【読書ノート】『コイビト』(『授乳』より)
『コイビト』(『授乳』より)
村田沙耶香著
ホシオと名付けたハムスターのぬいぐるみを恋人と思う「あたし」は、同じようにムータというオオカミのぬいぐるみを愛する少女、美佐子と出会う。
かなり、村田沙耶香ワールド全快のシュールな物語。
オオカミのぬいぐるみ
自然界の野生や野性を象徴する。オオカミは強さや勇気、自立心、そして集団や家族の結束を表現する。また、オオカミはしばしば知恵や洞察力を持つ存在として描かれ、賢さやリーダーシップの象徴ともされる。
ハムスターのぬいぐるみ
可愛らしさ、小ささ、かわいらしい動きや行動、活発さの象徴と考えられる。また、ハムスターは快活さや楽観主義、遊び心、または家庭や癒しの象徴とも関連付けられる。
どうして、ぬいぐるみを溺愛するのか?
1. 不適切な親子関係:子供が自立するために必要な環境や教育が得られなかったとき、精神的な幼さが現れることがある。
2. 心的外傷:過去のトラウマや心的外傷が解決されないままでいると、その人は精神的な発展が妨げられ、精神的な幼さが続く。
3. 感情的な欠乏:愛情や安全感が欠如していると、人は自己の成長を妨げ、精神的な幼さを発現する。
4. 社会的孤立:社会的な絆やつながりがないと、精神的に成熟するための経験や学びが制限され、結果として精神的な幼さが現れる。
物語の主題は何か?
適当な親子関係というものが大事なのだろうなあと思った。
発達障害児童ってだいぶ認知されてきているようなのだけど、共感力が、乏しいというか、自分の世界観の中で素直に生きている。そういう子供の親も発達障害者だったりすることが多いらしい。
IQが、高い子供でも、低い子供でも、発達障害になっていたりする。
共感力というのは、社会の中で生きていく上で大事なことではあるけど、天才的な閃きを発揮する発達障害だったと言われている人々(エジソン、アインシュタインなど)が、偉人だったりするわけで、彼らが、世の中に革命をもたらしてきていることを思うと面白い。
多様性をどう受け入れていくことができるのか?大多数の一般ピープルの許容力に社会の発展がかかっているのかもしれない。