かりそめ一人暮らし日記(2024.2.4-5)
一時的一人暮らし、2日目。
旅行中の夫から特に連絡もない朝。向こうも楽しくやってるのだろう。あえてこちらからも連絡はしない。
布団のなかで好きなだけゴロゴロして、むっくり起きる午前9時。
夕べ仕込んでおいたフレンチトーストを焼く。バターを溶かしたフライパンに卵液がたっぷりしみこんだ食パンを乗せる。じゅうという音とともに、バターの香りが舞い上がる。
弱火で焦げないようにじっくりと焼く。
お皿に盛って、メープルシロップをたらり。昨日炊いたあんこも一口乗っけてみる。
いただきます。
昨日、偶然見つけた洋楽の動画を再生してみる。朝らしい明るいメロディが流れる。桜のトンネルのサムネイルも良い。
洗濯が終わるまで、編み物の本をパラパラめくる。
模様編みの手袋が編みたいと思っているので、編めそうなものを探す。
ショッピングモール内の手芸店へ行く。さっき本で見た手袋を編むために毛糸を探しに来た。
でも、この店の商品は布地が主で、毛糸はあまり置いていない。少ない選択肢の中で、アクリルかウールか、両方混ざったのがいいのか、色合わせはどうするか、風合いはいいか、糸の太さはどうか、レシピと同じゲージになるか、コスパはなどなど、いろいろ考えていたら、なかなか決められない。
1時間ほど店内やモール内をうろついて、やっと毛糸3玉を購入。ブルーとライトグレー。
帰宅して、ランチにする。
念願のおぜんざい。
夕べ作ったあんこにお水を足して、市販の切り餅を2コ入れて煮た。
自分で作ると甘さや濃さを自由に調節できるから、好きな味になってうれしい。自己満足、万歳。
午後はコタツに潜って、編み物。
買ってきた毛糸で、レシピを見ながら編み始める。
今回買った毛糸は、赤ちゃんのニット用のもの。以前見た編み物系の動画で、赤ちゃん用の毛糸は、風合いや発色が優しく、アクリルとウールの混合なので洗濯機で洗えるので便利だというのを教わったので、今回買ってみた。ほんのりつやのある色とふんわり優しい肌触り。値段も手頃。なかなかよいものだった。難点があるとすれば、柔らかい糸だけに編んだりほどいたりを繰り返すと糸が毛羽立つというところかな。気をつけて編もう。
昨日に引き続き、編み物中に突然の睡魔。毛糸とスマホを腹に乗せたまま昼寝。気づいたら夕方だった。
急いで、お風呂にお湯を張る。
夕食前にお風呂に入る。毛糸を買いに行ったついでにちょっとお高めの入浴剤を買っておいた。「ジェットバスのような泡」と銘打った商品だった。ドボンと湯船に放り込むと勢いよく泡が出て「おお!」と思ったが、さすがにジェットバスというほどではなかった。あと、森林の香りのはずが、なぜかサロンパスみたいな香りだった。きっと筋肉がよくほぐされたに違いない。
今夜の晩餐は「一人焼き肉」と決めていた。
テーブルに油よけの新聞紙を広げて、IHコンロをセット、小さめの鉄板を置く、お皿の向こうにiPadをセットし、動画を再生して、晩餐の始まり。
焼き肉のお供はやっぱりビール。
ふだんは一人で飲むと、なかなか350ml1缶が飲みきれないのに、今夜は早々に空になった。調子が良い。もう1本はノンアルで。
余ったノンアルビールを片手に、大河ドラマを見る。
まひろ(吉高由里子)の慟哭、それから藤原道長(柄本佑)が初めて感情を露わにしたラストシーン、胸が熱いというか、こみ上げるものがあった。そうか、ここから本当の物語が始まるのかという今後への期待と、ここまでの伏線が回収された見事な回だった。
レシピと首っ引きで2色の糸を交互に替えて模様を編んでいく。少しずつ柄が現れてきて悦に入る。でも、レシピで指示された太さより、かなり細い棒針で編んだため、サイズが小さくなってしまった。手にはめるととても窮屈。これでは完成しても使えない。なくなく全部ほどいてやり直すことにした。
やっぱりゲージを取ることは大事だと痛感。(ゲージを取るとは編む目数と段数を確認して、仕上がりサイズを整えること。怠ると仕上がりサイズがおかしくなります)
Amazonで、レシピが指定する太さ(号数)の輪針を買う。
幸い、先日noteの懸賞に当たってAmazonギフト券を1000円分もらったので、それを使って買うことができた。(noteさんありがとう)
今宵の編み物は諦めて、布団に入って、「枕草子」を1段(話)読んで寝た。
翌朝、月曜日。一人暮らしをいいことに、わざと目覚ましをかけずに寝たので確信犯的寝坊をする。
夫がいないと家事もワンオペなのが辛いところ。
洗濯している間に朝食とお弁当のスープジャーに入れるミネストローネを作る。
ふつうの朝ごはん。
ネットニュースで雪で飛行機が相次いで欠航していると知り、「飛行機飛ぶの?」と夫にLINE。「飛ぶみたい」と返信。無事帰ってこられそう。
身支度をして、仕事に出かけた。
夕方、私の帰宅と同時に夫も帰ってきた。
私のかりそめ一人暮らしはここで終了。ああ、楽しかった。
一人暮らしといっても、所詮私のそれは「ごっこ」だ。家族が帰ってくると分かっていて、短期間だから楽しめる。もしも明日もあさってもずっと一人だったとしたら、怠け者の私のことだ、相当やさぐれたものになるだろう。私って家族がいるからちゃんと暮らせているんだなぁと思った。
だから、私にとって一人暮らしとは、たまに訪れる「ハレ」の日でいい。