【読書ノート】『思い出エレベーター』(『時ひらく』)
『思い出エレベーター』(『時ひらく』)
辻村深月著
本書は6編からなるデパートアンソロジー。本作品(『思い出エレベーター』)は、辻村深月さんが担当。
日本橋三越を舞台にした物語。
デパートというのは、幸せの象徴のような場所だ。
物語に登場する一家は、日本橋三越。一家の思い出の場所。何となく、暖かく、ほろ苦い気持ちにさせられる。
デパートのエレベーターは、懐かしい思い出を呼び起こす。昔、子どもの頃にデパートで過ごした楽しい瞬間が蘇る。吹き抜けの店舗を昇降するエレベーターは、タイムマシンとなる。
私の場合、幼少期は銀座三越だったような気がする。高校生くらいの頃は、丸井だとか、西武、パルコだった。結婚して、子供ができてからは、高島屋、そごう。
住んでいる場所やその時々の人間関係で、訪れるデパートは違うのだけど、、昔は、何となく、家族ごとに贔屓にするデパートは決まっていたような気がする。
物語の主題は何か?
デパートのエレベーターは、人生に特別な瞬間を刻んでくれた場所であって、その時々に未来への希望を与えてくれるということ。