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【読書ノート】『ネオンテトラ』(『スモールワールズ』より)

『ネオンテトラ』(『スモールワールズ』より)
一穂ミチ著


評判が良い物語なので長いこと積読状態だったのだけど、ようやく読むことができた。

主人公(美和)は、30歳で、モデルをやっている。なかなか子どもが産まれず、夫(貴史)は、頻繁に浮気をする。住んでいるマンションでは、ネオンテトラを飼っている。そして、時々姪っ子の有紗が訪ねてくる。

ある日、マンションのベランダで立っていると向かいのマンションで親からものすごい剣幕で怒鳴り散らされている少年を見た。彼は、有紗の同級生で笙一というのだった。

①ネオンテトラ
ネオンテトラの鮮やかな色は、自然界の美しさや生命の多様性を象徴している。また、群れで泳ぐ姿は、協調性や共同体の重要性を示唆している。さらに、彼らの穏やかな性格は、平和や調和の価値を反映している。

②ネオンテトラの繁殖方法
まず、繁殖用の水槽を準備し、水温を約25℃に保ち、弱酸性(pH 5~6)の軟水を用意する。水槽にはコーナーフィルターを取り付け、暗い環境を作り出すことが推奨される。産卵後は、成魚を水槽から取り出し、卵がふ化するのを待つ。卵は約24時間でふ化し、稚魚が生まれる。稚魚は約3か月後に成魚と同じ水槽で混泳できるようになる。それまでは別の水槽で育てる必要がある。

キーワードから見えてくる物語の主題は何か?

人間関係の複雑さと、個々の生命が持つ独自の価値についての考させられる。物語の中でネオンテトラは、その鮮やかな色彩と群れで泳ぐ姿を通じて、美和、有紗、笙一のそれぞれの人生が互いに影響を与え合いながらも、個々に美しく、また独特な存在であることを象徴しています。

美和のモデルとしての生活、夫の貴史との関係、そして笙一や有紗との交流は、ネオンテトラが示す自然界の美しさや生命の多様性、協調性や共同体の重要性、平和や調和の価値を反映している。

この物語は、登場人物たちが直面する困難や挑戦、そして彼らがそれぞれの状況にどう対処していくかを通じて、人生の複雑さと美しさを描いている。

主人公の美和の感じている何となく気だるい不安感みたいなものが、多くの人の共感をうんでいるのかなあと思ったりした。ネオンテトラの繁殖方法を応用して、子どもを授かるというアイデアもなかなか斬新だとは、思ったのだけど、ちょっと現実的ではないかなあみたいに思いながら読み終えた。

文章には、かなり引き込まれて、評判の高さにも頷けると思った。

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