生活を送ることができるよう、包括的な社会福祉制度を提供している。

4. 透明性と信頼: フィンランド社会は透明性を重視し、政府や企業が公正で透明な行動をとることを期待される。これは信頼される社会を形成する基盤となっている。

④宝くじ
1. 偶然性と必然性: 宝くじは、運に左右される結果を生み出すことで、偶然の存在と私たちがコントロールできない要素が人生にあることを気づかせてくれる。

2. 運命と自由意志: 当選するかどうかは運命に左右されるが、宝くじを買う行為は自由意志によるもの。これは運命と自由意志の関係を象徴している。

3. 富と倫理: 宝くじの大当たりは一瞬で大金を得る可能性を示すが、それは本当に幸せをもたらすのか、富が倫理的価値とどのように関連しているのかを考えさせられる。

4. 幸運と不公平: 宝くじは、ごく一部の人に大金を与えるが、ほとんどの人には何も与えない。これは、人生の公平さや運の分配について考える機会を与えてくれる。

5. 希望と現実: 宝くじは未来の可能性と希望を提供するが、その確率は非常に低い。これは希望と現実のギャップを示す。

キーワードから見えてる世界は、フィンランドで食堂を営む主人公サチエが出会った人々との経験を通じて、自由や孤独、存在の意味、コミュニケーションの重要性、平等、健康や食事の大切さ、自然との調和、信頼の築き方、偶然や必然、運命と自由意志、幸運と公平性、希望と現実など、さまざまなテーマについて考えさせられる物語なのだと理解した。

物語の主題は何か?
いろいろテーマはあるのだけど、サチエが、宝くじで、一億円を当てることをどう受け取るか?ということだと思った。

自分の使命が何かを自覚して、覚悟を決めて進んだ先には、幸運が待っているということなのだと理解した。

私は、宝くじは、買わないのだけど、今の幸せは、神様からの恵みでしかないということは、日々感じている。会社をやっていると、仕事が来るのかどうか、日々不安感に襲われる。家賃は払えるのか?従業員に給料を出せるのか?取引先に支払いはできるのか?などなど。だけど、宝くじに当たったかのように、いつも、必要な仕事は、与えられてきている。

幸せは、ひたすらに、与えられるものなのだと思う。

いつも、喜び、
絶えず祈り、
すべてのことに感謝して、日々を歩みたいと改めて思わされた。

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