【読書ノート】『散歩同盟会長への手紙』(『不時着する流星たち』より)
『散歩同盟会長への手紙』(『不時着する流星たち』より)
小川洋子著
これも、なかなか、よくわからない物語ですが、ローベルト・ヴァルザーというスイスのドイツ語作家をモチーフにした物語。
散歩をすることで、こころを整えて、ことばを探すのだという。
①ローベルト・ヴァルザーとは?
散歩は、重要なテーマの一つだった。彼は、散歩を通じて、自然や人々とのつながりを深め、自分自身を再発見することができた. また、散歩は、自由な思考や創造性を促す契機ともなっていた。さらに、散歩は、現実と虚構の境界を曖昧にする手段でもあった。
②タイトル「不時着する流星」には、どんな意味があるか?
1. 一瞬の輝きと消滅:流星は宇宙から吹き込む独特な美しさを持ちながら、瞬く間に消え去る。このような短命さは、人生の一瞬の喜びや短暫な瞬間の美しさを象徴する。流星を見ることで、人々は喜びや美を感じる瞬間を大切にし、はかなさを感じさせられる。
2. 存在の一時性と仮定:流星は宇宙から地球の大気圏を通過し、地球上で一時的に一瞬の光を放つ。このような流星の現象は、宇宙の一部である我々の存在が一時的で仮定的であることを示唆する。我々は宇宙の中の減り行く存在であり、一時的な存在として自分たちの存在を理解することができる。
3. 無常性と永遠性:流星が空を横切る瞬間、その美しさは一時的であることと共に、その存在は無限への永遠性の一部となる。流星を見ることで、我々の存在や経験の無常性を受け入れるだけでなく、それが永遠に続く大きな全体の一部であることを理解させられる。
小石
ひかえめさ、静けさ、内包力などを象徴することがあります。また、小さなものでも大切さや努力を表す象徴としても使われることがあります。
物語の主題は何か?
人生は散歩なのだということ。
散歩を通して、自分を知り、周りを知り、自分の存在価値を知る。そして、それは、自己表現の手段となる。ひとは、自己表現をするために日々散歩しなければならないということだと思った。